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顔の吹き出物ってその原因は鏡に映らない?体内のエラーサインの正体とは?

鏡を見るたびに、また一つ増えた顔の吹き出物に深いため息をついていませんか。「しっかり洗顔も保湿もしているのに、なぜ?」「若い頃のニキビとは明らかに違う…」そのしつこく繰り返す肌トラブルは、決してあなたの努力不足が原因ではありません。

実は、30代からの大人の吹き出物は、スキンケアだけでは解決できない体内のエラーサイン。それは、ホルモンバランスの乱れや、自覚しきれないストレス、さらには見過ごされてきた腸内環境の悲鳴が、肌表面に現れたメッセンジャーなのです。

ここでは、なぜあなたの吹き出物が治りにくいのか、その根本的な原因を皮膚科学の視点から徹底的に解き明かします。もう自分を責めるのはやめにしましょう。鏡に映る表面的な問題ではなく、その奥深くにある「本当の原因」に目を向け、根本解決への第一歩を、ここから一緒に踏み出しましょう。

 

 

なぜ?30代からの吹き出物がしつこく治りにくい本当の理由

30代からの顔の吹き出物は、その原因が鏡に映る肌表面だけにあるわけではありません。かつて10代の頃に経験したニキビとは明らかに性質が異なり、同じケアをしても改善が見られないのは当然のことなのです。

ここでは、まず思春期ニキビとの決定的な違いを医学的な観点から解き明かします。そして、仕事やプライベートが大きく変化する30代特有のライフステージが、いかに深く肌の状態に関わっているかを解説します。

これまで拭えなかった「なぜ自分だけ?」という疑問や自己嫌悪から解放され、ご自身の肌と身体で起きていることを客観的に理解するための、最初のステップです。

思春期ニキビとの決定的な違い

思春期にできるニキビの主な原因は、第二次性徴期におけるホルモンバランスの変化に伴う「皮脂の過剰分泌」でした。成長ホルモンの影響で皮脂腺が活発化し、増えすぎた皮脂が毛穴に詰まることで発生する、比較的シンプルなメカニズムです。

しかし、30代からの大人の吹き出物は、複数の要因が複雑に絡み合って発生します。その根底にあるのが、「ターンオーバーの遅延」と「皮膚バリア機能の低下」です。

ターンオーバーの遅延 ターンオーバーとは、肌の細胞が新しく生まれ、古くなった角質として自然に剥がれ落ちていく新陳代謝のサイクルのことです。健康な20代の肌では約28日周期で行われますが、30代以降はこの周期が徐々に長くなり、40日以上かかることも珍しくありません。

これにより、本来剥がれ落ちるはずの古い角質が肌表面に蓄積し、厚く硬くなってしまいます。この状態を「角質肥厚(かくしつひこう)」と呼びます。厚くなった角質は毛穴の出口を狭くし、まるでフタをするように塞いでしまうため、皮脂の分泌量がそれほど多くなくても、毛穴詰まり(コメド)が非常に起こりやすくなるのです。

皮膚バリア機能の低下 皮膚の最も外側にある角層には、外部の刺激(紫外線、乾燥、雑菌など)から肌内部を守り、同時に肌内部の水分が蒸発するのを防ぐ「バリア機能」が備わっています。しかし、加齢やストレス、睡眠不足、そして間違ったスキンケア(過度な洗顔など)によって、このバリア機能は容易に低下します。

バリア機能が低下した肌は、いわば“無防備”な状態。わずかな刺激にも過敏に反応して炎症を起こしやすくなり、一度できた吹き出物が赤く腫れ上がったり、治ってもまたすぐに繰り返したりする、負のスパイラルに陥ってしまうのです。

このように、大人の吹き出物は単なる皮脂の問題ではなく、肌の基礎体力が低下したことで起こる、複合的なトラブルであると理解することが重要です。

ライフステージの変化が肌に与える影響

肌の状態は、身体の内側、特に心の影響を色濃く反映します。30代は、キャリアにおける責任の増大、転職や昇進、結婚、出産、育児といった、人生における大きな変化が集中しやすい年代です。これらのライフイベントは喜ばしいものである一方、自覚している以上に心身へのストレス負荷となっているケースが少なくありません。

