頬のたるみやフェイスラインの輪郭の崩れが気になり始めるのは、多くの場合40代前後からです。鏡の前で感じるその変化は、加齢とともに皮膚のコラーゲンが減少し、それを支える筋膜や骨格までもが少しずつ変化していくという、複合的なメカニズムによるものです。
スキンケアや表情筋のトレーニングでは届かない深部の構造変化が、たるみの本質的な原因となっています。こうした背景から、近年の美容医療では「切らずに深部へアプローチする」照射治療が広く注目されています。
高周波(RF)、HIFU(高密度焦点式超音波)、超音波タイトニング、フラクショナルレーザーなど、今やさまざまな機器が存在しますが、それぞれ作用する皮膚の深さや期待できる効果が異なります。どの治療が自分のたるみに合うのかを理解せずに選択すると、期待と結果が大きくかけ離れてしまうことも少なくありません。
ここでは、たるみが生じる医学的な仕組みから始まり、各照射治療の種類と効果の違い、部位別の選び方の視点まで整理します。照射治療の受診を検討している方が、自分の状態に合った治療選択の判断軸を持てることを目指した内容です。

国立琉球大学医学部医学科を卒業。国内大手美容クリニックなどで院長を歴任し、2024年アラジン美容クリニックに入職。
特にクマ取り治療では、年間症例数3,000件以上を誇るスペシャリストである。「嘘のない美容医療の実現へ」をモットーに、患者様の悩みに真剣に向き合う。
たるみはなぜ起きる?照射治療が注目される医学的な理由
たるみは、ある日突然現れるものではありません。皮膚の内側では20代から静かに変化が始まっており、それが40代を境に表面へと一気に現れてくるのが、多くの人が経験するパターンです。「急に老けた」と感じる瞬間の背景には、長年にわたって積み重なった構造的な変化があります。
セルフケアでたるみに抗おうとする方は多いですが、保湿や美容液が届くのは皮膚の表面付近に限られます。たるみの根本的な原因が真皮より深い層にある以上、外側からのケアだけでは限界があるのが現実です。こうした事情が、皮膚の深部まで熱エネルギーを届けられる照射治療への関心を高めている理由のひとつです。
この章のポイント
・たるみは4層構造の変化が複合した結果
・コラーゲン減少は20代以降から静かに進行する
・セルフケアが届かない深さへのアプローチが鍵
たるみの3つの主因|コラーゲンの減少・筋膜の緩み・骨格の後退
たるみの原因を一言で説明するのは難しく、実際には皮膚・脂肪・筋膜・骨格という4つの層それぞれに起きる変化が複合的に絡み合っています。
その中でも特に中心的な役割を担うのが、コラーゲンの減少、SMAS筋膜の緩み、そして骨格の後退という3つの要因です。
コラーゲンの減少と真皮層の変化
皮膚の弾力と厚みを支えているのは、真皮層に存在するコラーゲン線維です。このコラーゲンは20代以降から毎年約1%ずつ減少していくという研究報告があります(Shuster et al., British Journal of Dermatology, 1975)。
1%という数字は一見小さく感じますが、10年で10%、20年で20%の蓄積になります。コラーゲンが減ると真皮の厚みが失われ、肌がしぼむように薄くなり、重力に抗う力が徐々に弱まっていきます。
コラーゲン減少に拍車をかけるのが、女性ホルモン(エストロゲン)の変動です。エストロゲンはコラーゲンの生成を促す作用があり、閉経前後のホルモン変動が起きる時期に、たるみが急速に進行したと感じる女性が多いのはこのためだと考えられています。
加えて、紫外線による光老化もコラーゲンを分解する酵素(マトリックスメタロプロテアーゼ)の活性を高めるため、日常的な紫外線ケアがたるみ予防において軽視できない理由がここにあります。
SMAS筋膜の緩みと脂肪層の変化
