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糸リフト術後の腫れはいつまで?経過タイムラインと正しい過ごし方

糸リフトの手術を受けた直後は、想定以上の腫れや独特の引きつれ感が生じることがあり、仕上がりへの不安を感じる方が少なくありません。

「フェイスラインが歪んで見える」「口が開きにくい」といった症状は、術後早期において決して珍しいものではなく、その多くは組織修復に伴う生体反応としての正常な経過です。過度な心配はストレスとなり、回復を遅らせる要因にもなりかねません。

ここでは、美容医療の臨床現場における一般的な経過データに基づき、術後から完成までのタイムラインを医学的な視点で解説します。腫れや痛みのピークがいつ訪れ、どのように沈静化していくのかを事前に把握することで、不必要な焦燥感は軽減されるはずです。

また、ダウンタイムを最小限に抑えるための適切な過ごし方や、直ちに医師の診察を仰ぐべき危険なサインについても詳述します。正しい知識を持って術後の回復期間を安全に過ごすための一助としてください。

 

 

糸リフト術後の経過タイムラインと腫れや痛みの期間

糸リフトの手術直後は、身体が侵襲から回復しようとする正常な生体反応として、程度の差こそあれ腫れや痛みが生じます。このダウンタイムの期間や症状の推移は、使用する糸の種類や本数、個人の体質により異なりますが、一般的な回復のロードマップを事前に把握しておくことは、術後の不必要な不安を解消するために極めて有効です。

ここでは、術後直後から組織が完全に定着するまでの経過を、医学的な視点に基づき時系列で解説します。現在の症状がプロセスのどの段階にあるのかを確認する指標としてください。

術後から72時間の急性炎症期

手術直後から3日間(約72時間)は、生体の防御反応としての炎症が最も活発になる時期です。医学的には「急性炎症期」と呼ばれ、腫れや痛みがピークに達するタイミングと言えます。

腫れの要因は、組織の損傷による炎症性浮腫に加え、手術時に使用した局所麻酔(浸潤麻酔)の水分が組織内に残留している影響も含まれます。そのため、直後は仕上がりのイメージよりも顔が膨らんで見えるケースが一般的です。

また、この時期に「口が開けにくい」「噛むときにこめかみが痛む」といった症状を訴える患者も少なくありません。これは糸が通過している咬筋(こうきん)や側頭筋といった咀嚼に関わる筋肉が、炎症や腫れの影響を受けているためです。

一時的な開口障害に近い状態ですが、組織が修復される過程で自然に軽快します。この期間に無理に大きく口を開けて確認しようとする動作は、糸の固定(アンカリング)を弱めるリスクがあるため避けるべきです。鎮痛剤を適宜使用し、患部を安静に保つことが回復への近道となります。

ダウンタイムの個人差について、腫れや内出血の程度には大きな個人差があります。血管壁が脆弱な方や、リフトアップ効果を狙って太い糸を多数挿入した場合、または脂肪吸引などを併用した場合は、通常よりも腫れが強く出たり、長引いたりする傾向があります。

術後1週間から2週間の組織修復期

急性期のピークを過ぎると、組織の修復プロセスが本格化し、外見上の大きな腫れは急速に落ち着きを見せ始めます。この時期に特徴的な変化として、内出血の色調の変化が挙げられます。

術直後に赤紫色だった内出血は、ヘモグロビンが分解される過程で黄色っぽく変化し、重力の影響を受けてフェイスラインから首元へと下がってくることがあります。一見すると範囲が広がったように感じるかもしれませんが、これは吸収される過程での正常な反応であり、治癒に向かっているサインです。

また、肌の下で糸と組織が馴染む(癒着する)過程で、皮膚に「硬さ」や「しこり感」、あるいは「ピリッとした違和感」を感じることがあります。これは創傷治癒過程における瘢痕化(はんこんか)や拘縮(こうしゅく)と呼ばれる現象の一種であり、組織内でコラーゲンの生成が活発に行われている証左でもあります。

生活面では、多くのケースで術後翌日からメイクが可能となるため、ファンデーションやコンシーラーで内出血をカバーすれば、マスクを外して外出や仕事ができるレベルまで回復することがほとんどです。

