二重整形の中でもダウンタイムが短く人気の埋没法。しかし施術を受けたあと、多くの方が「メイクはいつからしていいの?」「どんなアイテムならOK?」といった不安を抱えがちです。まぶたの状態によっては、無理なメイクで腫れや内出血が悪化するケースもあるため、正しい知識が必要です。
ここでは、埋没法の構造や術式ごとの回復プロセス、再開できるメイクの時期、そして避けるべきコスメの特徴まで、専門的かつわかりやすく解説します。施術直後の方から、これから二重整形を検討している方まで、安心して毎日のメイクが楽しめるような内容をお届けします。

国立琉球大学医学部医学科を卒業。国内大手美容クリニックなどで院長を歴任し、2024年アラジン美容クリニックに入職。
特にクマ取り治療では、年間症例数3,000件以上を誇るスペシャリストである。「嘘のない美容医療の実現へ」をモットーに、患者様の悩みに真剣に向き合う。
二重埋没とは?施術法など基本情報について
切らない二重整形として人気を集める二重埋没法。まぶたの皮下に極細の医療用糸を通し、二重ラインを形成する施術で、ダウンタイムが短く、メイクの再開も早いことから幅広い世代に選ばれています。
ただし、埋没法には術式ごとに構造や仕上がり、術後の回復経過に違いがあります。とくに術後メイクを安全に再開するためには、糸をどこにかけて・どう留めて・どこで結ぶかという基本構造を理解しておくことが重要です。
ここでは、施術前後の判断にも役立つ、埋没法の基礎構造についてわかりやすく解説します。
二重埋没は瞼板法と挙筋法という「糸のかけ方」がある
まず、「糸をどこにかけて固定するか」によって、埋没法は瞼板法(けんばんほう)と挙筋法(きょきんほう)の2つに分かれます。
瞼板法は、まぶたの裏側にある硬い組織「瞼板」に糸を通す方法。安定性が高い反面、結膜や角膜に近いため違和感が出やすいケースもあります。
挙筋法は、まぶたを持ち上げる筋肉「眼瞼挙筋」に糸を通す方法。目の動きと連動するため自然な仕上がりになりやすく、現在の主流とされています。
それぞれの固定部位によって、二重の形状やまぶたへの負担が変わるため、患者のまぶたの状態や希望に応じて使い分けられています。
二重埋没は点留めと線留めという「糸の留め方(構造)」がある
次に、糸を何点で留めるかという「構造」の違いです。
点留めは、糸で数点をピンポイントに留める方法。2点留め、3点留めなどが一般的で、ダウンタイムが短く、初めての埋没にも選ばれやすい術式です。
線留めは、糸を線状に連続して通す方法で、まぶたの広範囲にわたって癒着を促す構造。自然癒着法やシークレット法などはこのタイプに該当し、安定感と持続性に優れます。
構造によって術後の腫れ方や、二重ラインの持続年数に差が出るため、再施術の必要性なども含めて事前に把握しておくと安心です。
二重埋没は表留めと裏留めという「糸の結び方(結紮位置)」がある
糸の結び目を「どこで固定するか」によって、「表留め」と「裏留め」に分類されます。
表留めは、皮膚側に結び目を作る方法で、抜糸がしやすいというメリットがある一方、術後にしこりやポコつきが見えることがあります。
裏留めは、まぶたの裏側(結膜側)で糸を結ぶ方法。仕上がりが自然でバレにくいという利点がありますが、技術力が求められるため、クリニック選びも重要になります。
見た目に関わるだけでなく、術後メイクを再開する際のリスク軽減にも関わるポイントです。
二重埋没法の術式別構造と特徴
以下、二重埋没の施術に関する情報をまとめた表となります。
固定部位(糸をかける場所) | 糸のかけ方(構造) | 結紮部位(糸の結び目) | 主な特徴と傾向 |
---|---|---|---|
瞼板法 | 点留め | 表留め | 昔ながらの方法。簡便で術式はシンプルだが、しこり・ポコつきが目立ちやすい。近年は少数派。 |