慢性的なストレスは、自律神経のバランスを乱し、身体を緊張・興奮状態にする交感神経を優位にします。すると、男性ホルモンの分泌が促されたり、血管が収縮して血行不良になったりすることで、皮脂の過剰分泌やターンオーバーの乱れをさらに助長します。また、多忙による睡眠不足や栄養バランスの偏った食事は、肌の再生能力やバリア機能の低下に直結します。

ここで強調したいのは、こうした吹き出物の発生は、決して個人のスキンケアや生活習慣の管理能力だけの問題ではないということです。「忙しいから」「疲れているから」とご自身を責める必要はありません。

それは、30代という年代が直面する、ある種避けられない環境的・身体的変化が、顔の吹き出物という原因となって現れているサインなのです。大切なのは、そのサインを正しく受け止め、肌だけでなく、心と身体全体からの声に耳を傾けることです。

 

顔の吹き出物が知らせる身体からのSOSサインとは?

前の章では、30代からの吹き出物がライフステージの変化や肌質の変化に起因することを解説しました。それらは、いわば身体の内部で起きている変化が、肌を通して発せられるサインです。

ここでは、そのSOSサインをより具体的に読み解くためのセルフチェック方法をご紹介します。吹き出物をただの肌トラブルとして敵視するのではなく、ご自身の身体の状態を知らせてくれる「メッセンジャー」と捉え直してみましょう。

「できる部位」と「症状の進行度」という2つの視点から客観的に観察することで、今本当に必要なケアや、生活習慣で見直すべき点が明らかになるはずです。

顔の部位でわかる原因

古くから東洋医学では、顔の特定の部分に現れる不調は、特定の臓器の機能低下を反映していると考えられてきました。現代医学においても、ホルモンバランスや自律神経の乱れが、顔の決まった部位に吹き出物として現れやすい傾向があることが指摘されています。もちろん、これが全てではありませんが、ご自身の吹き出物の顔にできる原因を考える上での一つの指標となります。

以下の表は、あくまで一般的な傾向をまとめたものです。ご自身の生活習慣と照らし合わせながら、身体が発しているサインに耳を傾けてみてください。

部位 考えられる主な原因 関連する身体のサイン・生活習慣
おでこ 前髪や帽子の刺激、シャンプー等のすすぎ残し、自律神経の乱れ、睡眠不足 考え事が多い、寝つきが悪い、髪が顔にかかることが多い
眉間 飲酒、糖質・脂質の多い食事による肝機能への負担、ストレス お酒を飲む機会が多い、揚げ物や甘いものをよく食べる、眉をひそめる癖がある
乾燥、マスクや寝具などによる摩擦、胃腸の不調、ホルモンバランスの乱れ 便秘や下痢をしやすい、肌全体の乾燥が気になる、頬杖をつく癖がある
過剰な皮脂分泌、メイクの洗い残し、ビタミンB群の不足 顔の中でも特にテカりやすい、毛穴の黒ずみが目立つ、つい鼻を触ってしまう
口周り 胃腸機能の低下(暴飲暴食、便秘)、食生活の乱れ、ビタミン不足 胃もたれしやすい、口内炎ができやすい、好き嫌いが多い
顎・フェイスライン ホルモンバランスの乱れ(特に男性ホルモンの影響)、身体の冷え、ストレス、婦人科系の不調 生理前に悪化する、手足が冷えやすい、ストレスを感じることが多い、硬いしこりになりやすい

特に、多くの30代以降の方が悩まされる顎やフェイスラインの吹き出物は、ホルモンバランスの乱れと密接に関連しています。このエリアは男性ホルモンの影響を受けやすいレセプター(受容体)が多く存在するため、ストレスや月経周期によってホルモンバランスが崩れると、顕著に症状が現れやすいのです。

ニキビの進行度と重症度

次に、今ある吹き出物がどの段階にあるのかを正しく見極めましょう。ニキビは進行度によって4つのステージに分類され、それぞれ対処法や跡に残るリスクが大きく異なります。ご自身の症状がどこに当てはまるかを確認してみてください。

段階1|白ニキビ(閉鎖面皰 / コメド)

毛穴に皮脂や古い角質が詰まった、ニキビの初期段階です。皮膚の内側で発生しているため、表面は閉じており、白く小さなポツポツとして見えます。この時点ではまだ炎症は起きていません。

段階2|黒ニキビ(開放面皰 / コメド)