術後1ヶ月から3ヶ月の安定と完成期

術後1ヶ月を経過すると、多くの美容医療クリニックにおいて「完成」または「概ね安定した」と判断される段階に入ります。表面的な腫れや内出血は消失し、糸によるリフトアップ効果によってフェイスラインが整った状態が視覚的にも明確になります。

ただし、組織深部での完全な定着や、感覚神経の微細な回復までを含めると、完全に違和感が消えるまでに3ヶ月程度を要するケースも珍しくありません。

この時期は、糸リフトの副次的な効果である「肌質改善」を実感しやすいタイミングでもあります。皮下に挿入された糸(PDOやPCL素材など)の刺激により、真皮層の線維芽細胞が活性化され、コラーゲンやエラスチンの生成が促進されるためです。(コラーゲン・リモデリング)

単なるたるみの引き上げ効果に加え、肌のハリ、ツヤの向上、毛穴の引き締まりといったテクスチャの改善が期待できます。もし3ヶ月を過ぎても明らかな左右差や強い痛みが残存している場合は、通常の経過とは異なる可能性があるため、施術医による診察が必要となります。

 

失敗と焦る前によくある術後トラブルの医学的見解

順調な回復過程をたどっていても、ふとした瞬間に現れる予期せぬ症状は、患者に「施術の失敗」や「後遺症」といった深刻な不安を抱かせることがあります。しかし、術後に生じるトラブルの多くは、医学的なメカニズムによって説明が可能な一過性の現象であり、必ずしも不可逆的な失敗を意味するものではありません。

ここでは、多くの患者が直面しやすく、かつ不安を感じやすい代表的な3つの症状について、その発生機序と臨床的な予後を詳しく解説します。冷静に症状を見極め、適切な対応をとるための判断材料としてください。

皮膚の一部が凹むディンプル現象

糸リフト術後に見られる代表的な懸念事項の一つに、皮膚の一部がえくぼのように窪んでしまう「ディンプル現象」が挙げられます。

これは、糸に付いているコグ(トゲ)が、皮下の支持靭帯(リガメント)や真皮層の一部を過剰に強く捉えてしまった場合や、皮膚の浅い層に糸が位置している場合に生じる現象です。特に、笑ったり表情を作ったりした際に目立ちやすく、施術直後の鏡を見た際に強い不安を感じる要因となります。

しかし、この凹みは多くの場合、時間の経過とともに自然に解消されます。顔には表情筋という複雑な筋肉が存在し、日常の会話や食事による筋肉の微細な動きが、過剰にかかっていた糸のテンション(張力)を徐々に緩和し、組織を馴染ませていくためです。

臨床的には、術後1週間から1ヶ月程度で改善するケースが大半を占め、長くとも3ヶ月以内には組織が定着し、凹みは目立たなくなると考えられています。

この時期に最も避けるべき行動は、早く治したいという焦りから患部を強く揉んだり、マッサージを行ったりすることです。人為的な圧迫は、せっかく形成され始めた組織の癒着を剥がしてしまったり、逆に炎症を悪化させたりするリスクがあります。

凹みが気になる場合は、担当医の指示に従い経過観察を行うのが基本ですが、数ヶ月経過しても改善が見られない、あるいは極端に深い凹みが残る場合には、糸の調整(解除)などの処置が検討されることもあります。

プツッやミシッという音がした場合

術後、あくびをしたり硬いものを噛んだりした瞬間に、顔の内部から「プツッ」「ミシッ」といった音が響くことがあります。

この音を聞くと、挿入した糸が切れてしまったのではないかと直感的に恐怖を感じるかもしれませんが、実際のところ、糸そのものが断裂しているケースは極めて稀です。医療用の糸(特にPCLやPDO素材の太い糸)は高い抗張力を持っており、日常的な動作で容易に切れるものではありません。

この音の正体は、多くの場合、糸と皮下組織の間で生じる摩擦音や、組織に食い込んでいたコグ(トゲ)の一部が外れ、少し位置がズレた際に生じる音である可能性が高いと推測されます。

糸リフトは、1本の糸についている多数のコグが分散して組織を支える構造になっており、かつ通常は片側に複数本の糸を挿入して面でリフトアップを図ります。したがって、仮に1つのコグが外れたり、1本の糸の位置が多少ズレたりしたとしても、全体のリフトアップ効果が即座に消失することは考えにくい構造になっています。

