サウナは美容や健康に良いとされていますが、乾燥肌の方にとっては「肌が余計に乾燥しないか？」と不安に感じることも多いでしょう。高温・低湿度の環境は肌の水分を奪い、バリア機能が低下しやすいため、正しい知識が必要です。
しかし、適切な方法を守れば、乾燥肌の方でもサウナを楽しみながら美肌を維持できます。ここでは、サウナが乾燥肌に与える影響や、種類による違い、肌を守るための具体的なケア方法を詳しく解説します。サウナの正しい利用法を知り、肌トラブルを防ぎながら効果的に楽しむためのポイントを押さえましょう。
国立琉球大学医学部医学科を卒業。国内大手美容クリニックなどで院長を歴任し、2024年アラジン美容クリニックに入職。
特にクマ取り治療では、年間症例数3,000件以上を誇るスペシャリストである。「嘘のない美容医療の実現へ」をモットーに、患者様の悩みに真剣に向き合う。
乾燥肌の人がサウナで注意すべきポイントとは？
サウナはリラックス効果や血行促進、美肌効果が期待できる一方で、乾燥肌の人にとっては注意が必要な環境でもあります。サウナの高温・低湿度の状態は、肌の水分を奪い、バリア機能を低下させる要因となり得ます。
しかし、正しい知識を持ち、適切な対策を取れば、乾燥肌でもサウナを楽しむことが可能です。ここでは、乾燥肌の人がサウナで特に気をつけるべきポイントについて詳しく解説します。
サウナが肌に与える影響とは？
サウナの特徴的な環境は、肌にどのような影響を及ぼすのでしょうか？まず、高温の空気にさらされることで、肌表面の水分は急速に蒸発します。特にドライサウナ（80〜100℃、湿度10〜20%）では、湿度が低いために肌の水分が奪われやすく、短時間でも乾燥を感じることがあります。
一方で、スチームサウナ（50〜60℃、湿度80%以上）は湿度が高いため、乾燥肌の人にとっては比較的負担が少ない環境となります。ただし、長時間利用すればやはり肌の水分は失われるため、油断は禁物です。
汗の蒸発とともに失われる皮脂の重要性
サウナでは大量の汗をかくことで、体温調節が行われます。しかし、汗が蒸発すると同時に皮膚の表面を保護する皮脂膜も流されてしまいます。皮脂は肌の水分を閉じ込め、外部の刺激から守る重要な役割を持っていますが、乾燥肌の人はもともと皮脂の分泌が少ない傾向にあるため、さらにバリア機能が弱まりやすいのです。
特に、洗顔後のように皮脂が失われた状態でサウナに入ると、肌の保護機能が大きく低下し、乾燥や刺激に対してより敏感になってしまいます。したがって、サウナ前の保湿ケアや皮脂を補うケアが重要になります。
乾燥肌の人は特にバリア機能が低下しやすい
肌のバリア機能が低下すると、以下のような影響が現れます。
- 肌の水分が蒸発しやすくなり、乾燥が進む
- 外部刺激（温度変化や摩擦）に敏感になり、赤みやかゆみが発生しやすい
- 炎症を起こしやすくなり、敏感肌へと移行するリスクが高まる
特に、乾燥肌の人はもともと肌のセラミドや皮脂が不足しているため、バリア機能の回復が遅れがちです。そのため、サウナを楽しむ際には、肌のバリア機能をサポートするケアが欠かせません。
乾燥肌の人がサウナで悪化する可能性がある症状！
乾燥肌の人がサウナを利用した後に最も感じやすいのが、肌の「つっぱり感」や「かゆみ」です。これは、サウナによって肌の水分が急速に奪われ、角質層の水分保持能力が低下するために起こります。特に、サウナ後に適切なスキンケアをしない場合、肌が硬くなり、ごわついた感触になることがあります。
さらに、乾燥によって肌のかゆみを感じることもあります。これは、バリア機能が低下したことで、外部刺激（衣服の摩擦や温度変化）に過敏に反応するためです。かゆみを感じた際に肌を掻いてしまうと、さらなる炎症や乾燥を招くため、注意が必要です。
皮膚のバリア機能が低下し、外部刺激に敏感になる
その他、バリア機能の低下は、乾燥肌のさらなる悪化を引き起こす要因となります。特に、以下のような外部刺激に対して敏感になりやすくなります。