白ニキビの毛穴が開き、詰まった皮脂が空気に触れて酸化することで黒く見える状態です。白ニキビ同様、炎症はまだ起こしておらず、痛みもありません。

段階3|赤ニキビ(紅色丘疹)

詰まった毛穴の中で、皮脂を栄養源とするアクネ菌が増殖し、炎症を起こした状態です。赤く盛り上がり、触れると痛みを感じることがあります。ここからが「炎症性ニキビ」と呼ばれ、セルフケアだけでは改善が難しくなってきます。

段階4|黄ニキビ(膿疱)

赤ニキビの炎症がさらに悪化し、アクネ菌の死骸や白血球などが膿となって溜まった状態です。中央に黄色い膿点が透けて見え、痛みを伴うこともあります。炎症が皮膚の深い層である真皮にまで達しているため、無理に潰すと、クレーター状の跡や色素沈着を残すリスクが極めて高くなります。

 

吹き出物の根本原因|皮膚科医が明かす3つの体内の震源地

前の章では、ご自身の吹き出物が「どの部位」にでき、「どの段階」にあるのかをセルフチェックしていただきました。その結果を踏まえ、いよいよ本質的な問いへと進みます。それは、「なぜ、そもそも吹き出物は発生するのか?」という問いです。

高級な化粧品を試し、食事にも気を使っているのに改善しない…その答えは、もはや肌表面のケアだけでは到達できない、身体のさらに奥深く、いわば「体内の震源地」にあります。

ここでは皮膚科学研究に基づき、しつこい大人の吹き出物を引き起こす3つの根本原因を徹底解剖します。論理的に原因を理解することこそが、迷走しがちなスキンケアから脱却する羅針盤となるはずです。

原因1|ホルモンバランスの乱れと痛いしこりニキビの科学

「生理前になると、決まって顎に痛い吹き出物ができる」という経験は、多くの方がお持ちではないでしょうか。これは、女性の身体で周期的に起こるホルモンバランスの変動が直接的な引き金となっています。

女性ホルモンには、肌のハリや潤いを保つ「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と、皮脂の分泌を促す作用を持つ「プロゲステロン(黄体ホルモン)」があります。排卵後から月経前にかけては、このプロゲステロンの分泌が優位になります。

プロゲステロンは男性ホルモンと似た働きをするため、皮脂腺を刺激して皮脂の分泌量を増やすと同時に、角質を厚くする「角化異常」を引き起こしやすくします。これが、月経前に吹き出物が悪化する主なメカニズムです。

特に顎やフェイスラインにできやすいのには、明確な理由があります。このエリアには、男性ホルモンやプロゲステロンの刺激を受け取るためのアンテナのような役割を持つ「アンドロゲンレセプター」が、顔の他の部位よりも多く分布しているのです。そのため、体内のホルモンバランスが少しでも乱れると、その影響が顕著に現れやすいのです。

また、このタイプの吹き出物が硬い「しこり」になりやすいのは、炎症が皮膚の浅い「表皮」だけでなく、その奥深くにある「真皮層」にまで達しているためです。深い部分で強い炎症が起きると、周囲の組織を巻き込みながら進行し、治癒の過程で皮膚が硬くなる「線維化」という反応が起こります。これが、触れると硬く、痛みを伴う「しこりニキビ」の正体です。

原因2|ストレスが「脳から肌へ」炎症を直接指令するメカニズム

「ストレスは肌に悪い」というのは誰もが知る事実ですが、その関係は単なるイメージではありません。近年の研究により、脳が感じたストレスが、肌の炎症を直接的に引き起こす科学的な経路が次々と解明されています。

人間がストレスを感じると、脳の視床下部という部位からCRH(副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン)という物質が分泌されます。このCRHは、従来知られていたストレスホルモン(コルチゾール)を分泌させる指令を出すだけでなく、皮膚に直接作用することがわかってきました。

皮膚にはCRHを受け取る受容体が存在し、CRHが結合すると皮脂腺の働きを活性化させたり、炎症に関わるマスト細胞を刺激したりして、ニキビの発生と悪化を促します。

さらに、ストレスは末梢神経の末端からサブスタンスPという神経伝達物質を放出させます。このサブスタンスPは、血管を拡張させてニキビの赤みを増強させたり、免疫細胞を呼び寄せて炎症をさらに悪化させたりする強力な作用を持ちます。