音がした直後に、急激なタルミの戻りや激しい痛み、大きな腫れなどの異変が生じていない限り、過度な心配は不要です。ただし、明らかにフェイスラインの形状が変化した場合や、持続的な痛みが現れた場合は、念のため施術を受けたクリニックに連絡し、状態を確認してもらうことが推奨されます。

触ると感覚が鈍いまたはピリピリする

術後の患部周辺において、皮膚を触った時の感覚が鈍かったり(知覚鈍麻)、逆にピリピリとした違和感(知覚過敏)を覚えたりすることがあります。

これは、手術による腫れや内出血(血腫)が周囲の組織を圧迫し、一時的に知覚神経に影響を与えていることによる症状であると考えられます。また、カニューレ(糸を挿入する管)の操作によって、神経の近くを通過した際の物理的な刺激が原因となることもあります。

顔面の知覚神経は非常に繊細ですが、このような症状の多くは一過性の神経障害(ニューラプラクシア等)であり、不可逆的な神経断裂などの重篤な損傷ではないことが一般的です。

神経組織の修復には他の組織よりも時間を要する傾向があり、回復までには数週間から、長い場合で数ヶ月単位の時間を要することがあります。焦らずにビタミンB12などの神経修復を助ける内服薬を併用しながら、経過を見守ることが標準的な対応となります。

ただし、3ヶ月以上経過しても感覚が全く戻らない場合や、感覚麻痺の範囲が徐々に広がっている場合、あるいは顔を動かす神経(顔面神経)に影響が出て表情が作りにくいといった運動麻痺の症状が見られる場合は、専門的な治療が必要となる可能性があります。そのような兆候が見られた際は、直ちにクリニックへ相談し、医師の診断を受けるべきです。

 

医師が推奨するダウンタイムを短くする正しい過ごし方

糸リフトの手術が成功したとしても、術後の経過や仕上がりの満足度は、その後のセルフケア(アフターケア)によって大きく左右される側面があります。ダウンタイムの症状を最小限に抑え、組織の回復を早めるためには、医学的に理にかなった行動をとることが不可欠です。

ここでは、術後の急性期から回復期にかけて、患者自身がコントロール可能な具体的な過ごし方を解説します。これらを適切に実践することで、腫れや痛みのピークを低く抑え、日常生活へのスムーズな復帰が期待できます。

術後48時間は冷却が鍵

手術直後の組織は、侵襲による炎症反応が急速に進む「急性炎症期」にあります。この時期、特に術後48時間以内においては、患部を適切に冷却(アイシング)することが、ダウンタイムを短縮するための最も有効な手段となります。

冷却によって局所の血管を収縮させることで、内出血の拡大を防ぐとともに、腫れの原因となる浸出液の漏出や炎症性物質の拡散を抑制する効果が見込めるためです。

具体的な冷却方法としては、保冷剤や氷嚢をタオルや清潔なガーゼで包み、腫れや熱感のある部位に優しく当てる方法が推奨されます。ただし、長時間連続して冷やし続けることは避けるべきです。術後の皮膚は感覚が一時的に鈍くなっている場合があり、過度な冷却は凍傷(皮膚障害)を引き起こすリスクがあるからです。

「15分間当てたら30分間休む」といった断続的なサイクルを繰り返すことで、組織へのダメージを防ぎながら冷却効果を得ることができます。氷を直接肌に当てる行為は厳禁であり、あくまで心地よい冷たさを維持することがポイントです。

寝る時は頭を高くして仰向けにする

睡眠中の姿勢管理は、翌朝の顔の腫れ(浮腫)の程度に直結する重要な要素です。物理学的な観点からも、頭の位置を心臓よりも高く保つことで、重力を利用して顔面に滞留しがちな血液やリンパ液の静脈還流を促すことができます。これにより、起床時の顔のむくみや腫れぼったさを軽減する効果が期待できます。

実践的な方法としては、枕を普段より1~2個増やして高くする、あるいはリクライニング機能のあるベッドや椅子を活用して、上半身を少し起こした状態で就寝する方法が挙げられます。また、就寝時の体の向きにも注意が必要です。