- 温度変化（サウナと外気の温度差による刺激）
- 摩擦（タオルで強く拭く、衣類の擦れ）
- 化学成分（刺激の強いスキンケア製品の使用）
バリア機能が低下した状態では、普段は問題なく使用していた化粧水や美容液でも刺激を感じることがあります。サウナ後は肌が特にデリケートな状態になっているため、低刺激で保湿力の高いスキンケア製品を選ぶことが大切です。
間違ったケアでさらに乾燥を引き起こすリスク
サウナの後、適切なスキンケアをしなければ、乾燥肌の悪化を招く可能性があります。特に、以下のような間違ったケアは避けるべきです。
- サウナ後に何もつけずに放置する
サウナ後は、肌の水分が急速に蒸発しやすい状態になっています。そのままにすると、水分不足が加速し、乾燥やシワの原因になります。サウナ後はできるだけ早く保湿ケアを行いましょう。 - 刺激の強いスキンケアを使用する
アルコール成分を多く含む化粧水や、ピーリング系のスキンケアはサウナ後の肌には不向きです。肌が敏感になっているため、刺激を感じやすく、赤みや炎症を引き起こす可能性があります。 - 強く擦る・摩擦を与える
サウナ後にタオルでゴシゴシ拭いたり、クレンジングを強くこすったりすると、バリア機能がさらに低下します。肌に優しく触れるように意識し、摩擦を最小限に抑えることが大切です。
サウナと乾燥肌の関係！種類によって影響は違う？
サウナは乾燥肌の人にとってリスクがあるものの、適切なケアをすれば楽しめるということを前章で解説しました。しかし、サウナと一言で言っても、その種類によって肌への影響は異なります。特に「ドライサウナとスチームサウナのどちらが乾燥肌に適しているのか」という疑問を持つ方も多いでしょう。
また、温度や滞在時間も肌の負担に関係します。適切な温度や時間を守ることで、サウナのメリットを最大限に享受しつつ、肌への負担を最小限に抑えることが可能です。ここでは、サウナの種類ごとの特徴や、乾燥肌の人に適した温度・時間の設定について詳しく解説していきます。
ドライサウナとスチームサウナ！乾燥肌にはどちらが良い？
まず、ドライサウナは、一般的に80〜100℃の高温環境で湿度が10〜20％程度と非常に低いのが特徴です。この低湿度環境では、肌の水分が急激に奪われるため、乾燥肌の人にとっては負担が大きくなります。
- 皮膚の水分蒸発が加速し、乾燥が進む
- 皮脂も失われ、バリア機能が低下する
- 肌のつっぱりやかゆみが起こりやすくなる
特に、もともと皮脂分泌が少なく水分を保持しにくい乾燥肌の人は、ドライサウナを長時間利用すると、肌の水分保持能力が低下し、バリア機能が崩れやすくなるため注意が必要です。
一方で、スチームサウナは湿度が80％以上と高く、温度も50〜60℃とドライサウナよりも低いのが特徴です。この環境は、乾燥肌の人にとっては比較的優しいとされています。
- 高湿度環境により、肌表面の水分蒸発を防ぎやすい
- 温度が低めなので、肌への負担が少ない
- 肌の血行が促進され、水分や栄養が行き渡りやすい
ただし、湿度が高いとはいえ、長時間入っていると水分補給が追いつかず、最終的には脱水を引き起こすリスクがあるため、適度な時間で利用することが重要です。
結論として、乾燥肌の人にはスチームサウナの方が適していると言えます。しかし、「ドライサウナは絶対にNG」というわけではなく、短時間の利用や適切なスキンケアを組み合わせることで、ドライサウナでも肌への負担を抑えることが可能です。
サウナの温度と時間設定が重要！
乾燥肌の人がサウナを利用する際は、温度と滞在時間の調整が非常に重要です。温度が高すぎたり、長時間利用すると、肌の水分が過剰に失われ、乾燥やかゆみが悪化する可能性があります。
- ドライサウナ：温度 75〜85℃、滞在時間 5〜10分以内（1セットあたり）
- スチームサウナ：温度 50〜60℃、滞在時間 10〜15分以内（1セットあたり）