真皮層のさらに下には皮下脂肪層があり、その深部に「SMAS(Superficial Musculo-Aponeurotic System)筋膜」と呼ばれる層が存在します。SMAS筋膜は顔の表情筋と皮膚をつなぐ線維性の膜で、いわば顔全体を下から吊り上げる「サスペンションシステム」の役割を担っています。
加齢によってこの筋膜が緩んでくると、皮膚や脂肪が重力に引っ張られるように下方へと移動します。頬の位置が下がり、フェイスラインが崩れ、ほうれい線やマリオネットラインが深くなっていくのは、こうした筋膜レベルの変化が大きく関与しています。
SMAS筋膜は皮膚の表面から4〜5mm程度の深さにあるため、外側からのケアでは直接アプローチすることができません。
骨格の後退(骨吸収)という見落とされがちな要因
たるみの原因として意外と知られていないのが、顔面骨格の後退です。骨は一定の形で固定されているように思われがちですが、実際には加齢とともに骨吸収が進み、目周囲・頬骨・下顎の骨が少しずつ縮小していきます。
これによって、皮膚や軟部組織を内側から支えていた「骨格という台座」が小さくなり、上にのっていた皮膚に余りが生じることで、たるみとして表面に現れてきます。
特に目の下の凹みや頬の平坦化、顎のラインのぼやけなどは、この骨格後退の影響を受けやすい部位です。骨格レベルの変化にはヒアルロン酸などの注入治療でアプローチする方法もありますが、照射治療はあくまで皮膚・脂肪・筋膜という軟部組織への効果を主目的としています。
自分のたるみがどの層に起因しているかによって、適切な治療の選択が変わってくるという点は、後の章で詳しく触れます。
以下の表に、たるみの主な原因と関係する層・典型的な症状を整理しました。
| 主な原因 | 関係する層 | 主な症状・変化 |
|---|---|---|
| コラーゲン・エラスチンの減少 | 真皮層 | 皮膚のハリ・弾力の低下、小じわ、肌の薄さ |
| 脂肪の位置変化・萎縮 | 皮下脂肪層 | 頬のボリューム低下、目の下のふくらみ |
| SMAS筋膜の緩み | 筋膜層(皮下4〜5mm) | フェイスラインの崩れ、ほうれい線、マリオネットライン |
| 骨格の後退(骨吸収) | 骨格 | 目周囲の凹み、頬の平坦化、顎ラインのぼやけ |
この4層のうち、照射治療が主にアプローチできるのは真皮層・脂肪層・SMAS筋膜層です。どの層をターゲットにするかによって、使用する機器と期待できる効果は大きく変わります。
自分のたるみが「皮膚表面の弾力不足」なのか「フェイスラインの崩れ」なのか「頬の位置の低下」なのかによって、選ぶべき治療の方向性が変わってくる理由が、こうした構造的な背景にあります。
照射治療の種類と効果の違い
前章で確認したように、たるみの原因は真皮層・脂肪層・SMAS筋膜・骨格という複数の層にまたがっています。照射治療の種類を選ぶうえで最も重要な視点は「どの機器がどの深さまで届くか」という点です。
同じ「照射治療」というくくりであっても、使用するエネルギーの種類や到達深度によって、期待できる効果はまったく異なります。
現在の美容医療で広く使われている照射治療は、大きく4系統に分けることができます。高周波(RF)、HIFU(高密度焦点式超音波)、超音波タイトニング(SUPERB技術)、そしてフラクショナルレーザー・ピコレーザー系です。それぞれの仕組みと特徴を順に整理します。
この章のポイント
・治療ごとに作用する深さと効果の性質が異なる
・HIFUとソフウェーブは同じ超音波でも別物
・「引き上げ」と「引き締め」は目的が違う
高周波(RF)治療の特徴と代表機器
高周波(Radio Frequency:RF)治療は、電磁波の一種である高周波エネルギーを皮膚に照射し、真皮深層から皮下脂肪浅層にかけて(主に約2.5mm付近を中心に加熱し、熱の影響は4mm前後にまで及ぶ)を加熱する治療です。
代表的な機器としては、サーマクールFLX・サーマジェン・エンディメッドプロなどが挙げられます。
