タレ目形成(グラマラスライン形成・下眼瞼下制術)を検討するとき、多くの方が気にされるのは「どのくらいで普段通りの生活に戻れるのか」という点ではないでしょうか。新生活が始まる時期や長期休暇の前後、あるいは大切なイベントを控えたタイミングで施術を考える方も少なくありません。
仕事や学校を何日休む必要があるのか、腫れや内出血はいつまで続くのか、周囲に気づかれずに過ごせるのか、こうした疑問や不安は、手術を決断するうえで大きなハードルとなりがちです。
タレ目形成のダウンタイムは術式によって異なり、また個人差も大きいため、一概に「○日で治ります」とは言い切れません。しかし、術後の経過や起こりうる症状について正しい知識を持っておけば、必要以上に不安を感じることなく、適切なスケジュールを立てることができます。
ここでは、タレ目形成のダウンタイム期間を術式別に整理し、術後に起こりやすい結膜浮腫や内出血のメカニズムから、回復を促すセルフケア、そして社会復帰に向けた具体的な対策までを解説します。医学的な根拠に基づきながらも、実践的な情報を心がけましたので、施術前の準備にお役立てください。
※症状の現れ方や回復までの期間には個人差があります。内容はあくまで一般的な目安であり、具体的な判断は必ず担当医の指示に従ってください。

国立琉球大学医学部医学科を卒業。国内大手美容クリニックなどで院長を歴任し、2024年アラジン美容クリニックに入職。
特にクマ取り治療では、年間症例数3,000件以上を誇るスペシャリストである。「嘘のない美容医療の実現へ」をモットーに、患者様の悩みに真剣に向き合う。
タレ目形成のダウンタイム期間は?術式別の経過目安
タレ目形成を受ける前に、まず把握しておきたいのがダウンタイムの長さです。「ダウンタイム」とは、施術後に腫れや内出血などの症状が落ち着き、日常生活に支障なく戻れるまでの期間を指します。タレ目形成にはいくつかの術式があり、それぞれ組織への負担が異なるため、回復にかかる時間にも差が生じます。
施術を検討する際には、仕事や学校のスケジュール、人と会う予定などを考慮しながら、適切なタイミングを選ぶことが大切です。この章では、代表的な3つの術式の特徴と、術後から仕上がりが安定するまでの一般的なタイムラインを確認していきます。
この章のポイント
・術式により組織へのダメージと回復期間が異なる
・切開法は約2週間、埋没法は約1週間が目安
・仕上がりの安定までは約3ヶ月を見込む
皮膚側切開・結膜側切開・埋没法の違い
タレ目形成には、大きく分けて「皮膚側切開」「結膜側切開」「埋没法」の3つの術式があります。どの方法を選択するかによって、傷の位置や抜糸の有無、ダウンタイムの長さが変わってきます。それぞれの特徴を理解しておくことで、ライフスタイルや希望する仕上がりに合った選択がしやすくなるでしょう。
皮膚側切開(外側からのアプローチ)
皮膚側切開は、下まつげの生え際に沿って皮膚表面を切開し、下まぶたの組織を調整してタレ目を形成する方法です。具体的には、CPF(capsulo-palpebral fascia:下眼瞼の腱膜様組織)と呼ばれる部分を縫い縮めることで、下まぶたを下方へ引き下げます。
この術式のメリットは、下げ幅の調整がしやすく、効果の持続性が高いとされている点です。一方で、皮膚表面に切開線ができるため、抜糸までの約1週間は縫合した糸が外から見える状態となります。腫れや内出血が目立たなくなるまでには、一般的に約2週間程度かかることが多いでしょう。
結膜側切開(内側からのアプローチ)
結膜側切開は、下まぶたの裏側(結膜)から切開を行う方法です。皮膚表面には傷が残らないため、術後の見た目を気にされる方に選ばれやすい術式といえます。多くの場合、溶ける糸(吸収糸)を使用するため抜糸も不要です。
ただし、結膜側からのアプローチのみでは下げ幅に限界があるとも言われています。また、結膜を切開することで術後に結膜浮腫(白目の腫れ)が起こりやすい傾向があり、これが気になる方もいるかもしれません。ダウンタイムは皮膚側切開と同程度か、やや短い場合が多いとされています。
埋没法(糸による方法)
埋没法は、切開を行わずに医療用の糸のみで下まぶたを下げる術式です。組織へのダメージが少ないため、腫れや内出血は比較的軽度にとどまり、ダウンタイムは数日から1週間程度で済むケースが一般的です。