また、サウナを長時間利用するよりも、短時間の利用を複数回に分ける方が肌への負担を抑えつつ、効果的に楽しめます。
高温になりすぎると肌の負担が増える理由としては、サウナは血行を促進する一方で、極端に高温の環境にさらされると、肌のバリア機能が破壊されるリスクがあることが研究でも示唆されています。特に80℃を超える環境では、肌の角質層の水分が急激に蒸発し、皮脂膜が失われるため、乾燥や炎症を引き起こしやすくなります。
また、乾燥肌の人はもともと肌のターンオーバーが乱れがちなため、高温のサウナに長時間入ることで、余計に肌の再生が遅れ、バリア機能の低下が長引く可能性があります。サウナから出た後は、水分補給をしながらクールダウンを行うといったケアを心がけることが大切です。
サウナ後の正しいスキンケアで乾燥を防ごう！
サウナ前の準備をしっかり整え、適切な時間・温度でサウナを楽しんだとしても、サウナ後のケアを怠ると、肌の乾燥は避けられません。 むしろ、サウナによって水分が奪われ、バリア機能が一時的に低下しているため、このタイミングで適切なスキンケアを行うかどうかが、乾燥を防ぐ決定的なポイントになります。
サウナの後、肌の水分蒸発は続いています。そのまま放置すると、肌は乾燥し、つっぱり感やかゆみが現れるだけでなく、小じわの原因になることも。サウナ後はスピーディーかつ適切な方法で保湿し、肌の水分を守ることが重要です。 さらに、体の内側からも水分と栄養を補給することで、より効果的に乾燥を防ぐことができます。
サウナ後はすぐに保湿！適切なスキンケア手順
サウナから出た直後、汗をかいたまま放置すると、皮膚の上に残った塩分や老廃物が肌に刺激を与え、かえって乾燥やかゆみを引き起こす可能性があります。とはいえ、冷たい水や熱いお湯で顔を洗うのはNG。 冷水は毛穴を急激に引き締めすぎてしまい、熱いお湯は肌のバリア機能をさらに奪ってしまいます。
理想的なのは、ぬるま湯（30〜35℃）で優しく汗を流すことです。 石鹸やクレンジングを使わなくてもいいでしょう。むしろ、強い洗浄成分の入った洗顔料を使うと、肌に必要な油分まで洗い流してしまい、さらなる乾燥を招きます。
また、サウナ後は、肌の角質層の水分が急激に蒸発しやすい状態。このタイミングで適切な成分を補給することで、肌の回復がスムーズになります。
乾燥肌の人におすすめなのは、セラミド・スクワラン・シアバター配合のクリーム。 これらの成分は、肌のバリア機能を補強し、乾燥から守ってくれます。特に目元や口元は乾燥しやすいので、部分的にワセリンを薄く塗るのも効果的です。
サウナ後の水分補給で内側から保湿！
スキンケアだけでは、乾燥を完全に防ぐことはできません。肌の水分量は、体内の水分バランスと深く関係しているため、サウナ後は「内側からの水分補給」も重要です。
サウナ後は体の水分が失われ、脱水状態になりやすくなっています。そのため、単なる水ではなく、電解質（ミネラル）を含む飲み物を摂取するのが理想的。
ここで注意したいのが、アルコールとカフェインの摂取です。サウナ後に冷たいビールを飲みたくなる人も多いですが、アルコールは利尿作用が強く、脱水症状を引き起こすリスクがあるため注意が必要です。 さらに、コーヒーや緑茶などのカフェインを含む飲み物も、同じ理由でおすすめできません。
まとめ
サウナは乾燥肌の方にとって負担となる場合がありますが、適切なケアをすれば美肌を維持しながら楽しめます。特に、サウナの種類によって肌への影響が異なるため、湿度の高いスチームサウナを選ぶのも一つの方法です。
さらに、事前の保湿ケアや十分な水分補給、サウナ後のスキンケアを徹底することで、乾燥を防ぎながら肌の健康を守れます。逆に、間違ったケアや長時間の利用は肌トラブルの原因となるため注意が必要です。正しい知識を持ち、自分に合ったサウナの入り方を実践しながら、美容とリラックスを両立させましょう。
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