瞼板法 | 点留め | 裏留め | 結膜側に結び目を置き、見た目は自然。ただし、糸が瞼板に接するため違和感や炎症のリスクがやや高め。 |
瞼板法 | 線留め | 表留め | 稀な組み合わせ。結膜刺激やポコつきリスクが高く、現在ではほとんど行われない。 |
瞼板法 | 線留め | 裏留め | 線状で癒着を促す構造。やや複雑だが、瞼板への広範囲な支持が取れるためラインは安定する。 |
挙筋法 | 点留め | 表留め | 技術的には可能だが、挙筋にかけるのに皮膚表で結ぶのはやや不自然。ラインが取れやすいことも。 |
挙筋法 | 点留め | 裏留め | 現在の主流構造の一つ。自然な仕上がりで術後の違和感が少なく、腫れも比較的軽め。 |
挙筋法 | 線留め | 表留め | 現在ではほとんど見かけないが、構造上は可能。結び目の表出がネック。 |
挙筋法 | 線留め | 裏留め | 自然癒着法・シークレット法などで採用される。持続性・自然さ・腫れ感とのバランスを重視したハイエンド型。 |
理論上だと何通りもの施術法が実現可能かもしれませんが(クリニックによっては、施術法そのネーミングもさまざま)、実際に多くのクリニックや先生の方々は、一般的かつ代表的な施術をされる傾向にはあると思います。
もちろん、患者の目の状態を診てデザインを決めるクリニックや先生も多く、主に施術後の「自然さ」と「リスクの配慮」を意識した施術を見出していきます。
二重埋没後のメイクはいつからOK?術式別の目安と回復プロセス
前章では、二重埋没法における「糸のかけ方」「構造」「結紮位置」といった基本的な施術の違いについてご紹介しました。術式によってまぶたへの負担や安定のスピードが異なるため、術後のメイク再開にも差が生まれます。
ここでは、術式ごとのメイク再開タイミングと注意点をわかりやすく整理し、術後24〜48時間の腫れピークや内出血の経過についても触れながら、安心してメイクを再開するための知識をご紹介します。
術式ごとに異なるメイク再開のタイミング
二重埋没法では、施術法によってまぶたの安定速度や刺激への耐性が異なります。特に、当院人気の次の術式ごとに、メイクの再開タイミングの目安を紹介します。
- 2点留め(点留め×表留めなど)
もっともシンプルな構造でダウンタイムが短く、術後3〜5日でアイメイクが可能になることが多いです。 - 自然癒着法(線留め×裏留め)
まぶた全体に癒着を促す構造で、安定性は高いものの腫れが出やすいため、術後5〜7日がメイク再開の目安です。 - シークレット法(線留め×裏留めの高密着型)
見た目の自然さを重視した構造で、腫れは抑えられていても、裏留め特有の微細な違和感が残る可能性もあり、慎重に5日以上空けるのが一般的です。
また、どの術式であっても、ベースメイク(ファンデーションやパウダー)は術後翌日から可能なことが多く、目元以外のメイクは比較的早期に再開できます。
術式ごとに回復の流れと腫れ・内出血のピーク
どの施術であっても、術後24〜48時間は腫れのピークとされており、アイラインやマスカラなどの刺激が強いアイテムは避けるべき期間です。
また、内出血が起こった場合は、1週間から10日程度で自然に吸収・軽快していくケースがほとんどです。まぶたの皮膚は非常に薄く、わずかな針の刺激でもうっすらと青あざが出ることがあります。
そのため、術後数日はメイクで隠そうとせず、清潔な状態を保つことが重要です。内出血がある状態での過度なコンシーラーやパウダー使用は、逆に色素沈着や刺激を招く恐れがあるため注意しましょう。
二重埋没後メイクの注意点
メイクの再開が可能になったとしても、術後すぐのまぶたはまだデリケートな状態です。以下のような点に注意することで、トラブルを防ぎ、より早く安定した二重を維持できます。