高周波治療の効果は2段階で現れます。まず施術直後には、熱によってコラーゲン線維が瞬時に収縮し、フェイスラインや皮膚の引き締まりとして即時に実感できます。
続いて、熱刺激による創傷治癒反応が起きることで、その後数か月にわたって新しいコラーゲンが増生されます。この2段階の作用によって、引き締め効果が徐々に高まり、施術から3〜6か月後に効果のピークを迎えるとされています。
高周波治療の主な効果は「引き締め」です。皮膚全体のハリを高め、フェイスラインをシャープにする効果に優れています。一方で、SMAS筋膜層まで到達するわけではないため、筋膜レベルから組織を「引き上げる」という作用は、後述するHIFUと比べると穏やかになります。中程度のたるみや、たるみの予防的ケアとして選ばれることが多い治療です。
ダウンタイムはほとんどなく、施術当日からメイクが可能なケースがほとんどです。施術時間は顔全体で60〜90分程度を目安とする機器が多く、治療頻度は一般的に3〜6か月に1回程度が目安とされています。
HIFU(高密度焦点式超音波)治療の特徴と代表機器
HIFU(High Intensity Focused Ultrasound:高密度焦点式超音波)は、超音波エネルギーを皮膚内の特定の点に精密に集束させ、そこだけを60〜70℃程度で加熱する技術です。
エネルギーが通過する表皮や浅い組織にはほとんどダメージを与えず、狙った深さにのみ熱凝固点を作ることができます。代表的な機器にはウルセラ・ダブロなどがあります。
HIFUの最大の特徴は、SMAS筋膜層(皮膚表面から約4〜4.5mm)まで届かせることができる点です。ウルセラは1.5mm・3.0mm・4.5mmと深さの異なるトランスデューサーを使い分けることで、表皮から筋膜まで複数の層に段階的にアプローチします。
この中でも4.5mmの深さへの照射がSMAS筋膜を直接加熱・収縮させ、外科的なフェイスリフトに近い「引き上げ効果」をメスを使わずに得られる点として、HIFUが広く支持されている理由となっています。
ウルセラは2009年に米国FDAのクリアランスを取得した機器で、非侵襲的なリフト効果を持つエネルギーデバイスとしての実績と臨床データの蓄積が豊富です。効果のピークは施術後2〜3か月頃とされ、持続期間は半年〜1年程度を目安とする報告が多く見られます。治療頻度は一般的に年1回前後が目安とされています。
ただし、HIFUはエネルギーを点状に集中させる性質上、一度の施術で照射できる範囲には限りがあります。また、皮下脂肪の薄い部位への高出力照射は「顔がこける」という変化につながるリスクも指摘されているため、医師による適切な出力設定と照射計画が重要です。
超音波タイトニング(SUPERB技術)の特徴
ソフウェーブは超音波を使う機器ですが、HIFUとは根本的に異なる独自の技術を採用しています。「SUPERB™(Synchronous Ultrasound Parallel Beam:同期平行型超音波ビーム)」と呼ばれるこの技術は、1回の照射で7本の円柱状の熱凝固帯を同時に形成し、真皮中層(皮膚表面から0.5〜2.0mm)を広範囲・均等に加熱します。
HIFUが点状の熱を深部へ届ける治療であるとすれば、ソフウェーブは浅層を面として大量の熱量で加熱する治療という整理が分かりやすいでしょう。
作用深度がSMAS筋膜には届かない分、脂肪層を加熱することもなく「顔がこける」リスクが低いとされています。これは脂肪が少なくなりがちな年代の方や、やせ型の体型の方にとって、選択しやすい治療の一つとなり得ます。
2025年4月、ソフウェーブは顔面および頚部のしわ改善を適応として厚生労働省の薬事承認を取得しました。HIFUを含めたたるみ・しわ改善機器の中で、この分野での国内初の薬事承認取得という位置づけになります。
