糸リフトの効果はいつまで続く？持続期間とリスクを正しく解説！

加齢によるたるみやフェイスラインの崩れが気になり始めたとき、メスを使わずに若々しさを取り戻せる選択肢として注目されているのが「糸リフト」です。美容医療の中でも比較的手軽な印象を持たれやすい一方で、「本当に効果はあるの？」「どのくらい持続するの？」といった疑問や不安の声も少なくありません。

見た目の変化を求めて踏み出すからこそ、納得感をもって選択したいのが本音ではないでしょうか。ここでは、糸リフトの基本的な仕組みから、効果の持続期間、施術後の経過、さらに効果を長持ちさせるコツや他施術との比較まで、専門的な観点からわかりやすく解説いたします。

初めての美容医療にも、すでに施術経験がある方にも、有益な判断材料となることを目指しています。

 

 

糸リフトとは？仕組みと基本効果を理解しよう

年齢を重ねるにつれて、頬の位置が少しずつ下がったり、フェイスラインがぼやけたりといった“たるみ”の悩みが現れはじめます。こうした変化に対し、「できるだけ自然に、でも確実に引き締めたい」という声に応えるように注目を集めているのが糸リフトです。

糸リフトとは、皮膚の下に細くて特殊な糸を挿入し、皮下組織ごと引き上げてフェイスラインを整えるリフトアップ治療のひとつです。メスを使わずに済むことから「切らないフェイスリフト」とも呼ばれ、手軽に受けられる美容医療として幅広い世代に選ばれています。

ただし、糸リフトの魅力は「引き上げ効果」だけにとどまりません。使用される糸は、体内でゆっくりと吸収される過程で、コラーゲンやエラスチンといった美肌成分の生成を促すという“内側からの肌質改善”にもつながるのです。つまり、糸リフトはたるみを引き上げる施術であると同時に、肌の土台そのものを育てる治療とも言えるでしょう。

さらに、施術は局所麻酔で行うため、術中の痛みもほとんどなく、メスを使わないことによってダウンタイムも最小限に抑えられます。早ければ翌日からメイクが可能な場合もあり、仕事や日常生活に大きな支障をきたすことなく、美しさを手に入れられる点も、現代人に支持される理由のひとつです。

糸リフトで使われる主な糸の種類

糸リフトに使われる糸にはいくつかの種類があり、それぞれに特性と目的があります。その中でも、日本の美容医療現場で最も一般的に使用されているのが、「PDO（ポリジオキサノン）」「PLLA（ポリL乳酸）」「PCL（ポリカプロラクトン）」の3つです。

これらはすべて「吸収性素材」に分類され、体内で安全に分解される点が特徴です。安全性、効果、柔軟性、持続性といった要素をバランス良く備えていることから、多くのクリニックで標準採用されています。

そのほか、「PLA（ポリ乳酸）」や「非吸収性素材（シリコン・金糸など）」が用いられるケースもあります。特に非吸収性の素材は、感染や異物反応のリスクもあるため、慎重な判断が必要です。

リフトアップ＋コラーゲン生成の二重効果

糸リフトの本質的な魅力は、ただ“引き上げる”ことだけに終わらない点にあります。糸を挿入することで、物理的に皮膚が持ち上がるだけでなく、その刺激によって肌の内部でコラーゲン生成が活性化され、ハリと弾力のある肌質へと変化していくのです。

つまり、見た目の変化はもちろんのこと、「素肌力そのもの」を育てる施術であるという点が、他の美容医療とは一線を画す部分と言えるでしょう。リフトアップと肌質改善という二重の効果を同時に狙えるのは、糸リフトならではの特長です。

施術の流れと対象部位

施術はおおよそ以下のような流れで行われます。

1. カウンセリングとデザイン設計（顔全体のバランスを見ながら、糸の種類・挿入方向・本数を決定）
2. 局所麻酔（必要な箇所に注射で麻酔を施し、痛みを抑える）
3. 糸の挿入（カニューレという特殊な器具を使い、糸を皮下に通す）
4. 最終調整と確認（引き上げ具合や左右のバランスを見ながら調整）