ただし、切開法と比較すると効果の持続期間が短く、時間の経過とともに後戻りが起こりやすいという側面があります。そのため、まずは埋没法で様子を見てから、必要に応じて切開法へ移行するという選択をされる方もいます。
複合的なアプローチについて
実際の施術では、皮膚側と結膜側の両方からアプローチする方法が採用されることも少なくありません。これは、片側からのアプローチだけでは「外反」(下まぶたが外側にめくれてアッカンベーのような状態になること)や「内反」(下まつげが内側に向いて眼球に当たる状態)といったリスクが高まる場合があるためです。両側からバランスよく調整することで、自然な仕上がりと安全性の両立を図ることができます。
どの術式が適しているかは、目元の状態や希望するデザイン、許容できるダウンタイムの長さなどによって異なります。カウンセリングの際に担当医としっかり相談し、納得したうえで選択することが大切です。
術後から安定までのタイムライン
タレ目形成後の回復は、一直線に進むわけではありません。腫れのピークを迎える時期、内出血の色が変化していく時期、そして徐々に安定へ向かう時期と、段階を追って変化していきます。あらかじめ経過の流れを把握しておくことで、術後の変化に対する不安を軽減できるでしょう。以下は切開法を想定した一般的な経過の目安です。
手術当日〜翌日
腫れのピークを迎えやすい時期です。麻酔の影響が残っていることもあり、目元に重さや違和感を覚えることがあります。この時期は無理をせず安静に過ごし、処方された点眼薬や内服薬を指示通りに使用しましょう。冷却(アイシング)を行う場合は、保冷剤を直接肌に当てず、清潔なタオルやガーゼで包んでから使用してください。
術後2〜3日目
腫れは少しずつ落ち着き始めますが、この頃から内出血が目立ってくることがあります。皮膚の下に溜まった血液は、時間の経過とともに体内で分解・吸収されていきます。その過程で、内出血の色は段階的に変化していくのが一般的です。
内出血の色が変わるのは、血液中のヘモグロビン(赤色の色素)が分解される過程で、異なる色の化合物に変化していくためです。まず赤紫や青紫の色味から始まり、ヘモグロビンがビリベルジンという緑色の物質に変わることで緑がかった色に、さらにビリルビンという黄色の物質に代謝されることで黄色みを帯びていきます。内出血が黄色っぽく変化してきたら、吸収が進んでいるサインと捉えてよいでしょう。
術後1週間前後
皮膚側切開の場合、この頃に抜糸を行います。抜糸のタイミングは術後5〜7日目が一般的ですが、傷の状態によって前後することがあります。抜糸後は傷口への負担が軽減され、メイクも可能になるケースが多いです(ただし、傷口を直接こすらないよう注意が必要です)。
埋没法や結膜側切開の場合は抜糸が不要なため、この時期にはすでに日常生活への復帰が可能になっている方も多いでしょう。
術後2週間〜1ヶ月
腫れや内出血の大部分が落ち着き、傷口の赤みも徐々に目立たなくなっていきます。ただし、この時点ではまだ組織が完全には安定しておらず、朝起きたときにむくみを感じたり、体調や気温によって腫れ具合が変動したりすることがあるかもしれません。激しい運動や長時間の入浴など、血行を促進する行為は引き続き控えめにしておくと安心です。
術後約3ヶ月
多くの場合、この頃になると仕上がりが安定してきます。手術によって調整された組織が周囲に馴染み、最終的な形状が定まる時期です。もしこの時点で左右差や仕上がりに気になる点があれば、担当医に相談しましょう。修正が必要かどうかの判断も、組織が安定したこの時期に行うのが適切とされています。
術式別・ダウンタイムと生活制限の目安
術式ごとのダウンタイムと生活制限について、主な項目を表にまとめました。施術を検討する際のスケジュール設計にお役立てください。
| 項目 | 切開法(皮膚側) | 切開法(結膜側) | 埋没法 |
|---|---|---|---|
| 腫れのピーク | 術後1〜3日 | 術後1〜3日 | 術後1〜2日 |
| 腫れ・内出血が落ち着く目安 | 約2週間 | 約1〜2週間 | 約1週間 |
| 抜糸の有無 | あり(術後5〜7日) | なし(吸収糸使用) | なし |
| アイメイク可能時期 | 抜糸後〜 | 約1週間後〜 | 約3日後〜 |
| コンタクトレンズ | 約2週間後〜 | 約1〜2週間後〜 | 約1週間後〜 |