主な効果は引き締め・小じわの改善・肌質向上で、ダウンタイムはほとんどなく、施術当日から通常の生活が可能なケースがほとんどです。たるみ改善を目的とする場合の治療頻度は、半年〜1年に1回程度が目安とされています。
フラクショナルレーザー・ピコレーザーの特徴
フラクショナルレーザーやピコレーザー系の治療は、上述した3系統とは役割が異なります。これらは「たるみを直接引き上げる・引き締める」治療というより、皮膚のきめ・毛穴・くすみ・瘢痕などを改善し、肌質そのものを底上げする治療として位置づけられています。
フラクショナルレーザーは皮膚に微細な熱傷を無数に作り、その治癒過程でコラーゲンを増生させる仕組みです。CO2フラクショナルレーザーは浸透深度が比較的深く、上まぶたのたるみ改善に用いられることもあります。
なかでも「マドンナリフト」はDEKA社のSmartXideDOTを使用したCO2フラクショナル照射の施術名称であり、まつ毛の生え際付近まで照射できる点が特徴です。
ピコレーザーはナノ秒より短いピコ秒単位のパルスで照射するレーザーで、ピコフラクショナルは真皮への衝撃波(レーザー誘起光音響効果)によってコラーゲン増生を促します。ピコトーニングはより低出力で色素改善やくすみ取りを主目的とした照射モードで、たるみへの直接的な関与は限定的です。
毛穴が縦に引き伸ばされたように見える「たるみ毛穴」に対しては、フラクショナルレーザーやピコフラクショナルが皮膚の質感改善と引き締めの観点から有効な選択肢になり得ます。ただし、筋膜レベルのたるみや顔の輪郭の崩れに対してこれらのレーザー単独で対応しようとすると、期待と結果の間に大きなギャップが生じることになります。
高周波やHIFUによる構造的なアプローチと組み合わせることで、肌表面の質感改善と深部の引き上げ・引き締めを補完する使い方が現実的です。
以下の表に、各照射治療の主な特徴を整理します。
| 治療名 | エネルギー種別 | 主な作用深度 | 主な効果 | ダウンタイム目安 | 効果持続期間目安 | 施術頻度目安 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 高周波(RF) サーマクールFLXなど |
高周波(電磁波) | 真皮深層〜皮下脂肪浅層(約2〜3mm) | 引き締め・コラーゲン増生 | ほぼなし | 6か月〜1年程度 | 3〜6か月に1回 |
| HIFU ウルセラ・ダブロなど |
高密度焦点式超音波 | 真皮〜SMAS筋膜層(1.5〜4.5mm) | 引き上げ・筋膜へのアプローチ | 数時間〜翌日程度 | 半年〜1年程度 | 半年〜1年に1回 |
| 超音波タイトニング ソフウェーブ |
SUPERB™超音波 | 真皮中層(0.5〜2.0mm) | 引き締め・小じわ改善・肌質改善 | ほぼなし | 半年〜1年程度 | 半年〜1年に1回 |
| フラクショナルレーザー ピコフラクショナル |
レーザー光 | 表皮〜真皮浅層 | 肌質改善・毛穴・くすみ | 数日〜1週間程度 | 3〜6か月程度 | 1〜3か月に1回 |
※ダウンタイムや効果持続期間は使用機器の設定・照射範囲・個人差によって大きく異なります。上記はあくまで一般的な目安です。
部位別に見る照射治療の選び方
前章で整理したように、照射治療は使用するエネルギーの種類と到達深度によって、得意とする効果がそれぞれ異なります。この違いを踏まえると、「どの治療を選ぶか」という問いは必然的に「どの部位の、どんなたるみを改善したいか」という問いと切り離せないことがわかります。
同じ「顔のたるみ」であっても、目の下のふくらみと頬の下垂、フェイスラインの崩れとたるみ毛穴では、その原因となる層も、アプローチすべき深さも異なります。
ここでは、部位ごとに多く見られるたるみの性質と、それに対して有効とされる照射治療の方向性を整理します。あくまでも一般的な目安であり、実際の適応は医師による診察と肌状態の評価を経て判断されるべき点はあらかじめ踏まえておく必要があります。
