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酒さの乾燥はなぜ起きる?保湿の正解と避けるべきケアを徹底解説!

顔の赤みと乾燥が同時に起きているのに、保湿をすると何となく悪化した気がする。酒さと診断されてスキンケアに悩むとき、多くの方がこのような矛盾した感覚に直面します。

「保湿はしっかりと」という声がある一方で「油分は控えるべき」という意見も目にする。どちらが正しいのか判断できないまま、試行錯誤を重ねているとしたら、それは情報の問題ではなく、酒さという疾患そのものの複雑さが背景にあります。

酒さは国際的なシステマティックレビュー(Gether L, et al. Br J Dermatol. 2018)において一般成人の約5.46%に見られると報告されており、珍しい疾患ではありません。にもかかわらず、正確な情報が届きにくく、一般的な乾燥肌と混同されたまま誤ったケアが続いてしまうケースは少なくありません。

ここでは、酒さの肌で乾燥が起きるメカニズムから始まり、保湿の正しい考え方、使用を避けるべき成分、そして医療機関を受診すべきタイミングまでを、日本皮膚科学会の診療ガイドラインや医学的根拠に基づいて順を追って解説します。酒さの乾燥は、正しく理解すれば対処の方向性が見えてきます。

 

 

酒さで肌が乾燥する原因とメカニズム

酒さの乾燥を正しくケアするには、まずその乾燥がなぜ起きているのかを理解しておく必要があります。一般的な乾燥肌と同じ感覚でケアを進めると効果が出ないどころか、悪化することがあるのはこのためです。

酒さにおける乾燥は、皮膚の構造的な問題と慢性的な炎症が複雑に絡み合っており、その成り立ちは根本から異なります。

この章のポイント
・酒さの肌はバリア機能が構造的に低下している
・乾燥肌との決定的な違いは「慢性炎症が根本にある」点
・皮むけの原因は乾燥だけとは限らない

酒さ肌でバリア機能が低下するしくみ

酒さの皮膚では、健常な肌と比べてバリア機能の低下が起きやすいことが複数の研究によって報告されています。具体的には、角層から体外へ蒸散する水分量(経皮水分蒸散量:TEWL)が増加し、それに伴って皮膚の内側から潤いが失われやすい状態が慢性的に続きます。

この背景には、酒さに特有の慢性炎症と神経血管系の機能異常があります。炎症が持続すると、表皮細胞の正常な分化と代謝が乱れ、角層の細胞間脂質の構造的な乱れが生じると考えられています。

セラミドをはじめとする脂質成分は、健常な角層で水分保持の要となる成分ですが、酒さ患者における脂質異常の具体的な機序はまだ研究途上にあります。ただし、皮膚科学的にはこれらの成分を外部から補充することがバリア機能の回復を助ける可能性があるとされており、保湿ケアの根拠のひとつになっています(Maden S. Dermis. 2024;4(3):15 / Baldwin H, et al. J Drugs Dermatol. 2021;20(4):384-392)。

バリア機能が低下した酒さの肌は、外部刺激に対する閾値が下がり、通常なら問題のない洗顔料や保湿剤のわずかな成分でさえも刺激感やヒリつきを引き起こすことがあります。

こうした「肌の過敏化」は、バリア破綻と炎症が互いを悪化させる悪循環によって形成されているとみられています。スキンケアの刺激で症状が出るたびに悪化する、という経験をしたことがある方は、まさにこの悪循環のサイクルに入っている可能性があります。

乾燥肌と酒さに伴う乾燥はどう違うのか

一般的な乾燥肌と酒さに伴う乾燥は、表面的な症状が似ていても、そのメカニズムは大きく異なります。この違いを理解しておかないと、乾燥肌向けの保湿ケアをそのまま酒さに応用してしまい、思わぬ悪化を招くことがあります。

比較項目 一般的な乾燥肌 酒さに伴う乾燥
主な原因 季節・加齢・洗いすぎ等 慢性炎症によるバリア機能低下
赤みの有無 通常なし 持続的な赤みを伴う
皮脂の状態 全体的に少ない 乾燥と脂性が混在する場合がある
保湿の効果 保湿で改善しやすい 保湿だけでは根本解決に至らないことがある
ヒリヒリ感 軽度 強い刺激感を伴う場合が多い
皮むけの性質 乾燥による落屑 炎症に伴う皮むけの場合がある

