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糖質は1日何グラムまで?目安量と減らしすぎの境界

糖質の1日の目安は、身体活動量がふつうの成人で、女性がおよそ230~320g、男性がおよそ300~430gです。ただしこれは、国が糖質の量として定めた数値ではありません。日本人の食事摂取基準に定められているのは炭水化物と食物繊維の基準のみで、「糖質」という区分の基準は存在しないためです。

炭水化物には、生活習慣病の予防のために目指す量として「目標量」が設けられており、1歳以上の男女ともエネルギー全体の50~65%とされています。冒頭の目安は、この炭水化物の量から食物繊維の目標量を差し引いて求めたものです。

ここでは、目安量の求め方、日本人の実際の摂取量との比較、減らす場合に下回らない方がよい水準、食品選びの具体的な手順までを、公的データと臨床研究に基づいて整理したものです。自分の体格に合った数値を1つ持っておくと、今日の食事のどこを調整すればよいかを判断しやすくなります。

 

 

糖質の1日の目安量は体格と活動量で決まる

糖質の1日の目安量に、性別・年齢を問わない一律の正解はありません。推定エネルギー必要量(性別・年齢・活動量ごとに国が示している、1日に必要なエネルギーの目安)から炭水化物の量を計算し、そこから食物繊維の量を差し引くことで、自分の体格に合った範囲を求められます。

この章では、公的基準に存在するのが炭水化物の基準であって糖質の基準ではないという前提と、実際の計算手順を確認します。

この章のポイント
・糖質単独の公的基準は存在しない
・炭水化物の目標量から逆算して求める
・年齢や活動量で目安の幅が変わる

年齢・性別・活動量ごとの目安量は、次の表のように整理できます。

区分 18~29歳女性 30~49歳女性 18~29歳男性 30~49歳男性
推定エネルギー必要量 1,950kcal 2,050kcal 2,600kcal 2,750kcal
炭水化物の目安量 244~317g 256~333g 325~423g 344~447g
糖質のおおよその目安 226~299g 238~315g 305~403g 322~425g

表の数値は身体活動レベルがふつうの場合の目安で、幅を持った範囲であり1gの精度で管理する数値ではありません。糖質の行は、炭水化物の目安量から食物繊維の目標量を差し引いた換算値です。

公的基準にあるのは炭水化物の量

日本の食事摂取基準に定められているのは炭水化物と食物繊維の基準であり、糖質という区分の基準はありません。

炭水化物は、エネルギー源になる糖質と、消化酵素で消化できない食物繊維からなります。つまり糖質はおおよそ「炭水化物−食物繊維」で求められる量です。炭水化物の目標量は1歳以上の男女とも50~65%エネルギーで、妊婦・授乳婦でも同じ水準に設定されています。

インターネットで見かける「糖質は1日◯gまで」という数値の多くは、この炭水化物の基準からの換算値か、特定の制限食で使われている水準のいずれかであり、糖質そのものに公的な基準があるわけではない点をまず押さえておく必要があります。

エネルギー必要量から糖質量を求める

糖質のおおよその量は、「推定エネルギー必要量×50~65%÷4kcal」で炭水化物量を出し、そこから食物繊維の目標量を引く2段構えで計算できます。4kcalで割るのは、炭水化物1gが約4kcalにあたるためです。

たとえば1日2,000kcalを消費する場合、炭水化物の目安量はおよそ250~325gになります。ここから食物繊維の目標量(男性は18~29歳で20g以上、30~64歳で22g以上、女性は18g以上)を差し引くと、糖質のおおよその目安になります。

身体活動レベルがふつうの成人であれば、女性は1,950~2,050kcal程度、男性は2,600~2,750kcal程度の推定エネルギー必要量が目安になり、上の表の数値もこの計算式から導いています。電卓があれば自分の消費エネルギーからも同じ手順で概算できます。

年齢と性別で目安が変わる理由

目安が年齢や性別で変わるのは、糖質そのものの必要量が変わるからではなく、土台となる推定エネルギー必要量が変わるためです。

同じ年齢でも、身体活動レベルが低いか高いかで消費エネルギーには数百kcal単位の差が生じ、その分だけ炭水化物と糖質の目安量も上下します。なお脳はブドウ糖を主なエネルギー源としており、脳だけで1日に120g程度のブドウ糖を消費するとされています。

この生理的な必要量があるため、糖質には下回らない方がよい水準が存在し、詳しくは後の章で扱います。ここで押さえておきたいのは、目安はあくまで幅を持った範囲であり、1g単位で厳密に管理するような性質の数値ではないという点です。