この章のポイント
・部位によってたるみの原因となる層が異なる
・目周囲は皮膚が薄く、治療選択に慎重さが求められる
・頬・フェイスラインにはコンビネーション治療も有効
目の下・上まぶたのたるみに適した治療
目周囲は顔の中でも皮膚が最も薄い部位のひとつで、たるみの原因や性質が他の部位と異なる点が多くあります。
まず目の下と上まぶたとでは、原因も適した治療の方向性も分けて考える必要があります。
目の下のたるみ・ふくらみ
目の下のたるみとして認識されるものの多くは、「眼窩脂肪の突出」が主因です。眼球を保護するためにまぶたの裏側に存在する脂肪(眼窩脂肪)が、加齢によって支持靭帯が緩むことで前方へ押し出されてくることで生じます。いわゆる「目の下のたるみ・ふくらみ」の典型的なパターンです。
この場合、照射治療単独での改善には限界があります。眼窩脂肪の突出という物理的な変化に対しては、余分な脂肪を取り除く「経結膜脱脂術」などの外科的なアプローチが根本的な解決策として位置づけられます。
ただし、脂肪の突出が軽度であったり、皮膚のたるみ・ハリ不足が複合している場合には、高周波(RF)やピコフラクショナルなどの照射治療によって皮膚の質感を整え、ふくらみを目立ちにくくするアプローチが補助的に選択されることがあります。外科処置と照射治療の組み合わせで対応するケースも多く見られます。
また、目の下の「くぼみ(ゴルゴライン)」は眼窩脂肪の突出が上方に見せる影によって生じている場合もあり、この場合はヒアルロン酸などの注入治療が適応となることもあります。照射治療・外科処置・注入治療のどれが適切か、あるいは組み合わせが必要かは、医師による構造的な評価が前提となります。
上まぶたのたるみ
上まぶたのたるみは、余剰皮膚によって目の開きが重くなってきたと感じるパターンが典型的です。外科的には余った皮膚を切除する眼瞼下垂手術や二重手術が根本的な選択肢になりますが、皮膚のたるみが軽度〜中程度の段階では、照射治療による改善の余地があります。
その選択肢のひとつとして挙げられるのが、フラクショナルCO2レーザーを用いた治療(いわゆるマドンナリフト)です。真皮層に微細な熱傷を作り、治癒過程でコラーゲンが増生・収縮することで、薄い上まぶたの皮膚のハリと引き締めを促す効果が期待されています。目の周囲という部位の性質上、出力の設定と照射範囲の判断には高い精度が求められます。
目周囲に限らず、薄い皮膚への照射治療全般に言えることですが、エネルギーの出力が強すぎると色素沈着・瘢痕・神経への影響といったリスクが高まります。施術者の経験と機器の適切な設定が、他の部位にも増して重要になる部位です。
頬・フェイスラインのたるみに適した治療
加齢に伴うたるみの変化として最も訴えが多いのが、頬の下垂とフェイスラインの輪郭の崩れです。若い頃は頬骨の高い位置に存在していた脂肪が下方へ移動し、フェイスラインに沿って余った皮膚がほうれい線やマリオネットラインを形成していくパターンが典型的です。
この部位のたるみは、SMAS筋膜レベルでの緩みが大きく関与していることが多く、照射治療の中ではHIFUが主要な選択肢となります。
SMAS筋膜層(約4〜4.5mm)まで到達できるウルセラなどのHIFU機器は、筋膜を直接加熱・収縮させることで、下方に移動した組織を引き上げる効果を持ちます。フェイスラインのシャープさを取り戻したい、頬の位置を高くしたいという訴えに対して、HIFUが第一選択に挙がりやすい理由はここにあります。
ただし、HIFUだけで頬とフェイスライン全体のたるみをカバーしようとすると、真皮層の引き締め効果が相対的に弱くなる場合があります。そのため、HIFUで筋膜レベルの引き上げを行いつつ、高周波(RF)やソフウェーブで真皮層の引き締め・コラーゲン増生を補うコンビネーション治療が、より包括的な改善を目指す方法として選択されることが多くなっています。