最も重要な違いは、酒さの乾燥には「慢性炎症」というプロセスが根本に存在するという点です。一般的な乾燥肌であれば、保湿剤を適切に使用することで症状が改善しやすいのに対し、酒さの乾燥は保湿だけでは根本的な解決に至らないことがあります。

また、酒さの肌では乾燥しているように見えても実際には皮脂の分泌が過剰な場合もあり、外見だけから状態を判断することが難しいという特徴もあります。こうした複合的な状態を自己判断で対処しようとすることには、一定のリスクが伴います。

皮むけは乾燥なのか、炎症なのか

酒さの方が経験するカサカサとした皮むけは、必ずしも水分不足が原因とは言えません。酒さの皮むけには、炎症に伴うターンオーバーの異常が関与しているケースがあり、見た目には乾燥のように映っても、皮脂の分泌が過剰な状態と共存していることもあります。

この区別が実際のケアに直結する理由は、対応が真逆になり得るからです。水分不足による乾燥であれば保湿を増やすことが有効ですが、炎症性の皮むけに対して油分の多い保湿剤を増量すると、丘疹や膿疱が悪化するリスクがあります。「保湿したのに改善しない」「むしろ赤みやブツブツが増えた気がする」という経験には、こうした背景が潜んでいることがあります。

皮むけの原因が乾燥なのか炎症なのかを自己判断で見極めることは難しく、誤った判断に基づくケアを重ねることで症状が慢性化することもあります。適切なスキンケアを選ぶためにも、まずは専門医の診察を通じて自分の肌の状態を正しく把握しておくことが出発点になります。

 

酒さの保湿:正しいアプローチとNG成分の見極め方

前章で確認したように、酒さの乾燥は慢性炎症によるバリア機能の低下に起因しています。では実際の保湿ケアはどうあるべきか。

「保湿すべき」という情報と「保湿し過ぎはNG」という情報が混在して見えるのは、どちらも間違いではなく、「何を、どのように使うか」という部分が問われているためです。この章では、その核心を整理します。

この章のポイント
・ガイドライン上、保湿は酒さの全病型に対する基本ケア
・重視すべきは「油分の補給」より「水分の保持」
・ヘパリン類似物質は酒さには注意が必要な成分

保湿は必要、ただし「量」より「選択」が問われる

酒さのスキンケアにおいて、保湿は治療の基盤として位置づけられています。日本皮膚科学会の「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023」でも、すべての病型において低刺激なスキンケアの実施が示されています。ただし、ここで見落とされがちな重要な点があります。

ガイドラインが推奨しているのは「しっかりとした保湿」ではなく、「低刺激な保湿を適切に選択すること」であり、複数の保湿剤を重ね塗りすることで症状を悪化させるケースも明確に注意喚起されています。

保湿剤を多く使えば使うほど肌が安定するという考え方は、一般的な乾燥肌のケアとしては成立しても、酒さにはそのまま当てはまらない場合があります。

丘疹・膿疱型の酒さでは、過度な油分やオクルーシブ(密封)成分が毛穴の閉塞を招き、炎症性皮疹を悪化させるリスクがあるためです。「保湿をしていても改善しない」「むしろ重ねるほど赤みが増す」と感じている方は、保湿剤の量や種類の見直しが必要なサインかもしれません。

保湿の目的は角層に水分を補い、バリア機能を補助することに絞られます。それを達成するために最低限必要な成分と使用量を、皮膚への負担をかけずに届けることが酒さの保湿における原則です。次の見出しでは、成分の種類ごとの特性と酒さ肌への適合性を整理します。

保水と油分補給の違いを理解する

保湿成分には大きく分けて3つの働きがあります。水分を引き寄せて保持する「ヒューメクタント」、水分蒸発を防ぐ皮膜を形成する「エモリエント」、そして物理的に密封して蒸散を防ぐ「オクルーシブ」です。