まずは表の中から自分の年齢・性別・活動量に近い行を1つ選び、目安となる数値を確認してみてください。

 

日本人が実際に摂っている糖質の量

目安となる範囲を確認したところで、次に気になるのは自分の摂取量が多いのか少ないのかという位置です。厚生労働省の調査からは、日本人が実際にどれくらいの炭水化物と食物繊維を摂っているかがわかります。

この章では実測値と目安量を並べ、摂りすぎているのか、それとも別の栄養素が不足しているのかを確認します。

この章のポイント
・炭水化物の平均は男性267g・女性219g程度
・炭水化物比率はすでに基準の範囲内
・不足しているのはむしろ食物繊維

令和6年の調査でわかる実際の摂取量

令和6年国民健康・栄養調査では、18,457人を対象にした食事記録から、炭水化物の平均摂取量が男性267.0g、女性219.0gと報告されています。

同じ調査の食物繊維摂取量(男性18.8g、女性16.7g)を差し引くと、糖質のおおよその量は男性で約248g、女性で約202gという計算になります。年代別に見ると、20~29歳女性は炭水化物213.7g、30~39歳女性は212.5gと、全体平均よりやや低めの水準です。

一方で男性は20~29歳が275.1g、30~39歳が279.5gとなっており、若い世代だからといって摂取量が一律に少ないわけではなく、性別による傾向の違いの方が大きいことがうかがえます。ただしこの調査は1日分の食事記録に基づく平均値であり、個人が日々どれくらい食べているかという習慣的な摂取量とは必ずしも一致しない点には注意が必要です。

炭水化物エネルギー比率は基準の範囲内

炭水化物エネルギー比率は男性56.9%、女性54.9%で、目標量である50~65%の範囲内に収まっています。

グラム数だけを見て「摂りすぎている」と判断するのは、エネルギー全体の中での位置を見落とした読み方といえます。体重の増減は、糖質を含む炭水化物の摂取量だけでなく、総エネルギー量や身体活動量とのバランスで決まるため、グラム数の多寡だけを切り離して評価することはできません。

一方で、20~60歳代男性の肥満者(BMI25以上)は34.0%、40~60歳代女性の肥満者は20.2%にのぼり、体格の課題自体は存在しています。ただし20~30歳代女性ではやせ(BMI18.5未満)が16.6%を占めており、体重の課題は炭水化物比率だけで一律に説明できる構造ではありません。

不足しているのは糖質より食物繊維

実測値を見ると、多くの人が不足しているのは糖質ではなく食物繊維です。

食物繊維の目標量は30~64歳男性で22g以上、同年代の女性で18g以上ですが、実際の平均摂取量は男性18.8g、女性16.7gと、いずれも目標量に届いていません。世界保健機関は成人に対して1日25g以上の食物繊維と、野菜・果物を合わせて400g以上を摂ることを推奨しています。

主食を減らすと糖質と同時に食物繊維も減ってしまうため、不足がさらに深まる可能性があります。糖質を減らす前に、まずは食物繊維が足りているかどうかを確認しておく方が、優先順位としては理にかなっています。

自分の直近の食事内容を思い出し、野菜・海藻・豆類がどのくらいあったか一度書き出してみると、平均値との差がつかみやすくなります。

 

糖質を減らすときに守りたい下限

実測値を見る限り、集団全体として糖質を大きく減らす必要があるわけではないことがわかりました。それでも制限を検討する場合に知っておきたいのが、下回らない方がよい水準です。

この章では、よく見かける130gという数字の正体と、下げすぎることで生じるリスクを整理します。

この章のポイント
・130gは上限ではなく米国の推奨量
・炭水化物40%未満の男性で死亡リスク上昇
・同じカロリーなら減量幅の差は小さい

糖質量の水準ごとの位置づけは、次のように整理できます。

区分 130g未満 130g前後 200g前後 230~320g
位置づけ 米国の推奨量を下回る 米国の推奨量の水準 日本人女性の平均に近い 目標量の範囲(女性)
注意する点 自己判断で行わない 栄養の偏りに注意 質の見直しが中心 活動量で調整

数値はいずれも目安であり、体格や活動量によって当てはまり方は変わります。

130gは上限ではなく米国の推奨量

130gという数字は、糖質を減らす際の上限ではなく、米国の食事摂取基準で推奨量として設定された数値です。

米国の食事摂取基準では、1歳を超える小児とすべての年齢・性別の成人を対象に、炭水化物の推奨量が1日130gと定められています。これは脳が必要とするブドウ糖の推定量に基づいて決められたもので、妊娠中は175g、授乳中は210gへと引き上げられます。