つまり、ストレスによる肌荒れは、個人の意思や感情とは無関係に、脳から皮膚へと送られる生化学的な指令によって引き起こされているのです。これは、ストレスケアが単なる気休めの精神論ではなく、脳から肌への“攻撃命令”を断ち切るための、極めて合理的な医学的治療アプローチであることを示しています。

原因3|腸皮膚相関という、見過ごされてきたもう一つの原因

あらゆるスキンケアを試しても一向に改善しなかった吹き出物の原因は、もしかすると肌から遠く離れた「腸」にあるのかもしれません。「腸は第二の脳」「肌は内臓の鏡」と言われるように、腸内環境と皮膚の状態が密接に関連していることは、最新の研究で「腸皮膚相関」という概念として確立されつつあります。

食生活の乱れやストレスなどによって腸内の善玉菌が減り、悪玉菌が優勢になると、腸内では有害物質や炎症を引き起こす物質(炎症性サイトカイン)が大量に産生されます。

通常、これらの物質は腸管のバリア機能によって体内への侵入が防がれています。しかし、腸内環境の悪化が続くとこのバリア機能が低下し、腸の壁に隙間ができてしまう「リーキーガット(腸管壁浸漏)症候群」という状態に陥ることがあります。

その結果、本来であれば体内に吸収されるはずのない有害物質が血中に漏れ出し、血流に乗って全身を巡ります。そして、その有害物質が皮膚にまで到達すると、皮膚の免疫システムが異常な防御反応を起こし、これが吹き出物という慢性的な炎症として現れるのです。

もし、スキンケアを徹底し、ホルモンバランスにも大きな問題がないにも関わらず吹き出物が改善しないのであれば、その震源地は肌ではなかった可能性があります。美肌へのアプローチは、腸内環境を整えることから始める必要があるのかもしれません。

 

今すぐやめて!吹き出物を悪化させる絶対NGな習慣

前の章で、しつこい吹き出物の根本原因が「ホルモン」「ストレス」「腸」という体内の3つの震源地にあることを解き明かしました。しかし、原因が体内にあるからといって、日々のスキンケアや生活習慣が無関係というわけでは決してありません。

むしろ、加齢やストレスで皮膚のバリア機能が低下している大人の肌は、かつては何でもなかったような些細な刺激や間違ったケアが、炎症を深刻化させる大きな引き金になり得ます。これ以上の失敗を繰り返し、回復を遠ざけないために。

ここでは、良かれと思って続けているかもしれないNG習慣を具体的に指摘し、その理由を科学的に解説します。根本原因へのアプローチと並行して悪化要因を断つことが、治療効果を最大限に高める鍵です。

良かれと思って…実は間違いだらけのスキンケア

吹き出物ができると、一刻も早く治したいという焦りから、つい過剰なケアに走りがちです。しかし、その必死さが、かえって肌の首を絞めているケースは少なくありません。

過度な洗顔、ゴシゴシ擦る

皮脂のベタつきや毛穴の詰まりが気になり、洗浄力の強い洗顔料で一日に何度も顔を洗ったり、スクラブで擦ったりする行為は最も避けるべき習慣の一つです。

肌表面には、外部刺激から肌を守り、水分の蒸発を防ぐ「皮脂膜」と、角層細胞の隙間を埋める「細胞間脂質」が存在します。これらは肌本来が持つ天然の保湿クリームであり、バリア機能の要です。過度な洗顔は、これら必要な潤い成分まで根こそぎ洗い流してしまいます。

すると、肌は危険を察知し、失われた潤いを補おうとしてかえって皮脂を過剰に分泌するという悪循環に陥ります。肌内部は乾燥しているのに表面はベタつく「インナードライ」状態を自ら作り出してしまうのです。

油分を完全に断つ

吹き出物の原因は皮脂、という思い込みから化粧水だけでケアを済ませ、乳液やクリームといった油分を完全に避けてしまうのも典型的な間違いです。大人の肌は、皮脂だけでなく水分も慢性的に不足している場合がほとんど。

化粧水で与えた水分は、油分で蓋をしなければまたたく間に蒸発してしまいます。大切なのは、油分を敵視するのではなく、質の良い油分を適量与えること。

「ノンコメドジェニックテスト済み」など、ニキビのもとになりにくいことが確認された製品を選び、水分と油分のバランスを整え、バリア機能を正常に保つことこそが、大人の吹き出物ケアの基本原則です。