酒さのケアで優先すべきはこの中の「ヒューメクタント(保水成分)」であり、ここを中心に構成された製品を選ぶことが基本的な考え方になります。

区分 役割 代表的な成分 酒さとの相性
ヒューメクタント(保水) 水分を引き寄せて保持する ヒアルロン酸、グリセリン、アミノ酸 積極的な使用が推奨される
エモリエント(油分補給) 水分蒸発を防ぐ皮膜を形成する スクワラン、ホホバ種子油等 適量なら可。過剰な使用は注意
オクルーシブ(密封) 強力な水分蒸発防止 ワセリン、ミネラルオイル 顔全体への使用は慎重に

エモリエントやオクルーシブ成分が酒さの肌に一切不向きというわけではありませんが、これらを過剰に使用すると毛穴を詰まらせ、炎症性の皮疹を悪化させるリスクがあります。成分表示を見たとき、油性成分が上位に並んでいる製品は酒さの方には合わない可能性があります。

一方、ヒアルロン酸やグリセリンが主体の軽いテクスチャーの化粧水・ジェルタイプの保湿剤は、酒さのケアに取り入れやすい選択肢といえます。

製品を選ぶ際は、アルコール・香料・精油・メントールなどの刺激成分が含まれていないことも必ず確認してください。「保湿成分配合」と表記があっても、これらの成分が同時に入っている製品は酒さの肌には適さないことがあります。

ヘパリン類似物質はなぜ酒さに注意が必要なのか

ヘパリン類似物質(ヘパリノイド)は、医療機関で処方される保湿剤や市販の乾燥肌向けケア製品に広く使われている成分で、高い保湿効果を持つことで知られています。しかし酒さの方には、この成分の使用について注意が必要とする専門医の見解が複数あります。

理由は、ヘパリン類似物質が持つ血行促進作用にあります。酒さにおいて問題となる持続的な赤みや炎症反応は、血管の拡張や反応性の亢進と深く関わっています。血行を促進する作用のある成分を使用することで、この赤みが増悪する可能性が指摘されており、特に紅斑毛細血管拡張型の酒さを持つ方は慎重な対応が求められます。

酒さとは別の疾患のためにヘパリン類似物質を処方されている場合も含め、酒さの診断を受けている方は使用前に医師や薬剤師に確認することが望ましい対応です。「保湿剤として一般的な成分だから問題ない」と判断せず、疾患の特性に合わせた成分選びを意識してください。

 

酒さの乾燥を防ぐ具体的なスキンケア手順

保湿の考え方が整理できたところで、実際の日常ケアに落とし込んでいきます。どれだけ適切な成分の製品を選んでも、使い方や順番、タイミングが正しくなければ効果は十分に発揮されません。

この章では洗顔から保湿、紫外線対策、季節ごとの対応まで、酒さの肌に適したスキンケアの具体的な手順を整理します。

この章のポイント
・洗顔は「摩擦ゼロ」と「適切な温度」が最優先
・セラミド・ナイアシンアミドなど根拠のある成分を選ぶ
・紫外線対策は季節を問わず年間を通じた習慣にする

洗顔のポイント

洗顔は、スキンケアの中で最も摩擦と刺激が生じやすいステップです。酒さの肌にとって摩擦は炎症を直接悪化させる要因になるため、洗顔の方法は保湿剤の選択と同じくらい重要な位置を占めます。

以下の点を日常的に意識してください。

  • ぬるま湯(32〜35℃程度)で泡立てた低刺激洗顔料を使用する
  • 泡を肌の上で転がすように洗い、指や手のひらで直接こすらない
  • すすぎは十分に行い、洗顔料の残留がないようにする
  • スクラブ洗顔・洗顔ブラシ・電動クレンザーは使用しない
  • メイクはクレンジングが不要な程度の薄づきにとどめることが望ましい

洗顔時のお湯の温度について補足しておきます。熱いお湯は皮膚の血管を拡張させ、酒さの赤みを増悪させる一因になります。

一方で冷水も刺激になり得るため、32〜35℃程度のぬるま湯が現実的な選択肢です。冬場に「冷たいから少し温度を上げる」という行動が習慣化しやすいため、意識的に温度を確認することをお勧めします。

保湿のポイントと推奨成分

洗顔後は速やかに保湿を行うことが基本です。角層の水分は洗顔直後から急速に蒸散していくため、洗顔を終えたらタオルで押さえるように水分をオフし、できるだけ時間を置かずに保湿剤を塗布してください。