推奨量は、ほとんどの人の必要量を満たすように設定された量で、平均的な必要量(推定平均必要量)は1日100gとされています。こうした性格上、130gを「制限の上限」として扱う使い方には無理があります。なお日本の食事摂取基準には炭水化物の推奨量そのものが設定されていないため、130gを日本の基準値として扱うことはできません。

40%を下回る男性で死亡リスクが高い傾向

日本人を対象にした大規模な研究では、炭水化物からのエネルギーの割合が40%を下回る男性は、亡くなるリスクが高い傾向が報告されています。

全国の複数の施設で35~69歳の男性34,893人・女性46,440人の食事を調べ、平均8.9年追跡した研究では、炭水化物の割合が50~55%の男性と比べて、40%未満の男性は、年齢や生活習慣の違いを調整したうえで、期間中に亡くなるリスクが約1.6倍でした。海外の大規模な追跡研究と、複数の研究結果を統合した分析でも、炭水化物の割合が50~55%前後で死亡リスクが最も低く、低すぎても高すぎてもリスクが上がるU字型の関連が報告されています。

ただし、いずれも食事と死亡の関連を観察した研究であり、炭水化物を減らしたことが原因で死亡リスクが上がったと証明したものではありません。また女性では、炭水化物が多い側でリスクが高い傾向が見られたものの、偶然によるものと区別できるほどの差ではありませんでした。

糖質を減らしても減量幅は大きく変わらない

低炭水化物食に切り替えても、バランス型の食事と比べた体重減少の差は、実はそれほど大きくありません。

くじ引きで食事法を割り振って比べた試験61件・6,925人分を一定の手順で集めて評価したレビューでは、摂取エネルギー量を同程度にそろえたうえで、低炭水化物食とバランス型の食事を比べています。2型糖尿病のない参加者での体重減少の差は、3~8.5か月の短期で約1.07kg、1~2年の長期で約0.93kgにとどまり、この結果の確からしさは中程度と評価されています。

2型糖尿病のある参加者に絞った長期の差はさらに小さく、約0.33kgでした。血圧、過去1~2か月の血糖の平均を反映するHbA1c、LDLコレステロールの変化についても、2年までの期間では両者に大きな差は見られていません。ただし最長の試験期間は2年であり、それを超える期間の差や安全性についてはわかっていません。

つまり、同じカロリーを減らすのであれば、糖質を削る方法でも、バランスを保って全体量を減らす方法でも、体重の落ち方に大きな違いはないということです。糖質量を大きく削る以外にも、総エネルギー量を整える、脂質の質を見直す、食物繊維や全粒穀物を増やす、身体活動量を増やすといった選択肢があり、続けやすさを基準に選んでよい段階といえます。

大きく減らす前に、自分の炭水化物エネルギー比が表のどのあたりに近いか、直近の食事内容から見積もっておくと判断の基準になります。

 

糖質は量だけでなく質で選ぶ

量についての整理はここまでで一通り済みました。ここからは、同じグラム数でもどこから摂るかによって意味合いが変わるという、質の視点に移ります。

主食の数え方と栄養成分表示の読み方を押さえておくと、日々の食事で計算をしなくても判断できるようになります。

この章のポイント
・主食は「つ(SV)」を単位に数えられる
・成分表示は単位と種類の確認が先
・減らすなら主食より甘い飲料や菓子から

主食1食分あたりの目安は、次のように整理できます。

区分 ごはん普通盛り1杯 おにぎり1個 食パン1枚 うどん1杯
主食の「つ(SV)」 1.5つ 1つ 1つ 2つ
炭水化物のおよその量 約60g 約40g 約40g 約80g

炭水化物のおよその量は「つ」×約40gで求めた概算値であり、実際の含有量は調理法や量によって前後します。

主食の量から糖質を数える手順

国の「食事バランスガイド」では、料理の量を「つ(SV:サービング)」という単位で数えます。主食1つ(SV)は炭水化物およそ40gにあたり、これを単位に数えると毎食の計算をせずに概算できます。
自宅でできる手順は、一例として次の3ステップに整理できます。

  1. 今日食べた主食を「つ」で数える(ごはん普通盛りは1.5つ、麺類1杯は2つ、パン1枚は1つ)
  2. 合計した「つ」の数に約40をかけ、主食由来の炭水化物量を出す
  3. 1日の主食の目安(1,800±200kcalで4~5つ、2,200±200kcalで5~7つ)と照らし合わせる