横向きやうつ伏せでの睡眠は、片側の顔面に長時間圧力がかかることになり、挿入した糸の位置ズレや、左右非対称な腫れを引き起こす要因となり得ます。組織がある程度安定する術後1週間程度は、意識的に仰向けの姿勢を維持することが、理想的な仕上がりを守るために望ましい対応といえます。

食事は大きさをコントロールする

術後の食事においては、「何を食べるか」以上に「どう食べるか」が重要になります。糸リフトの糸は、咬筋や側頭筋といった咀嚼(そしゃく)に関与する筋肉の近くや内部を通過して留置されることが一般的です。

そのため、大きく口を開ける動作は、筋肉の強い収縮を伴い、固定されたばかりの糸に物理的な負荷(牽引力)をかけることになります。これは術後の痛みを増強させるだけでなく、最悪の場合、糸のコグ(トゲ)が外れてリフトアップ効果を減弱させるリスクもはらんでいます。

ダウンタイム期間中、特に術後1週間程度は、口を大きく開けずに摂取できる食事形態を選択することが賢明です。お粥、ゼリー飲料、スープ類、あるいは小さくカットして柔らかく煮込んだうどんなどが推奨されます。

一方で、ハンバーガーやフランスパン、硬い肉類など、大きな開口と強い咀嚼力を必要とする食品は避けるべきです。食事のたびに患部に負担をかけないよう意識することで、組織の安静が保たれ、痛みの早期消失につながります。

周囲にバレないための隠し方

ダウンタイム中に仕事や学校へ復帰しなければならない場合、視覚的な変化をいかにカモフラージュするかが精神的な安心感につながります。術後に生じることのある黄色や緑がかった内出血は、時間の経過とともに消失しますが、目立つ時期にはメイクによるカバーが有効です。色彩学の補色理論に基づき、オレンジ系やイエロー系のコンシーラーを使用することで、厚塗りをせずに自然に色味を打ち消すことができます。

また、糸の挿入点となるこめかみ付近の小さな傷跡や針穴は、髪型を工夫することで容易に隠すことが可能です。後れ毛を残したヘアアレンジや、太めのヘアバンド、帽子などのアクセサリーを活用するのが一般的です。

それでもなお、腫れを他人に指摘された場合の対人対策として、「親知らずを抜いた」「現在、歯科治療中である」といった説明を用意しておくことも一つの知恵です。これらは顔が腫れる理由として社会的にも自然に受け入れられやすく、不要な詮索を避けるための有効な手段となります。もちろん、マスクの着用も引き続き効果的な選択肢の一つです。

 

これだけは避けてほしい術後のNGリスト

糸リフトの手術が成功したといえるか否かは、医師の技術力のみならず、患者自身の術後管理がいかに適切に行われるかに依存する側面が少なくありません。ダウンタイム期間中における不適切な行動は、単に腫れや内出血を長引かせるだけでなく、組織の癒着不全によるリフトアップ効果の減弱や、感染症、左右差の発生といった予期せぬトラブルを招く要因となります。

ここでは、医学的な観点からリスク回避のために「いつまで」「なぜ」避けるべきかを明確にしたNG行動リストを提示します。これらを遵守することは、合併症を防ぎ、施術の効果を最大限に引き出すための必須条件といえます。

NG行動 避けるべき期間 医学的な理由
長湯、サウナ、飲酒 術後3日~1週間 血管拡張作用による血行促進が、腫れ(浮腫)や内出血を悪化・再発させるリスクがあるため。
激しい運動、スポーツ 術後1週間 血圧の上昇と心拍数の増加が、患部の炎症反応を強め、ダウンタイムを遷延させるため。
歯科治療(大きく口を開ける処置) 術後1ヶ月 開口動作による物理的な牽引力が糸に負荷をかけ、固定位置のズレや痛みの原因になるため。
顔のマッサージ、強い圧迫 術後1ヶ月以上 形成され始めた組織の癒着を剥がしてしまうリスクや、糸の移動、細菌感染を誘発する恐れがあるため。
HIFU等の美容施術 術後1ヶ月以上 組織の炎症が完全に沈静化するのを待ち、熱エネルギーによる糸(素材による)への影響を避けるため。