施術時間は30分程度が目安で、施術後すぐに帰宅が可能です。ダウンタイムは個人差がありますが、内出血や腫れが出た場合でも、数日〜1週間程度で落ち着くことが多いです。

対象となる部位は、フェイスライン・頬・ほうれい線・あご下・こめかみなど、たるみが目立ちやすい部分が中心ですが、最近では目元や眉上、首などにも応用されるようになっており、パーツごとの悩みにも柔軟に対応できます。

 

糸リフトの効果はいつまで続く？持続期間の目安と変動要因

糸リフトは、皮膚を切らずにリフトアップ効果を得られる施術として広く知られるようになりましたが、その魅力は即効性だけではありません。前章で解説したように、皮膚の下に挿入された糸が肌の内側からコラーゲンを育て、時間をかけて自然な若返りを導く点も、大きな価値のひとつです。

では、その効果は一体どのくらいの期間続くのでしょうか。6ヶ月から18ヶ月程度が目安といった情報を目にすることもありますが、実際のところ、糸の種類や施術技術、そして患者自身の肌質や年齢によって、その“持ち”は大きく異なります。

ここでは、糸リフトの効果の実際の持続期間と、それに影響を与えるさまざまな要因を紐解きながら、「いつまで続くのか？」という疑問に、科学的かつ誠実にお答えしていきます。

糸の素材と構造が左右する「リフトの寿命」

まず知っておきたいのは、使用する糸の素材と構造によって、リフトアップ効果の持続期間が根本から異なるということです。

糸リフトに使用される糸は体内で徐々に分解されていく吸収性の素材が主流であり、その素材が分解・吸収されるスピード、糸の硬さや柔軟性、コラーゲン生成の促進能力によって、リフト力が維持される期間に差が生じます。

（※あくまで目安であり、個人差があります）

PDOは比較的早く吸収される素材で、自然で控えめな引き上げ効果を求める方に向いています。一方、PLLAやPCLは吸収がゆっくりな分、リフト力やコラーゲン生成作用が長く続くため、より長期的な変化を求める方に適しています。

ただし、ここで注意しておきたいのは、糸の吸収期間と効果の持続期間が完全に一致するわけではないということ。リフトアップ効果は、糸が体内にある間だけでなく、その過程で生成されたコラーゲンの“土台効果”が残るため、見た目の変化がさらに長く続く場合もあります。

年齢と肌質による違いってどう違うの？

素材に続いて重要なのが、患者一人ひとりの肌の状態やライフスタイルです。同じ施術内容であっても、20代〜30代の若い肌と、40代〜50代の成熟した肌では、糸がかかる支持組織の質も異なり、リフト効果の“持ち上がり方”や“持ちの良さ”に違いが生まれます。

また、肌のコラーゲン量や皮膚の厚み、弾力といった「肌質」は、年齢だけでなく、日常のスキンケア・紫外線対策・喫煙習慣・栄養状態などの影響を大きく受けています。これらの要素が整っている人ほど、糸の吸収過程で生成されるコラーゲンの働きが高まり、より効果を長く維持しやすくなるのです。

たとえば、30代前半で肌代謝が良好な方であれば、PDOであっても1年以上の満足感を得られることがあります。反対に、加齢や生活習慣の乱れにより、皮膚の支持力が低下している場合は、PCLなどの持続性の高い素材を選んでも、半年〜1年程度で「物足りなさ」を感じるケースもあります。

医師の技術と術式の違いが結果を分ける

そして、もう一つ非常に重要なのが、施術を行う医師の技術力と術式の選定です。糸リフトは見た目以上に戦略的な施術であり、ただ糸を入れるだけでは持続力のある結果は得られません。

糸の挿入角度、深さ、皮膚の支持組織をしっかり捉えるかどうか、左右バランスの整え方、本数の設計。これらはすべて術者の知識と経験によって精密に調整されるべきポイントです。