主食由来だけでは1日の目安量に届かない分は、野菜・果物・乳製品・調味料などから入ってきます。この方法はあくまで概算の目安であり、医学的な診断に代わるものではありません。

栄養成分表示から糖質量を読み取る

栄養成分表示を確認するときは、まず「炭水化物」表記か「糖質」表記かを見分けることが直接の答えになります。

加工食品の表示は、「炭水化物」としてまとめて記載されている場合と、「糖質」「食物繊維」に分けて記載されている場合があります。炭水化物だけが書かれている場合は、その数値を糖質のおおよその上限として見ておく読み方が実務的です。

あわせて、内容量あたりの表示なのか、100gあたりの表示なのかによって数値の意味が変わるため、まずは単位の確認が先になります。たとえば同じ「炭水化物30g」という表記でも、1食分あたりの数値であれば実際に食べる量そのままの目安になりますが、100gあたりの数値であれば、パッケージ全体の内容量を確認して掛け算し直す必要があります。

毎回すべての商品を確認するのではなく、よく購入する定番の商品だけ一度確認して覚えておく運用でも十分に役立ちます。

減らすなら甘い飲み物と菓子から

糖質を減らす順番として優先度が高いのは、主食よりも甘い飲み物や菓子です。

世界保健機関は、成人・小児ともに遊離糖類の摂取を総エネルギーの10%未満に、できれば5%未満(1日およそ25g程度)まで減らすことを推奨しています。1日2,000kcalの場合、10%はおよそ50gに相当する計算です。

遊離糖類には清涼飲料や菓子に加えられた糖類のほか、はちみつ・シロップ・果汁が含まれますが、生鮮の野菜・果物や牛乳に自然に含まれる糖類は対象に含まれません。同機関は炭水化物を主に全粒穀物・野菜・果物・豆類から摂ることも推奨しており、この考え方に沿うなら、主食を削るよりも糖類の多い飲料や菓子を見直す方が優先順位は高いといえます。

よく飲む飲料やよく買う菓子を1つ選び、パッケージの栄養成分表示を確認してメモしておくと、次回からの判断が早くなります。

 

自己判断で糖質を減らさない方がよい人

ここまでの計算や数値は、健康な成人を前提にしたものです。治療中の持病がある方や、妊娠中・成長期、高齢の方には、同じ考え方をそのまま当てはめられない場合があります。

最後に、自己判断で糖質量を調整する前に医療者へ相談したほうがよいケースを整理します。

この章のポイント
・治療中は主治医の判断が優先される
・妊娠中や成長期は減らす調整を行わない
・高齢者は体重減少の連鎖に注意する

糖尿病や腎臓の治療を受けている場合

血糖を下げる薬やインスリンを使用している場合、自己判断で糖質量を減らすと、薬の量と食事の量の釣り合いが崩れ、血糖が下がりすぎる低血糖を起こすおそれがあるため、調整は主治医への相談が前提になります。

特に、尿から糖を排出させるタイプの薬(SGLT2阻害薬)を服用中に極端な糖質制限を行うと、血糖値が高くないまま血液が酸性に傾く「ケトアシドーシス」という危険な状態を招くことがあり、日本糖尿病学会も注意を呼びかけています。

腎機能に不安がある場合は、糖質を減らすとその分たんぱく質や脂質の割合が上がりやすく、治療方針で定められた栄養素全体の配分と衝突することがあります。減らしている途中で強い疲労感や、判断力の低下、注意力の散漫といった状態が続く場合は、いったん元の量に戻したうえで医療機関に相談することが望ましい対応です。

糖質量を含めた食事全体の調整は、体調や検査値の推移を見ながら段階的に進める性質のものであり、記事や一般的な目安だけを根拠に自己完結させるべきではありません。治療内容の変更も含め、主治医と管理栄養士が第一の相談先になります。

妊娠中・授乳中と成長期の子ども

妊娠中・授乳中は、炭水化物の必要量が非妊娠時よりも増える時期であり、減らす方向の調整はそもそも想定されていません。

米国の食事摂取基準では、炭水化物の推奨量が妊娠中は1日175g、授乳中は1日210gへと引き上げられています。日本の食事摂取基準でも、炭水化物の目標量は妊婦・授乳婦とも50~65%エネルギーで、非妊娠時と同じ水準です。成長期の子どもは体格に対してエネルギー必要量が大きく、主食を減らす調整は成長そのものに影響しうるため行うべきではありません。