ほうれい線やマリオネットラインそのものは、深いものになると照射治療単独での改善には限界があります。輪郭の崩れに対して照射治療でアプローチしながら、ほうれい線の溝の深さにはヒアルロン酸などの注入治療を組み合わせるという方針が、現実的な選択肢として浮上することもあります。
たるみ毛穴に適した治療
「たるみ毛穴」とは、毛穴が通常の円形ではなく、重力に引っ張られるように縦長・涙型に変形して見える状態を指します。
毛穴の開きや皮脂の詰まりによる毛穴とは原因が異なり、皮膚のコラーゲン減少や真皮のハリ不足によって毛穴周囲の皮膚が支えられなくなることで生じます。鼻の下から頬にかけての部位に出やすく、皮膚を下から引き上げると毛穴の変形が目立たなくなるという特徴があります。
たるみ毛穴に対しては、真皮の質感を改善し、コラーゲンを増生させることを主目的とした照射治療が適しています。具体的にはフラクショナルレーザーやピコフラクショナルが、皮膚表面の引き締めと毛穴周囲の構造改善という観点から有効な選択肢として位置づけられます。ソフウェーブも真皮中層へのアプローチによって肌質改善と引き締め効果が期待でき、たるみ毛穴に対して有効とされるケースがあります。
一方で、毛穴の詰まりや皮脂分泌の過多が重なっている場合は、照射治療に加えてスキンケアや角質ケアを並行して行うことで、より改善しやすくなる場合があります。たるみ毛穴と通常の毛穴開きが混在していることも多く、どちらの要素が主体かによって治療の優先順位が変わってきます。
以下の表に、部位ごとの主な原因と推奨される照射治療の方向性を整理します。
| 部位 | 主な原因 | 推奨される照射治療の方向性 | 補足・注意点 |
|---|---|---|---|
| 目の下(ふくらみ) | 眼窩脂肪の突出・支持靭帯の緩み | RF・ピコフラクショナル(補助的) | 根本改善には外科的脱脂との組み合わせが有効な場合も |
| 上まぶた | 余剰皮膚・真皮の菲薄化 | フラクショナルCO2レーザー(マドンナリフト) | 皮膚が薄く出力管理が重要。重度は外科的手術が適応 |
| 頬・フェイスライン | SMAS筋膜の緩み・脂肪の下垂 | HIFU(第一選択)+RF・ソフウェーブの併用 | ほうれい線の溝にはヒアルロン酸注入の併用も検討 |
| たるみ毛穴(頬・鼻下) | 真皮のコラーゲン減少・皮膚のハリ不足 | ピコフラクショナル・フラクショナルレーザー・ソフウェーブ | 皮脂詰まりが併存する場合はスキンケアとの並行が有効 |
部位と原因を照らし合わせることで、選ぶべき治療の方向性がある程度絞られてくることがわかります。
ただし、実際には複数のたるみが同時に存在していることがほとんどで、どの部位をどの順番で治療するか、複数の機器を組み合わせるかどうかは、カウンセリングの段階で医師と丁寧にすり合わせていく必要があります。
まとめ
たるみは、コラーゲンの減少・SMAS筋膜の緩み・骨格の後退という複数の変化が積み重なって生じます。照射治療はその深部構造にアプローチできる有効な手段ですが、高周波(RF)・HIFU・超音波タイトニング・レーザーはそれぞれ作用する層と効果の性質が異なります。
部位や悩みの内容によって選ぶべき治療も変わるため、「人気の機器」をそのまま選ぶのではなく、自分のたるみの状態と照らし合わせて判断することが求められます。
照射治療は複数の機器を組み合わせるコンビネーション治療として行われることも多く、最適な組み合わせは肌の状態や年齢によって一人ひとり異なります。気になる変化が出てきたと感じたら、まずは専門医によるカウンセリングで現状を把握することが、納得のいく治療への第一歩となるでしょう。
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