| 入浴・運動の制限解除 | 約1〜2週間後 | 約1〜2週間後 | 約1週間後 |
| 仕上がりの安定 | 約3ヶ月 | 約3ヶ月 | 約1〜3ヶ月 |
※上記はあくまで一般的な目安であり、症状の程度や回復速度には個人差があります。特にコンタクトレンズの使用再開については、術後の状態によって適切な時期が異なるため、必ず担当医の許可を得てから装用を再開してください。
表を見ると、切開法と埋没法ではダウンタイムに約1週間の差があることがわかります。ただし、効果の持続性や仕上がりの安定感は切開法のほうが高いとされているため、単純に「ダウンタイムが短いから」という理由だけで術式を選ぶのではなく、総合的に判断することが大切です。
連休や長期休暇を利用して施術を受ける場合でも、予期せぬ経過の遅れに備えて、少し余裕を持ったスケジュールを組んでおくことをおすすめします。まずはカウンセリングで自分に合った術式を相談し、必要な休養期間を具体的に確認してみましょう。
タレ目形成特有の症状「結膜浮腫」と「内出血」の正体
前章では術式別のダウンタイム期間について解説しましたが、実際に施術を受けた後、最も気になるのは「見た目の変化」ではないでしょうか。タレ目形成後には、一時的に白目がゼリー状に膨らんで見えたり、目の周りが内出血で変色したりすることがあります。鏡を見たときに予想以上の変化があると、「本当に元に戻るのだろうか」と不安になるのは自然なことです。
しかし、これらの症状の多くは、手術に対する体の正常な反応であり、時間の経過とともに改善していきます。この章では、術後に起こりやすい「結膜浮腫」と「ドライアイ」のメカニズムを理解し、過度な心配をせずに経過を見守るための知識を身につけましょう。
この章のポイント
・結膜浮腫は炎症反応による一時的な症状
・多くの場合、1週間程度で自然に吸収される
・術後のドライアイは閉瞼不全が原因となりやすい
なぜ白目がゼリー状になるのか(結膜浮腫のメカニズム)
術後、白目の部分が水を含んだゼリーのように膨らんでいるのを見て、驚いた経験のある方もいるかもしれません。この症状は「結膜浮腫(けつまくふしゅ)」、または医学用語で「ケモシス(chemosis)」と呼ばれるものです。見た目のインパクトが強いため不安を感じやすい症状ですが、発生のメカニズムを知っておくと、冷静に対処しやすくなります。
結膜浮腫が起こる仕組み
結膜とは、白目の表面を覆っている薄く透明な粘膜のことです。普段は眼球にぴったりと密着していますが、手術による刺激を受けると、この結膜と眼球の間に水分が溜まり、ぶよぶよと腫れたような状態になります。
なぜこのような現象が起こるのでしょうか。それは、手術という「侵襲」(組織への物理的なダメージ)に対して、体が炎症反応を起こすためです。組織が傷つくと、その部位では修復のために免疫細胞が集まり、血流が増加します。このとき、毛細血管の壁の透過性(物質の通りやすさ)が一時的に高まり、通常は血管内にとどまっている水分や血漿成分が、血管の外へ漏れ出しやすくなります。
結膜は非常に薄い組織であるため、わずかな水分の貯留でも膨らんで見えやすいという特徴があります。特に結膜側から切開を行う術式では、結膜への直接的な刺激が加わるため、結膜浮腫が生じやすい傾向にあります。
回復までの経過と注意点
結膜浮腫は、多くの場合、術後数日から1週間程度で自然に吸収されていきます。体が漏れ出した水分を再吸収し、炎症が治まるにつれて、結膜は元の状態に戻っていくのが一般的な経過です。
回復を待つ間、以下の点に注意しておくとよいでしょう。
まず、目をこすらないことが大切です。かゆみや違和感があっても、こすってしまうと炎症が悪化したり、傷口に負担がかかったりする可能性があります。また、処方された点眼薬がある場合は、指示通りに使用を続けてください。点眼薬には炎症を抑える成分や、目の表面を保護する成分が含まれていることがあります。
結膜と角膜(黒目の部分)の間にはしっかりとした境界があるため、結膜浮腫が角膜にまで波及して視力に影響を与えることは通常ありません。ただし、以下のような症状がある場合は、自己判断で様子を見るのではなく、早めに担当医へ相談することをおすすめします。
- 1週間以上経過しても結膜浮腫が改善しない
- 日を追うごとに腫れがひどくなっている