保護者が「糖質を控えた方が健康によい」という一般的な情報だけで子どもの主食量を制限するのではなく、成長曲線や食事内容全体を踏まえた判断が必要です。妊娠中の食事の調整が必要な場合は、産科の主治医と管理栄養士に相談してください。

高齢者と体重が減りやすい人

高齢者であっても炭水化物の目標量は50~65%エネルギーで変わりませんが、食欲そのものが落ちやすい時期でもあるため、主食を減らす調整は総エネルギー量の不足に直結しやすいという特徴があります。

先の章で見た20~30歳代女性のやせが16.6%という状況も踏まえると、もともと体重が少なめの人に、さらに減らす方向の調整を行うのは適さない場合があります。高齢期に主食を含めた食事量が全体的に減ると、エネルギー不足から筋肉量や体力の低下につながりやすく、結果として日常生活の動作にも影響が及ぶことがあります。

体重が意図せず減っている、あるいは食事量そのものが落ちているという状態がある場合は、糖質量の調整よりも先に医療機関へ相談する方が優先順位の高い対応です。気になる症状や体重の変化がある場合は、数値を自分で決める前に、まず医療機関の相談窓口に予約を入れることをおすすめします。

 

まとめ

糖質の1日の目安量は、推定エネルギー必要量に炭水化物の目標量50~65%をかけ、そこから食物繊維の目標量を差し引くことで求められます。日本人の平均的な摂取量や炭水化物エネルギー比率を見る限り、多くの人にとって集団全体で大きく減らす必要がある状況ではなく、むしろ食物繊維の不足の方が目立つ実態があります。

実務的な行動としては、次の3点に集約できます。

  • 自分の年齢・性別・活動量に合う目安数値を1つ持つ
  • 130gを下回る調整は自己判断で行わない
  • 減らす場合は主食より甘い飲み物や菓子から見直す

一方で、治療中の持病がある方、妊娠中・授乳中、成長期のお子さん、高齢の方は、一般的な目安をそのまま当てはめられない場合があるため、数値を自己判断で決める前に医療者へ相談することが優先されます。

体重や食事の内容を含め、生活習慣全体をウェルビーイングの観点から見直したいという場合は、まずは自分に合った目安を確認するところから始めてみてください。

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参考文献・出典

  • 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(2024年公表、2025年度から適用。炭水化物の目標量は1歳以上で50~65%エネルギー。食物繊維の目標量は男性18~29歳20g以上・30~64歳22g以上、女性18g以上)
  • 厚生労働省「令和6年国民健康・栄養調査結果の概要」(2025年公表。炭水化物・食物繊維の平均摂取量、炭水化物エネルギー比率、肥満・やせの割合)
  • 厚生労働省・農林水産省「食事バランスガイド」(2005年。主食1つ(SV)は炭水化物約40g)
  • Institute of Medicine「Dietary Reference Intakes for Energy, Carbohydrate, Fiber, Fat, Fatty Acids, Cholesterol, Protein, and Amino Acids」(2005年。成人の炭水化物の推定平均必要量100g、推奨量130g。妊娠中175g、授乳中210g)
  • Tamura T ほか「Dietary Carbohydrate and Fat Intakes and Risk of Mortality in the Japanese Population: the Japan Multi-Institutional Collaborative Cohort Study」The Journal of Nutrition(2023年。35~69歳の男性34,893人・女性46,440人を平均8.9年追跡。炭水化物40%未満の男性は50~55%の男性と比べ総死亡のハザード比1.59)
  • Seidelmann SB ほか「Dietary carbohydrate intake and mortality: a prospective cohort study and meta-analysis」The Lancet Public Health(2018年)
  • Naude CE ほか「Low-carbohydrate versus balanced-carbohydrate diets for reducing weight and cardiovascular risk」Cochrane Database of Systematic Reviews(2022年。61試験・6,925人。エネルギー量を同程度にそろえた食事同士の比較)
  • World Health Organization「Carbohydrate intake for adults and children: WHO guideline」(2023年。成人の食物繊維25g以上、野菜・果物400g以上)
  • World Health Organization「Guideline: Sugars intake for adults and children」(2015年。遊離糖類は総エネルギーの10%未満、できれば5%未満)
  • 日本糖尿病学会「糖尿病治療におけるSGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendation」(2022年改訂。極端な糖質制限はケトアシドーシスの原因となりうる)

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