酒さの乾燥ケアに適した成分を以下に整理します。

成分名 主な作用 酒さへの有用性 注意点
セラミド バリア機能の補強 低下した角質細胞間脂質を補い、バリア構造の修復を助ける 特になし。積極的な使用が望まれる
ナイアシンアミド(ビタミンB3) セラミド合成促進・抗炎症 赤みの軽減とバリア機能の改善が期待できる 高濃度(20%以上)では刺激を感じる場合がある
ヒアルロン酸 水分保持 保水力を高め、角層の水分量をサポートする 特になし
グリセリン 吸湿・保水 シンプルな保水成分として刺激が少なく使いやすい 特になし
アゼライン酸 抗炎症・抗酸化 丘疹・膿疱の改善。米国FDAで酒さ治療薬として承認(15%ゲル) 使い始めに一時的な刺激感を覚えることがある

アゼライン酸については補足が必要です。米国では丘疹膿疱型酒さの治療薬として15%ゲルがFDAに承認されており、抗炎症・抗酸化作用の根拠が確立した成分ですが、日本では医薬品としての薬事承認がなく保険適応もありません。

国内では化粧品または医療機関専売品として流通しており、使用を検討する場合は専門医への相談を経て選択することが望ましいです。

保湿剤全般に共通する注意点として、成分表示にアルコール・香料・精油・メントールなどが含まれている製品は酒さの肌に刺激になる可能性があります。「敏感肌向け」「低刺激」と表記された製品であっても、これらの成分が配合されているケースがあるため、表示を確認する習慣を持つことが大切です。

紫外線対策の重要性

紫外線は酒さの主要な悪化因子のひとつに挙げられています。紫外線が皮膚の炎症反応を誘発・増悪させることは複数の研究で示されており、曇りの日や室内にいる時間帯でも一定量の紫外線は届くことを踏まえると、季節を問わず年間を通じた対策が必要です。

日焼け止めを選ぶ際のポイントは以下の通りです。

  • SPF30以上・PA++以上を目安にする
  • アルコール・香料・着色料などの刺激成分が含まれていないことを確認する
  • 紫外線吸収剤(ケミカルフィルター)が刺激になる場合は、紫外線散乱剤のみを使用したノンケミカル処方を選ぶ

日焼け止め自体がどうしても刺激になるという場合は、帽子・日傘・フェイスカバーなど物理的な遮光手段との併用について専門医に相談してください。いずれの方法をとるにしても、紫外線対策を省略することは酒さのコントロールにおいて大きなリスクになります。

季節・環境別の注意点

酒さの悪化因子は紫外線だけではなく、気温や湿度の変化、生活環境も深く関わっています。季節ごとのリスクを把握しておくことが、症状の増悪を未然に防ぐことにつながります。

冬の注意点

暖房による室内の乾燥と、外気との急激な寒暖差が酒さを悪化させやすい環境です。室内湿度を50〜60%程度に保つことを意識し、暖房の風が直接顔に当たらないよう工夫することも有効です。

外出時には、冷たい外気に顔が直接さらされないようスカーフやマスクで保護することを検討してください。

夏の注意点

紫外線量の増加と発汗による刺激・摩擦が悪化因子になります。汗をかいた場合はこすらずにやさしくオフし、日焼け止めは汗で落ちることを考慮してこまめに塗り直す習慣が必要です。

冷房の効いた室内と屋外の温度差も酒さの引き金になる場合があります。

マスク着用時の注意点

不織布マスクの内側で生じる蒸れと摩擦は、酒さを悪化させる要因として近年注目されています。マスクの内側に柔らかいガーゼや綿素材を当てることで摩擦を軽減できる場合があります。

長時間の着用が避けられない環境では、可能な範囲で定期的にマスクを外し、肌を休める時間を設けることも対策のひとつです。

 

セルフケアで改善しない場合の治療

正しいスキンケアを続けることは酒さのコントロールに欠かせませんが、セルフケアだけで対応できる範囲には限界があります。症状の程度や病型によっては、医療機関での治療を並行して進めることが症状改善の近道になります。