- クレンジングは強くこすらないことが大前提
アイメイクの落とし方は「ゴシゴシこすらない」が鉄則。お湯で落ちるマスカラや、摩擦レスのミルク系リムーバーを選びましょう。 - まぶたに触れるメイクツールにも気を配る
チップやブラシの清潔さはもちろん、指先を使う場合でも過度な圧をかけないようにします。 - まぶたを引っ張るようなメイク工程は控える
アイラインを引く際に目尻を引っ張るなどの動作は、糸のズレや結び目への負担につながる可能性があります。
こうしたポイントを守ることで、二重ラインを保ちつつ、安全に術後メイクを楽しめるようになります。
二重埋没後に避けたいメイクと使えるコスメのポイント
前章では、術式ごとに異なるメイク再開のタイミングと、腫れや内出血のピークについて解説しました。では実際にメイクが可能な時期を迎えたあと、どんなアイテムを使うべきで、どのような製品は避けるべきかはご存じでしょうか。
術後のまぶたは見た目以上にデリケートな状態です。少しの摩擦や刺激でも、ラインの崩れや腫れの悪化を招くリスクがあります。ここでは、術後におすすめできないメイクアイテムと、逆に安心して使えるものや順序のポイントを、実用的かつ丁寧にご紹介します。
術後すぐに避けたいメイク用品とは?
メイク再開後も、選ぶアイテム次第で術後トラブルを招く可能性があります。特に以下のような製品は、まぶたへの刺激が強いため、術後1〜2週間程度は避けるのが無難です。
- ラメ入り・パール入りのパウダーアイシャドウ
粒子の飛散や成分刺激があり、目に入りやすい。癒着の妨げにもなることがあります。 - ウォータープルーフのマスカラ・アイライナー
落とす際にゴシゴシこすりがちで、糸や結び目に強い負担をかけやすい。 - アイテープ・アイプチなどの二重補助アイテム
粘着力や皮膚の引っ張りが強く、埋没ラインを崩す恐れがあります。 - 強いクレンジングオイル・リムーバー
乳化剤やアルコールが含まれているものは、結膜や創部に刺激を与えることも。
低刺激・密着力重視の術後OKアイテム
術後のまぶたには、刺激を極力減らしつつ、適度に発色や密着性がある製品が理想的です。以下のような特徴を持つコスメであれば、アイメイクを再開したあとでも比較的安心して使用できます。
- 無香料・アルコールフリーのアイクリーム(目元保湿用)
乾燥防止と摩擦軽減に。肌のバリア機能を守りながらメイク前の下地としても使えます。 - ジェルタイプのアイライナー
筆圧が弱くても発色しやすく、まぶたを引っ張らずに使える点が利点。 - お湯で落ちるフィルムタイプのマスカラ
クレンジングによる摩擦を最小限に抑えられるため、糸への負担が軽い。 - 摩擦レスなスティックアイシャドウ
指で塗らずに直接塗布でき、色もぼかしやすい。
【比較表】避けるべきアイテム vs 術後に使えるアイテム一覧
アイテムカテゴリ | NG例 | OK例 | 理由・補足 |
---|---|---|---|
アイシャドウ | ラメ・粉飛びの強いパウダータイプ | スティックタイプ・密着ジェル系 | 飛散や成分刺激を避けるため |
アイライナー | リキッド・ウォータープルーフ | ジェルタイプ | 筆圧不要・落としやすさが重要 |
マスカラ | ウォータープルーフタイプ | フィルムタイプ(お湯落ち) | クレンジング摩擦を軽減 |
メイク落とし | 強いオイル系リムーバー | ミルク・ジェル・ポイント用リムーバー | アルコール・香料は避ける |
※個人の肌状態によって適応が異なる場合があるため、医師の指示が最優先です。
最初に使うべきものはどれ?ポイントメイクの順序