無意識の行動に潜む悪化のリスク

スキンケア以外にも、日常の無意識な行動が吹き出物を悪化させていることがあります。特に注意したいのが、吹き出物に「触れる」という行為です。

吹き出物を潰す

目立つ吹き出物を指や爪で無理に押し出す行為は、百害あって一利なしと言っても過言ではありません。まず、指先に付着した雑菌が毛穴に侵入し、炎症をさらに悪化させるリスクがあります。そして最も恐ろしいのが、ニキビ跡の原因となることです。

無理な圧力をかけると、炎症が皮膚の深い層である「真皮」にまで及び、コラーゲン組織を破壊してしまいます。一度破壊された真皮は完全には元に戻らず、クレーターのような凹凸や、シミのような炎症後色素沈着として、長く肌に残り続けてしまうのです。

手で顔を触る

考え事をしている時に頬杖をつく、髪の毛を触った手でそのまま顔に触れる。こうした無意識の癖も、肌にとっては大きな脅威です。スマートフォンやキーボード、ドアノブなど、日常的に触れるものには想像以上に多くの雑菌が付着しています。その手で顔に触れることは、雑菌を肌に塗り広げ、新たな炎症の火種をばらまいているのと同じことなのです。

もちろん、頭では「触ってはいけない」と分かっていても、つい気になって触ってしまう、潰したくなってしまうものです。その衝動の裏には、「この問題を一刻も早く消し去りたい」という切実な焦りや不安があることでしょう。しかし、その一瞬の衝動を満たす行為が、数ヶ月、あるいは数年続くかもしれない深刻な肌の悩みに繋がるリスクを、一度冷静に考えてみることが重要です。

 

吹き出物の原因にアプローチする美容クリニックの専門的治療法

これまで、30代からの吹き出物の原因が体内の複雑な要因に根ざしていること、そして日々の何気ない習慣が症状を悪化させうることを解説してきました。正しい知識に基づいたセルフケアは、肌のコンディションを維持し、新たな吹き出物を予防するために不可欠です。

しかし、すでに深く進行してしまった炎症や、セルフケアでは決して届かない皮膚の深層、そしてホルモンバランスのような体内の根本原因にアプローチするには、どうしても限界があります。

ここでは、その限界の先にある「積極的な治療」という選択肢、すなわち美容クリニックで受けられる専門的な治療法について、その役割と具体的な種類、そして後悔しないための選び方を詳しく解説します。

セルフケアでできること、専門治療でしかできないこと

吹き出物と向き合う上で、セルフケアと専門治療の役割を正しく理解し、区別することが重要です。両者は対立するものではなく、それぞれの役割を担うことで、相乗効果を発揮します。

セルフケアの役割は、主に「予防」と「悪化防止」です。日々の正しい洗顔や保湿によって皮膚のバリア機能を健やかに保ち、紫外線対策を徹底し、バランスの取れた食事や十分な睡眠を心がけること。これらは、吹き出物ができにくい肌の土台を作り、できてしまった吹き出物がそれ以上悪化するのを防ぐための「守りのケア」と言えます。

しかし、一度強く起きてしまった炎症(赤ニキビ・黄ニキビ)を速やかに鎮静させたり、深く刻まれてしまったニキビ跡を修復したり、体内のホルモンバランスに直接介入したりすることは困難です。

一方、専門治療の役割は、「積極的な改善」と「根本原因へのアプローチ」にあります。医療機関でのみ使用が許可された薬剤や医療機器を用い、ターンオーバーの乱れを正常化し、炎症を強力に抑制し、ニキビ跡の原因となる真皮層の再生を促すなど、問題の核心に直接働きかける「攻めの治療」です。

医師の正確な診断のもと、肌の状態や体質に合わせて複数の治療を組み合わせることで、セルフケアでは得られない速度と確実性をもって、症状の改善と再発しにくい肌質への導きが期待できます。

ニキビ・ニキビ跡治療の種類と特徴を徹底比較

美容クリニックでは、現在のニキビの状態から将来の肌質改善、そして残ってしまったニキビ跡のケアまで、幅広い選択肢が用意されています。ここでは代表的な治療法を、この記事で解説してきた原因と紐付けながら比較します。