この章では、医療機関を受診すべき判断の目安と、実際に受けられる治療の概要を整理します。

この章のポイント
・2週間改善がなければ受診を検討する目安になる
・治療薬ごとに乾燥への影響が異なる
・酒さは長期的なコントロールを前提に医師と関わる

セルフケアで限界を感じるサイン

以下のいずれかに当てはまる場合は、セルフケアだけで対応するのが難しい状態と考えられます。受診のタイミングを判断する目安として参考にしてください。

  • 適切なスキンケアを2週間以上継続しても、乾燥・赤み・皮むけに改善がみられない
  • 保湿剤を塗布しても、ヒリヒリ・ピリピリした刺激感が続く
  • 赤みに加えて、ニキビのような丘疹や膿疱が出現・持続している
  • ステロイド外用薬を長期間使用してきた経緯がある(酒さ様皮膚炎との鑑別が必要)

特にステロイド外用薬の長期使用については注意が必要です。ステロイドを長期間使用することで酒さと非常によく似た症状が現れる「酒さ様皮膚炎」という状態があり、この場合は酒さそのものとは治療の方針が異なります。

自己判断でステロイドを使い続けることはリスクを伴うため、心当たりがある場合は早めに専門医を受診してください。

皮膚科で用いられる治療と乾燥との関係

酒さに対して皮膚科で処方される薬剤や施術には、それぞれ乾燥への影響が異なります。治療を受けながら保湿ケアを継続することが重要な理由も、ここに関わっています。

治療法 種別・保険 主な対象 乾燥への影響
メトロニダゾールゲル(ロゼックスゲル) 外用薬・保険適用(2022年5月〜) 丘疹・膿疱型 乾燥・つっぱり感の副作用報告あり。保湿との併用が推奨される
テトラサイクリン系抗菌薬(ドキシサイクリン・ミノサイクリンなど) 内服薬・保険適用外(適応外使用) 丘疹・膿疱型 直接的な乾燥作用は少ないが、皮膚の菌叢バランスへの影響に注意
アゼライン酸 外用薬・日本では薬事未承認・自費 丘疹・膿疱型・紅斑 初期に一過性の刺激感・乾燥感が出ることがある
IPL・レーザー治療 光治療・基本的に自費 紅斑・毛細血管拡張型 照射後に一時的な乾燥感・炎症反応が生じる場合がある

現在、日本で酒さに対して保険適用が認められている薬剤は、メトロニダゾールゲル(ロゼックスゲル0.75%)のみです。

2022年5月の保険適用以前は自費での処方が一般的でしたが、現在は医師から酒さと診断された場合に保険処方が可能になっています。国内臨床試験では12週間の有効性と安全性が確認されており、それを超えて使用する場合は医師による継続の必要性の判断が求められます。

テトラサイクリン系抗菌薬(ドキシサイクリン・ミノサイクリンなど)については、ガイドライン2023において「本邦でのエビデンスが乏しいため選択肢の一つとして推奨する(推奨度C1)」と位置づけられており、酒さに対しては保険適用外の適応外使用となります。

実臨床では著効することも多く、ロゼックスゲルとの併用で処方されるケースもあります。アゼライン酸は米国では酒さに対してFDAが承認した15%外用ゲルが存在しますが、日本では医薬品として薬事未承認のため保険適用はなく、自費診療となります。

いずれの治療を選択するにしても、治療中の乾燥ケアは欠かせません。薬剤の使用で皮膚が乾燥しやすくなる場合は、使用タイミングをずらすなどの工夫を医師に相談しながら進めていくことが現実的な対応となります。

専門医を受診する際のポイント

酒さはアトピー性皮膚炎・脂漏性皮膚炎・接触皮膚炎など、症状が類似した疾患と見分けることが難しく、正確な鑑別診断には一定の経験が求められます。可能であれば、酒さの診療実績が豊富な専門医を選ぶことが、治療の精度を高めることにつながります。

受診時に伝えておくと診療がスムーズになる情報としては、症状が始まった時期や経過、現在使用しているスキンケア製品の内容、過去にステロイドを使用していた場合はその期間と頻度などが挙げられます。特に使用中の製品については、成分表示がわかるものをスマートフォンで撮影しておくか、実物を持参することをお勧めします。

治療の期間については、数カ月から場合によっては年単位での継続が必要になることを最初から想定しておくことが大切です。酒さは症状が増悪と緩解を繰り返しながら慢性的に経過する疾患であり、「一定期間で完治する」ものではありません。