- 強い痛みや視力の低下を感じる
- 目やにが大量に出る、または膿のような分泌物がある
- 発熱を伴っている
これらの症状は、感染症やその他の合併症の可能性を示唆している場合があります。術後の経過には個人差がありますが、「何かおかしい」と感じたときは遠慮せずに医師の診察を受けることが、早期回復への近道です。
下まぶたの構造変化とドライアイのリスク
タレ目形成は、下まぶたを意図的に下方へ引き下げる手術です。そのため、術後しばらくは目の開き方や閉じ方に変化が生じ、それに伴ってドライアイの症状が現れることがあります。術前にこのリスクを理解しておくことで、適切な対策を講じやすくなるでしょう。
なぜドライアイが起こりやすくなるのか
目の表面は、涙の層(涙液層)によって常に潤いが保たれています。まばたきをするたびに涙が目の表面全体に広がり、乾燥や外部からの刺激から眼球を守っているのです。
タレ目形成によって下まぶたが下がると、眼球が露出する面積が術前よりも広くなります。露出面積が増えるということは、それだけ涙が蒸発しやすくなるということでもあります。加えて、まばたきをしても涙が目の表面全体に行き渡りにくくなり、部分的に乾燥しやすい状態が生まれます。
また、術後の腫れによって下まぶたが眼球から浮いた状態になると、完全に目を閉じることが難しくなる「閉瞼不全(へいけんふぜん)」が一時的に起こることがあります。閉瞼不全があると、就寝中でもまぶたの隙間から涙が蒸発しやすくなり、朝起きたときに目がゴロゴロする、乾燥感が強いといった症状が現れやすくなります。
ドライアイの症状と日常での感じ方
術後のドライアイでは、以下のような症状を感じることがあります。
- 目がゴロゴロする、異物感がある
- 目が乾いてショボショボする
- 光がまぶしく感じる
- 目が疲れやすい
- 涙が出やすい(乾燥に対する反射で涙が過剰分泌されることがある)
これらの症状は、長時間のパソコン作業やスマートフォンの使用、エアコンの効いた乾燥した室内などで悪化しやすい傾向にあります。術後しばらくは、目を酷使する作業を控えめにし、意識的に休憩を取ることを心がけるとよいでしょう。
回復の見通しと対策
術後のドライアイは、多くの場合、腫れが引いて組織が馴染むにつれて改善していきます。一般的には術後1ヶ月程度で症状が落ち着いてくることが多いですが、回復のスピードには個人差があります。
日常生活でできるドライアイ対策としては、以下のような方法があります。
| 対策 | 具体的な方法 | 期待できる効果 |
|---|---|---|
| 点眼薬の使用 | 処方された点眼薬を指示通りに使用 | 目の表面を保護し、潤いを補う |
| まばたきを意識 | 作業中は意識的にまばたきの回数を増やす | 涙を目の表面全体に広げる |
| 環境の調整 | 加湿器の使用、エアコンの風を直接当てない | 涙の蒸発を抑える |
| 就寝時のケア | 医師の指示があれば眼軟膏や保護テープを使用 | 睡眠中の乾燥を防ぐ |
| 目の休息 | 1時間に1回程度、画面から目を離して休憩 | 目の疲労と乾燥を軽減 |
市販の人工涙液を使用したい場合は、防腐剤フリーのものを選ぶと目への負担が少なくなります。ただし、術後間もない時期は自己判断で点眼薬を追加するのではなく、担当医に相談してから使用するのが安心です。
過度な下げ幅がリスクを高める可能性
ドライアイや閉瞼不全のリスクは、下まぶたをどの程度下げるかによっても変わってきます。希望する仕上がりを重視するあまり下げ幅を大きく取りすぎると、閉瞼不全が長期化し、慢性的なドライアイにつながるリスクが高まる可能性があります。また、極端に下げすぎた場合は「外反」(下まぶたが外側にめくれる状態)が起こり、修正手術が必要になるケースもあります。
このようなリスクを避けるためには、カウンセリングの段階で担当医としっかり相談し、自分の目の状態に合った適切なデザインを決めることが重要です。「もっと下げたい」という希望がある場合でも、医師からリスクの説明を受けたうえで、慎重に判断しましょう。
術後に気になる症状が続く場合は、遠慮せずに担当医へ相談してください。早めに対処することで、症状の長期化を防ぐことができます。
ダウンタイムを短くするための過ごし方とセルフケア