血流の変化を伴う行動のリスク管理

術後の回復過程において、血流のコントロールは腫れの引き具合を左右する重要な要素です。入浴(長湯)、サウナ、飲酒、激しい運動といった行動は、いずれも体温を上昇させ、全身の血管を拡張させる作用があります。

血管が拡張すると、血流量が増加し、手術部位において止血されていた毛細血管からの再出血や、組織液の滲出が促進される可能性があります。これが、一度落ち着きかけた腫れがぶり返したり、内出血の色味が濃くなったりする主な原因です。

一般的に、シャワー浴は手術当日から可能とするクリニックが多いですが、湯船に浸かって体を温める行為は、炎症のピークが過ぎる術後3日から1週間程度は控えるのが賢明です。

同様に、アルコールの摂取や、心拍数が著しく上昇するような有酸素運動や筋力トレーニングについても、少なくとも抜糸が必要ない場合であっても、組織が安定し始める術後1週間までは自粛が求められます。この期間に安静を保つことが、結果としてダウンタイム全体の短縮につながります。

患部への物理的刺激と他の美容医療との兼ね合い

糸リフト術後において最も警戒すべきは、患部への物理的な圧力と過度な伸展刺激です。特に顔のマッサージや美顔器の使用は、皮膚の下でコグ(トゲ)が組織を捉えている状態に対し、外部から強い力を加えることになります。

これは、せっかく形成され始めた線維性結合組織による癒着を人為的に剥離させてしまう行為に他なりません。糸の位置ズレやリフトアップ効果の消失を防ぐため、術後1ヶ月間、あるいは担当医の許可が出るまでは、患部を強く擦る、揉むといった行為は厳禁です。

また、歯科治療における開口動作もリスク要因となります。長時間大きく口を開けることは、咬筋や側頭筋を通じて糸に強いテンションをかけます。緊急性のある治療を除き、定期検診やクリーニングなどの待てる処置は、術後1ヶ月以降にスケジュールすることが推奨されます。

さらに、HIFU(高密度焦点式超音波)やレーザー治療などの熱を加える施術との併用についても注意が必要です。挿入された糸の素材(PDO、PCLなど)によっては熱に弱いものもあり、また組織の炎症が重複することで回復が遅れる可能性があるため、一般的には術後1ヶ月以上の間隔を空けることが基本ルールとされています。

もし禁止事項を行ってしまった場合の緊急対応

日常生活において、ふとした拍子に禁止事項を行ってしまうケースもゼロではありません。「うっかりお酒を飲んでしまった」「無意識に顔を強く洗ってしまった」といった場合でも、直ちに施術失敗に直結するわけではないため、まずは冷静な対応が求められます。

最も重要な対処は、焦って患部を触ったり揉んだりして確認しようとしないことです。追加の物理的刺激は状況を悪化させるだけです。

誤った行動をとってしまった直後は、まず患部を保冷剤などで適度に冷却し、安静にして様子を見ます。多くの場合は一過性の腫れや赤みで済みますが、もし数時間が経過しても痛みが激化する場合や、明らかに顔の形が変わるほどの急激な腫脹、あるいは患部からの排膿などが見られる場合は、感染や血腫などのトラブルが発生している可能性があります。

そのような異常を感じた場合に限り、自己判断を中止し、速やかに施術を受けたクリニックへ連絡し、医師の指示を仰ぐようにしてください。

 

受診すべき危険なサイン

糸リフト(スレッドリフト)は、外科的手術の中では比較的低侵襲であり、重篤な合併症の発生率は低いとされる施術です。しかし、体に異物(糸)を挿入するという医療行為の性質上、感染や糸の露出、固定不全といったトラブルが起こる可能性を完全にゼロにすることはできません。

術後の経過において最も重要となるのは、「正常なダウンタイム症状」と「早急な処置が必要な合併症のサイン」を正確に見分けることです。

以下に挙げる症状は、通常の回復過程では見られない、あるいは注意を要する身体からの警告信号です。これらの兆候を早期に発見し、適切な医療介入を受けることが、後遺症や修正のリスクを最小限に抑えるためのセーフティネットとなります。

感染兆候

術後の身体は、侵襲に対する防御反応として炎症を起こすため、数日間の赤みや熱感、痛みは生理的な反応として許容されます。通常、これらの炎症症状は術後2~3日目をピークとして、時間の経過とともに沈静化していくのが正常なパターンです。