治療ゴールを「完治」ではなく「症状のコントロール」に置き、医師と長期的な視点で関わっていく姿勢が、結果的に生活の質の向上につながります。また、保険診療で対応できる治療の範囲と、自費診療になる治療の範囲については、初診時に確認しておくと後々の判断がしやすくなります。

 

酒さと乾燥に関するよくある疑問

ここまで酒さの乾燥のメカニズムからスキンケアの手順、医療的治療の概要まで解説してきました。最後に、酒さの乾燥ケアを進める中で多くの方が抱く疑問について、改めて整理しておきます。

些細に見えても、こうした疑問を放置したまま誤った対応をとることが、症状の長期化につながることがあります。

酒さの乾燥に市販の保湿クリームは使えるのか

結論から言えば、成分次第では使用できる場合があります。セラミド・ヒアルロン酸・グリセリンなどの保水成分を主体とし、アルコール・香料・精油・メントールなどの刺激成分が含まれていない製品であれば、選択肢のひとつになり得ます。

ただし、「敏感肌向け」「低刺激処方」と表記されていても、酒さの肌に合わない成分が配合されているケースは珍しくありません。購入前に成分表示を確認する習慣を持つことが前提になります。また、はじめて使用する製品は顔全体に一度に広げず、首元や耳の後ろなど目立たない部位で少量を試してから使用することをお勧めします。

使用後に赤みや刺激感が増した場合は速やかに使用を中止し、症状が続くようであればクリニックを受診してください。市販品で対応できる範囲には限界があり、症状が安定しない場合は医療機関での診断をもとに処方品を選ぶ方が確実です。

酒さにワセリンは使ってよいのか

ワセリンは刺激成分を含まない素材として知られており、アレルギーを引き起こしにくい点では安全性の高い選択肢のひとつです。しかし酒さの方が顔全体に使用することには慎重な判断が求められます。

理由はワセリンが持つ強い密封効果(オクルーシブ作用)にあります。顔全体を厚くコーティングすることで毛穴が詰まりやすくなり、酒さの炎症性皮疹である丘疹や膿疱を悪化させる可能性があります。

唇や目元など乾燥しやすい部位への部分的な使用は許容される場合もありますが、頬や鼻まわりなど酒さの症状が出やすい部位への使用は避けるか、使用する場合は専門医に相談の上で判断することをお勧めします。

酒さによる乾燥は完治するのか

酒さは慢性炎症性疾患であり、現時点では「完全に治癒する」疾患ではないとされています。症状が長期にわたって持続し、増悪と緩解を繰り返すことが一般的な経過です。この点を踏まえると、ケアや治療のゴールを「完治」に置くことは現実的ではなく、「症状をコントロールしながら生活の質を維持する」ことを目標に据える姿勢が長期的には有効です。

一方で、適切な治療とスキンケアを継続することで、乾燥や赤みを大幅に軽減できる可能性は十分にあります。症状が安定している時期が長くなること、悪化した際に回復しやすくなること、これらを積み重ねていくことが酒さとの付き合い方の実際です。

完治しないからといってケアを諦める必要はなく、正しい知識を持って継続することが症状コントロールの鍵になります。現在のケアに行き詰まりを感じているときや、症状が安定しない時期が続くときは、一人で抱え込まず専門医に相談することを検討してください。

 

まとめ

酒さに伴う乾燥の本質は、慢性炎症によるバリア機能の低下にあります。一般的な乾燥肌と似た症状であっても、そのメカニズムは根本的に異なるため、ケアのアプローチも変える必要があります。

保湿は日本皮膚科学会のガイドラインでも推奨されている基本ケアですが、セラミドやヒアルロン酸などの保水成分を主体とするシンプルな構成を選び、油分過多の製品やヘパリン類似物質を避けることが、悪化リスクを下げる上でのポイントです。

紫外線対策を年間を通じて継続し、洗顔の摩擦を最小限にする習慣を積み重ねることが、症状コントロールの土台になります。セルフケアを2週間以上続けても改善が見られない場合や、丘疹・膿疱を伴う炎症がある場合は、専門医への相談が適切な次のステップです。

酒さは症状が波を打ちながら長期にわたって続く慢性疾患ですが、正確な診断と継続的なケアによって症状をコントロールしていくことは十分に可能です。当院では酒さの診療に対応していますので、乾燥やスキンケアのお悩みはお気軽にご相談ください。

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