前章では、術後に起こりやすい結膜浮腫やドライアイについて解説しました。これらの症状は時間とともに改善していくものですが、術後の過ごし方によって回復のスピードはある程度左右されます。「少しでも早く腫れを引かせたい」「内出血を目立たなくしたい」という気持ちは、施術を受けた方であれば誰しも抱くものでしょう。
この章では、医学的・物理的な観点から、ダウンタイムを短縮するために実践できるセルフケアの方法を解説します。また、回復を妨げてしまうNG行動についても整理しますので、術後の生活設計に役立ててください。ただし、ここで紹介する内容はあくまで一般的な目安であり、個々の状態によって最適なケアは異なります。担当医の指示を最優先とし、無理のない範囲で取り入れることが大切です。
この章のポイント
・術後数日間は冷却で腫れの悪化を抑える
・頭を高くして休むことでむくみを軽減
・回復を妨げるNG行動を把握しておく
物理的なアプローチ:姿勢と温度管理
術後の腫れやむくみを抑えるために、特別な道具や薬に頼らずとも実践できるのが「姿勢」と「温度管理」です。これらは回復をサポートする基本的なケアであり、日常生活の中で意識するだけで取り入れることができます。
姿勢管理|頭を心臓より高く保つ
術後の腫れやむくみを軽減するために有効とされているのが、頭の位置を心臓より高く保つことです。これは重力の原理を利用したシンプルな方法ですが、効果が期待できます。
人間の体では、心臓から送り出された血液が全身を巡り、静脈を通って心臓へ戻っていきます。頭を低い位置に置くと、顔面への血流が増加し、また静脈やリンパの戻りが滞りやすくなるため、むくみが生じやすくなります。反対に、頭を高くしておくと、重力の助けを借りて血液やリンパ液が心臓へ戻りやすくなり、顔への水分貯留を抑える効果が期待できるのです。
具体的には、就寝時に枕を普段より高くする、またはクッションを重ねて上半身を少し起こした状態で眠ることを心がけましょう。日中も、長時間うつ伏せの姿勢でいることは避け、できるだけ頭を高い位置に保つよう意識してください。特に術後2〜3日間は腫れのピークにあたるため、この時期の姿勢管理は回復に影響を与えやすいといえます。
温度管理|冷やす時期と控える時期
術後のケアとして「患部を冷やす」という方法は広く知られていますが、冷却が有効なのは主に術後の急性期に限られます。適切なタイミングと方法を理解しておくことで、より効果的なケアが可能になります。
手術直後から数日間は、炎症反応が活発な時期です。この時期に患部を冷やすと、血管が収縮して血流が穏やかになり、腫れや内出血の悪化を抑える効果が期待できます。
冷却を行う際は、保冷剤や氷を直接肌に当てないよう注意してください。直接当てると凍傷を起こすリスクがあるため、必ず清潔なタオルやガーゼで包んでから使用します。1回あたり5〜10分程度を目安に、まぶたに熱感がある場合や腫れが気になるタイミングで行うとよいでしょう。長時間冷やし続けるのではなく、適度な間隔を空けながら繰り返すのがポイントです。
術後1週間を過ぎて腫れが落ち着いてきたら、積極的に冷やす必要はなくなります。この時期に過度な冷却を続けると、かえって血行が悪くなり、組織の回復や内出血の吸収が遅れる可能性があります。
内出血の色が黄色みを帯びてきた段階では、冷やすのをやめ、常温で過ごすことを基本としましょう。血行を促進するために温めるという考え方もありますが、術後の状態によっては温めることで腫れがぶり返す場合もあるため、積極的に温める場合は担当医に確認してから行うことをおすすめします。
| 時期 | 推奨されるケア | 注意点 |
|---|---|---|
| 術後1〜3日 | 冷却(1回5〜10分、適宜) | 保冷剤は直接当てず、タオルで包む |
| 術後4〜7日 | 腫れがあれば冷却を継続 | 冷やしすぎに注意 |
| 術後1週間以降 | 冷却は不要、常温で過ごす | 温める場合は医師に相談 |
※冷却の具体的な期間やタイミングは術後の状態によって異なります。担当医から個別の指示がある場合は、そちらを優先してください。
内科的なアプローチ:処方薬の活用
クリニックによっては、術後の回復をサポートする目的で内服薬が処方されることがあります。自己判断で市販薬を服用するのではなく、医師から処方された薬を指示通りに使用することが、安全かつ効果的な回復への近道です。
抗炎症薬・鎮痛薬