たとえば、皮膚の浅すぎる層に糸を入れると、リフト力は一時的に見えても早期に効果が消失してしまうことがあります。逆に、解剖学的に適切な層を狙って挿入できる医師であれば、同じ素材の糸でも「半年も違う」といった実感を得られるケースもあるのです。

 

糸リフトの効果が切れるとどうなる？施術後の経過と変化

糸リフトによって得られる変化は、糸を挿入した直後からはじまります。施術直後にはフェイスラインが引き締まり、鏡を見るたびにその効果を実感できる方も少なくありません。しかし、糸が体内で少しずつ吸収されていくに従い、リフトアップの効果は次第に穏やかになっていきます。

では、糸リフトの効果が薄れてきたとき、顔は一気にたるんでしまうのでしょうか。答えは決してそうではありません。変化はあくまで緩やかであり、施術によって得られた“土台となる力”は、糸が吸収されたあとも肌の内側に残り続けます。

ここでは、糸リフト後に訪れる経過と変化、そして施術後に気をつけておきたいポイントについて詳しく見ていきましょう。

施術後半年間の変化イメージ

糸リフトの特徴は、急激な効果の消失が起きにくく、あくまで段階的に変化していく点にあります。以下は一般的な経過の目安です。

このように、効果のピークは施術後1〜3ヶ月に現れ、6ヶ月を過ぎる頃から徐々にフェイスラインが馴染んでいきます。

ただし、施術前とまったく同じ状態に戻るわけではなく、肌の中では引き続き重要な変化が起こっています。また、糸の種類や施術方法、個人差にもよります。

糸の吸収後に残る土台効果とは？

糸リフトは単に糸で引き上げる施術ではありません。皮膚の中に挿入された糸が体内で吸収される過程で、肌の再生に重要なコラーゲンやエラスチンが生成される作用があるためです。

このコラーゲン生成は、糸が溶けたあとも数か月から1年程度にわたり肌に影響を与え続けるとされており、たとえ見た目の引き上げ感が穏やかになっても、内側からふっくらとしたハリを支えてくれる“土台”となります。

そのため、糸が吸収されたあとも肌の質感に違いが残り、施術前よりも健康的な状態を保てる方が多いのです。このように、見た目だけでなく、肌質そのものを改善するのが糸リフトの本質的な効果といえるでしょう。

効果が薄れてきたときの注意点と向き合い方

リフトアップ効果が落ち着き始めたときに大切なのは、すぐに再施術を求めるのではなく、自分の肌状態を丁寧に見つめ直すことです。とくに注意すべきは、短いスパンで繰り返し施術を受けてしまうことで起こる皮膚への過剰な負担です。

無理に何度も引き上げを繰り返すと、皮膚の柔軟性が低下し、将来的なたるみや伸び感が出やすくなる可能性があります。再施術の適切なタイミングは、素材にもよりますが、おおよそ1年から1年半を目安とし、医師との相談を通じて決定することが望まれます。

また、効果が薄れはじめたタイミングで、ハイフや高周波などの肌を内側から刺激する治療を組み合わせることで、肌の土台を整えながら次のリフトアップへスムーズにつなげることも可能です。これにより、肌に負担をかけすぎず、長期的に美しさを維持しやすくなります。

 

糸リフトの効果を長持ちさせるには？日常ケアと再施術のタイミング

前章では、糸リフトの効果が切れるプロセスと、その後に肌へ残る変化について解説しました。施術によるリフトアップは永続するものではないものの、肌内部ではコラーゲンが生成され、一定期間にわたって若々しさを支えてくれる土台効果が続くことをお伝えしました。

では、この糸リフトの効果をより長く、より美しく保つにはどうすればよいのでしょうか。答えは、決して特別なことではありません。日々の過ごし方や小さな習慣が、肌の状態や効果の持続に大きな差を生み出します。