しかし、術後4日目以降になっても症状が改善せず、逆に「痛み、赤み、熱感」が日に日に増強している場合は、細菌感染(化膿)が疑われます。

特に警戒すべきは、挿入部や糸の走行上に一致して強い圧痛(押すと痛む)がある場合や、患部が波動を触れるほど柔らかく腫れ上がり、黄色や緑色の膿(うみ)が排出されるケースです。また、傷口から不快な悪臭を感じる場合も、嫌気性菌などによる感染を示唆する重要なサインとなります。

感染を放置すると、皮下で膿瘍(のうよう)を形成し、周囲の組織を融解させたり、広範囲に炎症が波及したりする恐れがあります。このような症状が見られた場合、市販薬での対応は困難であり、医療機関での抗生物質の内服や点滴、場合によっては感染源となっている糸の抜去や排膿処置が医学的に必要となることがあります。

糸の露出

稀に見られるトラブルとして、挿入した糸の先端が皮膚表面や口腔内(口の中)から露出してしまう現象があります。これは、糸を挿入する層が浅すぎたり、表情筋の激しい動きによって糸が移動したりすることで発生する物理的な合併症です。

具体的には、こめかみの刺入点や頬の皮膚から白いテグスのようなもの飛び出している、あるいは口の中の粘膜にチクチクとした異物感があり、舌で触れると硬い糸の感触があるといった症状が現れます。

また、完全に皮膚を突き破っていなくとも、皮膚のすぐ下に糸が透けて見えたり、触れると皮膚が薄くなって今にも飛び出しそうな状態(切迫露出)になっている場合も同様の注意が必要です。露出した糸は、外界と体内をつなぐ感染の経路(瘻孔のような役割)となり、細菌が糸を伝って皮下深部へ侵入するリスクを飛躍的に高めます。

発見した際に、自分でハサミで切ったり、無理に押し戻そうとしたり、あるいは引き抜こうとしたりする行為は、感染を悪化させる極めて危険な行為です。清潔なガーゼで保護し、速やかに医師の処置を仰ぐ必要があります。

左右差の急激な悪化

人間の顔はもともと完全な左右対称ではありませんが、糸リフトの施術直後は、麻酔の量や腫れの左右差により、一時的にバランスが崩れて見えることがあります。これは時間の経過とともに解消されることが多いため、過度な心配は不要なケースが大半です。

しかし、術後数日が経過し、ある程度腫れが引いてきた段階で、施術直後と比較して明らかに左右のバランスが悪化した場合や、「ガクッ」という衝撃とともに急に片側の頬が下がったと感じる場合は、糸の固定(アンカリング)が外れた、あるいは組織の保持力が失われた可能性が否定できません。

特に、コグ(トゲ)のかかりが浅かった場合や、術後の不適切な圧迫、激しい運動などが引き金となり、糸が組織内で滑脱(スリップ)することでこのような現象が起こり得ます。これが単なる腫れの非対称性なのか、糸のトラブルによるものなのかを患者自身で判断することは困難です。

放置すると、皮膚が弛んだ状態で組織が癒着してしまうリスクもあるため、急激な形状の変化を感じた際は、早期にクリニックへ連絡し、修正や追加処置の要否について専門家の診断を受けることが推奨されます。

 

まとめ

糸リフト術後のダウンタイムは、皮下組織が修復され、リフトアップ効果が定着するための重要なプロセスです。

個人差はありますが、一般的に腫れや痛みは術後2~3日目をピークとして、1~2週間程度で徐々に消失していく傾向にあります。この期間中は、患部の適切な冷却や食事形態の工夫、就寝時の姿勢など、日常生活での配慮が回復を早め、仕上がりの満足度を高める鍵となります。

しかし、数日が経過しても症状が悪化する場合や、感染の兆候、糸の露出といった明らかな異変が見られる際は、自己判断で様子を見ることなく、速やかに施術を受けた医療機関へ相談することが肝要です。

ダウンタイム中の不安はつきものですが、正しい医学的知識に基づいたケアを行うことで、リスクを回避しながら理想の状態へと近づくことができるでしょう。経過において少しでも不明点や違和感を覚えた際は、遠慮なく担当医師の判断を仰ぐことを推奨します。

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