術後の炎症反応を抑え、痛みを和らげる目的で処方されることがあります。腫れの軽減にも寄与する場合があるため、痛みがなくても指示された期間は服用を続けることが一般的です。
服用にあたっては、用法・用量を守ることが大切です。「早く治したいから多めに飲む」といった自己判断は、副作用のリスクを高める可能性があるため避けてください。また、持病がある方や他の薬を服用中の方は、飲み合わせの問題がないか事前に担当医へ確認しておきましょう。
漢方薬
一部のクリニックでは、術後のむくみや内出血の軽減を目的として漢方薬が処方されることがあります。代表的なものとしては、以下のようなものが挙げられます。
柴苓湯(さいれいとう) は、抗炎症作用と水分代謝を整える作用(利水作用)を併せ持つとされる漢方薬です。体内の余分な水分を排出しやすくすることで、術後のむくみ軽減に寄与する可能性があるとして、美容外科領域で用いられることがあります。
治打撲一方(じだぼくいっぽう) は、その名の通り打撲や外傷後の腫れ・内出血に対して用いられてきた漢方薬です。手術も一種の外傷と捉え、術後の回復促進を目的として処方されるケースがあります。
ただし、漢方薬の効果には個人差があり、すべての方に同様の効果が得られるわけではありません。また、漢方薬であっても副作用が生じる可能性はあるため、体質や持病によっては服用が適さない場合もあります。自己判断での購入・服用は避け、必ず医師の判断のもとで使用してください。
ダウンタイム中に避けるべきNG行動
回復を促すセルフケアと同じくらい重要なのが、回復を妨げる行動を避けることです。術後の体は傷を治すためにエネルギーを使っている状態であり、余計な負担をかけないことが早期回復につながります。以下に挙げる行動は、担当医から許可が出るまで控えるようにしましょう。
| NG行動 | リスク | 控える目安期間 |
|---|---|---|
| 飲酒 | 腫れ・内出血の悪化 | 術後1〜2週間 |
| 激しい運動 | 腫れ・内出血の悪化 | 術後1〜2週間 |
| サウナ・長時間入浴 | 腫れの悪化 | 術後2週間以上 |
| 目をこする | 感染・治癒遅延 | 腫れが落ち着くまで |
| コンタクトレンズ | 結膜への負担・感染 | 術後1〜2週間 |
| うつ伏せ睡眠 | むくみの悪化 | 術後1週間程度 |
| 喫煙 | 治癒遅延・感染リスク | 術後2週間以上 |
これらの行動を術後早期に行ってしまうと、ダウンタイムが長引くだけでなく、感染や仕上がりへの悪影響といったトラブルにつながることもあります。回復を最優先に考え、医師の指示に従った生活を送ることが、結果的に早く日常へ戻るための近道となります。
まずは術後1週間、日常生活の中でできる範囲のケアを取り入れながら、焦らず安静に過ごすことから始めてみてください。
まとめ
タレ目形成のダウンタイムは、術式によって異なるものの、腫れや内出血が落ち着くまでに約1〜2週間、仕上がりが安定するまでには約3ヶ月程度を見込んでおくのが一般的な目安です。術後に起こりやすい結膜浮腫や一時的なドライアイは、見た目のインパクトこそ強いものの、多くの場合は時間の経過とともに自然に改善していきます。
回復をスムーズに進めるためには、頭を高くして休む、術後数日間は患部を冷やすといった基本的なセルフケアを取り入れつつ、飲酒や激しい運動など回復を妨げる行動を避けることが大切です。また、担当医から処方された点眼薬や内服薬を指示通りに使用することも、トラブルを防ぐうえで欠かせません。
社会復帰に向けては、内出血の色味に合わせたコンシーラーの活用やメガネによるカモフラージュなど、状況に応じた対策を事前に準備しておくと安心です。新生活や長期休暇、イベントシーズンなど、人と会う機会が増える時期に施術を検討している場合は、余裕を持ったスケジュール設計を心がけましょう。
術後の経過には個人差があり、思った通りに回復が進まないこともあるかもしれません。そのようなときは一人で悩まず、早めに担当医へ相談することが回復への近道です。信頼できるクリニックでカウンセリングを受け、術前から術後のサポート体制までしっかり確認しておくことで、より安心して施術に臨むことができるでしょう。
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