ここでは、効果を最大限に引き出すための日常生活でのポイントと、再施術のベストタイミングについて詳しくご紹介します。

日常生活で気をつけたい5つの習慣！

糸リフトの効果は、施術そのものの完成度だけで決まるものではありません。その後の生活習慣によって、リフトアップの持続性や肌質の改善度に明確な差が出てきます。

ケアの積み重ねが、糸リフトによる効果を一時的なものにせず、肌全体の若々しさを保ち続ける鍵となります。以下の5つの項目は、とくに意識してほしいポイントです。

ポイント１｜質のよい睡眠を確保すること

肌の修復は主に睡眠中に行われます。就寝時間を一定に保ち、最低でも6時間以上の睡眠を心がけることで、コラーゲン生成や代謝のリズムが整います。

ポイント２｜バランスの取れた食事を意識すること

ビタミンCやタンパク質、亜鉛などはコラーゲンの合成を助けます。無理なダイエットや偏食は、肌の再生力を損なう原因にもなりえます。

ポイント３｜丁寧なスキンケアを怠らないこと

保湿と紫外線対策は基本中の基本です。とくに紫外線はコラーゲンを破壊しやすく、リフトアップ効果の低下につながるため、日中は日焼け止めを欠かさずに。

ポイント４｜表情の癖や姿勢に注意すること

頬杖をつく、うつむき姿勢が多い、噛み癖が片側に偏るなど、日常の小さな癖がたるみの原因となる場合があります。姿勢を正し、左右のバランスを意識することも重要です。

ポイント５｜喫煙・飲酒を控えること

喫煙は毛細血管を収縮させ、コラーゲン生成を妨げます。過度なアルコール摂取も肌の水分を奪い、代謝を落とす原因となります。

美容皮膚科でのメンテナンス施術との併用

施術の効果を長く保ちたい方にとって、糸リフトだけに頼らず、定期的に美容皮膚科で受けられる非侵襲的なケアを併用することは非常に効果的です。

なかでも代表的なのが、ハイフ（HIFU）や高周波（RF）など施術です。これらは皮膚の深部に熱を届け、コラーゲンの再構築を促進するため、糸が吸収された後の肌を支える“再活性”の役割を果たしてくれます。

また、水光注射や美肌点滴といった保湿・再生を促す施術を併用することで、肌の内外からバランスよくアプローチができるのも大きな利点です。

クリニックで定期的に肌の状態を診てもらい、過剰にならないメンテナンスを重ねていくことで、自然な美しさを維持しやすくなります。

再施術のベストタイミングとは？

糸リフトの再施術を検討する時期として、多くの医師が目安とするのが施術から1年〜1年半後です。

この時期は、糸の吸収がある程度完了し、土台効果も徐々に落ち着きはじめる頃。引き続きリフトアップ効果を維持したい場合は、このタイミングでの再施術が効果的とされています。

ただし、再施術のタイミングは「期間」だけでなく、「肌の状態」によっても変わります。見た目のたるみ方、肌の弾力、生活習慣の変化などを総合的に判断し、医師と相談の上で決定することが大切です。

また、無理な短期間での再施術は避けるべきです。肌に過剰な負担がかかることで、皮膚が伸びやすくなり、逆効果になる可能性も否定できません。

 

まとめ

糸リフトは、メスを使わずに自然なリフトアップ効果を得られる一方で、その効果は永久ではなく、6ヶ月から18ヶ月程度という持続期間が一般的です。しかし、糸の種類や医師の技術、自身の生活習慣によってもその結果には幅が生まれます。

大切なのは、ただ「引き上げる」ことに執着するのではなく、自分にとって心地よい変化と向き合いながら、美容医療を味方につけることです。信頼できる医師とともに、納得できる施術選びを重ねていくことで、美しさを持続させる道はきっと見つかります。

ここでの内容が、あなたの不安を解消し、後悔のない美容医療との向き合い方を見つけるきっかけとなれば幸いです。

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