治療法 期待できる効果(アプローチする原因) ダウンタイム このような方におすすめ
ケミカルピーリング 古い角質を除去し、ターンオーバーを正常化(角質肥厚)。毛穴の詰まりを改善。 ほぼなし〜数日間の軽い赤み・皮むけ 白ニキビ・黒ニキビが多い、肌のゴワつきが気になる
イオン導入 ビタミンC誘導体などを肌深部へ浸透させ、皮脂抑制、抗炎症、色素沈着を改善。 ほぼなし 赤ニキビの炎症を抑えたい、ニキビ跡の赤み・シミが気になる
ダーマペン等(マイクロニードル治療) 肌の自然治癒力を利用し、真皮層のコラーゲン産生を促進。クレーター状のニキビ跡を改善。 数日〜1週間程度の赤み・皮むけ ニキビ跡の凹凸(クレーター)に悩んでいる
フラクショナルレーザー等(レーザー治療) 皮膚に微細な穴を開け、肌の再生を強力に促進。深刻なクレーター状のニキビ跡を改善。 1週間前後の赤み・かさぶた ダーマペンよりさらに深いニキビ跡の凹凸を改善したい
内服薬 抗生物質、ビタミン剤、ホルモン治療薬などで体の中から炎症抑制、皮脂コントロール(ホルモンバランス)。 特になし(薬剤による副作用のリスクはあり) 炎症性の赤ニキビ・黄ニキビが多い、生理前に悪化する
外用薬 アダパレン、過酸化ベンゾイルなどで毛穴の詰まりを改善し、アクネ菌を殺菌。 使い始めに乾燥・赤みが出ることがある 白ニキビから赤ニキビまで幅広いニキビの基本治療

もう後悔しないために!あなたに合った治療法の選び方

これだけ選択肢があると、どれが自分に合うのか迷ってしまうかもしれません。しかし、後悔しない治療選びのプロセスは、実は非常にシンプルです。

まず、ご自身の最も解決したい悩みを明確にすることです。例えば、「現在進行形で次々とできる炎症性の赤ニキビ」が主なお悩みであれば、まずは内服薬や外用薬で炎症を鎮め、新たなニキビをできにくくすることが最優先となります。

一方で、「ニキビはもうできないが、過去にできた跡の凹凸」に悩んでいるのであれば、ダーマペンやレーザー治療といった、真皮層にアプローチする治療が適応となります。

しかし、これらの判断をご自身で行うのは極めて困難であり、リスクも伴います。なぜなら、最適な治療法は、ニキビの種類や重症度だけでなく、肌質、体質、ライフスタイル、そして予算など、様々な要素を総合的に考慮して決定されるべきだからです。

したがって、最適な治療への一番の近道は、専門の医師による正確な診断を受けることに他なりません。自己判断で高額な治療に踏み切る前に、まずはクリニックに足を運んでみてください。それは、治療を受けるか否かを決める場である前に、ご自身の肌の状態を専門家の目で客観的に評価してもらい、原因を特定し、どのような選択肢があるのかを知るための貴重な機会です。

その上で、医師からの提案に納得して初めて、治療を検討すればよいのです。長年悩み続けたその肌悩みに、専門家と共に終止符を打ちましょう。

 

まとめ

繰り返し続けた顔の吹き出物の原因が、単なる肌表面の問題ではなかったことをご理解いただけたでしょうか。30代からの吹き出物は、思春期のニキビとは異なり、「ホルモンバランスの乱れ」「ストレスによる脳からの炎症指令」「腸皮膚相関」という、体内の3つの震源地が複雑に絡み合って発生する、いわば身体からのSOSサインです。

良かれと思って続けてきたスキンケアが、実は肌のバリア機能を壊していた可能性もあります。セルフケアでできる悪化予防には限界があり、この根深い原因に直接アプローチし、炎症を鎮め、二度と繰り返さない肌を目指すには、専門的な医学の力が必要です。

美容クリニックでは、あなたの肌状態と体内の原因を正確に診断し、ピーリングやレーザー、内服薬など、最適な治療法を組み合わせることが可能です。専門医に相談し、正しいアプローチを選ぶことこそが、自信に満ちた素肌を取り戻す最短ルートかもしれません。

アラジン美容クリニック福岡院では、「ウソのない美容医療の実現」をモットーに、患者様お一人ひとりの美のお悩みに真摯に向き合い、最適な治療をご提案しております。無駄な施術を勧めることなく、症状の根本的な原因にアプローチし、患者様の理想を実現するお手伝いをいたします。

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