メイクを再開する際は、いきなり目元全体を仕上げるのではなく、順序を意識して少しずつ工程を戻すことが安全です。以下のような流れを意識すると、まぶたへの負担を抑えながら、ナチュラルに仕上げられます。
- ベースメイク(肌全体のファンデーションやパウダー)
- アイブロウ(ペンシルよりパウダーがやさしい)
- アイシャドウ(薄付きで色味控えめなマット系)
- アイライン(ジェル or ペンシル)
- マスカラ(フィルムタイプ、お湯落ち)
最初の数日は、目元を強調しすぎないナチュラルメイクが基本です。涙袋やまつ毛で抜け感を出すことで、派手になりすぎず、術後の違和感をうまくカバーできます。
二重埋没後の腫れを自然にカバーするメイク術と色選びのコツ
前章では、術後のまぶたにやさしいメイクアイテムの選び方と、使い始める順序について解説しました。実際にメイクを再開できるようになったあとも、いかに腫れや内出血を自然にカバーするかは、多くの患者様が抱える悩みのひとつです。
特に埋没直後の目元は、コンシーラーやパウダーだけではかえって腫れを強調してしまうこともあります。そこでここでは、色選びの理論やナチュラル仕上げのポイント、時短で印象アップを叶えるテクニックを実践的にご紹介します。
内出血や腫れを目立たせないカラー術
内出血や腫れをカバーする際は、何色で隠すかが非常に重要かもしれません。肌色の延長で隠そうとしても、色味が浮いたり、グレーににごって見えてしまうこともあります。ここで活用したいのが「補色理論」に基づくコントロールカラーです。
青みがかった内出血には「オレンジ系」
資生堂やRMKなど多くのブランドが推奨するように、青や紫がかった内出血には、オレンジ系のコントロールカラーが効果的です。色味を中和し、血色感を戻したような印象に整えます。
赤みを帯びた腫れには「ベージュ〜イエロー系」
術後の腫れによる赤みには、ベージュ〜イエローベースのカラーが向いています。肌になじみやすく、浮かずにカバーできるため、ナチュラルな仕上がりに導きます。
ナチュラルに仕上げるベースメイクの基本
術後の目元は、光を反射しすぎることで腫れやツヤが目立ってしまう傾向があります。そのため、術後数日〜1週間ほどの間は、ラメやパール入りのベースメイクは避け、マット系やセミマット質感を意識するのがポイントです。また、コンシーラーを使う際は「厚塗りで消す」より「薄く整える」ことが術後肌には適しています。
目元印象をアップさせる時短テクニック
「なるべく腫れを隠したいけど、やりすぎたくない」という方に向けて、ナチュラルに仕上がるうえに時短にもなる印象アップメイク術を取り入れるのがおすすめです。
- 涙袋を強調しすぎない:下方向を強調すると腫れが強調されやすく、違和感が出やすい
- まつ毛はビューラー不要でも◎:カールキープタイプのマスカラで、目元の縦幅を引き出す
- アイラインは極細で上だけに:ナチュラルな引き締め感を演出でき、ラインの乱れも防げる
あくまで腫れや違和感が自然に見える状態をゴールにし、引き算メイクの発想を持つことが、術後メイクでは重要かもしれません。
まとめ
埋没法を受けたあとのメイク再開には、術式やまぶたの回復度合いを見極めた適切なタイミングとケアが欠かせません。術後すぐは刺激の強いアイテムを避け、低刺激で密着力の高いコスメを選ぶことが大切です。
また、色の選び方や順序を工夫することで、腫れや内出血をカバーしながら自然な仕上がりを叶えることも可能です。今回ご紹介した内容を参考に、自分に合ったメイクの進め方を見つけてください。
美容医療とメイクは、正しい知識と丁寧なケアで両立できます。美しい目元と安心感を両方手に入れるために、ぜひここでの情報を繰り返し活用してみてください。
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