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ポテンツァ3回でどこまで変わる?研究と判定の時期

ポテンツァの3回は仕上がりではなく、続けるか変えるかを判断できるようになる地点と考えられます。ポテンツァと同じ方式の施術を3回受けた研究では、ニキビ跡の点数が開始時の半分を超えて下がったという報告がある一方、3回目までを終えた時点では凹みの体積の変化がまだはっきりしなかった試験もあり、変化は最後の施術のあとも数か月かけて進むためです。

ポテンツァは、極細の針を皮膚に刺し、針先から高周波(ラジオ波)を流して皮膚の内側に熱を加える、マイクロニードルRFと呼ばれる方式の機器です。

回数との関係では、126例を振り返った中国の研究で、3回を超えて受けた人のほうが良好な結果と関連していました。ただし、良い反応が出た人ほど続けた可能性もあり、回数を増やせば必ず良くなるとは読めません。

ここでは、3回で報告されている変化、悩み別の到達点、間隔と判定の時期、契約前の確認事項、3回で足りないときの考え方を、公表された研究と公的な資料をもとに解説します。

 

 

ポテンツァと同じ方式の3回で報告された変化

3回の施術を採用した研究では、ニキビ跡の点数が大きく下がった報告がある一方、変化は最後の施術のあとも数か月かけて進み、3回目の時点はまだ途中と読むのが妥当です。紹介する研究の多くは同じ方式の別の機器によるもので、ポテンツァそのものの成績ではありません。

この章のポイント
・対照のない3回の研究で点数が半分超低下
・ポテンツァ本体の試験は4回・販売元の資金
・4回の試験で3回目時点の体積差は不明確

3回の研究で報告された変化

3回の施術を1か月間隔で行った研究では、最後の来院時にニキビ跡の点数(凹みの型と数を重症度の数値にしたもの)が開始時の半分を超えて下がったと報告されています。中国の40例の診療記録を振り返り、最後の施術の3か月後まで追った研究で、副作用は一過性で軽度の痛みと赤みでした。

タイの前向き研究(事前に計画を立てて経過を追う研究)では、月1回・計3回の施術のあと、評価が時間とともに上がりました。完了した23例の写真を時点を伏せて医師2名が判定すると、1か月時点は78%が「0〜25%の改善」でしたが、6か月時点では「51〜75%」と「76〜100%」の改善がそれぞれ30%でした。紫外線を使う専用のカメラで測った凹みの体積も、1か月時点から開始時より減っており、偶然とは考えにくい差でした。

どちらも、施術を受けない人や別の方法を受けた人と比べるグループ(対照群)を置いていない研究です。タイの研究はメーカーが提供した、針の構造が異なるナノニードル型の機器を使い、中国の研究は機器名を示していません。

ポテンツァ本体の試験は4回で評価

機器名にポテンツァを明記したニキビ跡の比較試験には米国の試験があり、施術は3回ではなく4回でした。16例が完了し、顔の片側にポテンツァのみ、反対側に別のレーザーとの併用をランダムに割り振り、4週間隔で4回施術して最後の施術の6か月後に評価すると、ポテンツァのみの側の点数は約255から約82へ下がり、追跡中の色素沈着はありませんでした。

ただし、ポテンツァと、比較に使ったレーザーの両方を米国で販売する会社が研究費を出し、計画・データの扱い・原稿の確認に関わっています。著者自身も、16例では小さな差を見分けられない予備的な試験と位置づけています。また、これは米国で販売されている機器での成績で、国内で承認(国が品質・有効性・安全性を審査し、製造販売を認めること)を受けた「ポテンツァBASIC」と仕様が同じとは限りません。

3回目までを終えた時点はまだ途中

3回目までの施術を終えた時点では、凹みの体積の減少がまだはっきりしなかった試験があります。タイの29例に別の機器で4週間隔・4回施術し、患者も評価者も割り振りを知らない形で顔の左右を比べた試験で、顔の片側には傷の治りを助ける目的でインスリンの塗り薬を、反対側には有効成分を含まない薬(プラセボ)を組み合わせていました。プラセボ側の凹みの体積は、開始時18.02mm³(立方ミリメートル)、3回目までを終えた12週で16.75mm³と偶然の範囲を超える差ではなく、明確な減少は16週の15.28mm³以降、24週は14.03mm³でした。3回の施術から1か月後に体積の減少を報告した先述のタイの前向き研究とは、機器も体積の測り方も異なります。

使用した機器と比較したレーザーの両方のメーカーから技術支援を受けた中国の左右比較試験では、別の機器で1回だけ施術した側の30例の点数が、開始時118.37から1か月後94.65、6か月後76.38へ下がり続けました。ただし、改善の度合いの判定で「51〜75%の改善」に達したのは30例中1例で、残る29例は6か月後も50%以下の改善にとどまり、1回で大きく変わる人は少数でした。

5つの研究の条件の違い

5つの研究の条件と報告を並べると、次のようになります。

研究の対象と機器 回数と間隔 評価の時点 報告された変化
中国40例・機器名なし 3回・1か月間隔 最終施術の3か月後 点数が半分超低下
タイ23例・ナノニードル型 3回・月1回 1・3・6か月 改善の評価が時点ごとに上昇
米国16例・ポテンツァ 4回・4週間隔 最終施術の6か月後 点数約255→約82
タイ29例・別の機器 4回・4週間隔 12・16・24週 体積は16週から減少
中国30例・別の機器 1回のみ 1〜6か月 6か月まで低下が継続

機器も対象も異なる別々の研究で、回数の優劣は比べられませんが、いずれも最後の施術から数か月後まで経過を追っています。

受ける前に判定日を最後の施術の数か月後と決め、同じ窓際・同じ時間帯で施術前の頬を撮っておくと、判定日に比べる基準が残ります。

 

ニキビ跡・毛穴・クレーターで違う到達点

3回目がまだ途中だとして、どこまで届くかは悩みの種類で違います。毛穴の開きでは3回で写真の段階評価が改善した報告がある一方、凹んだニキビ跡、いわゆるクレーターは凹みの形で反応が分かれ、狭く深い凹みは3回では判断しにくいと考えられます。

この章のポイント
・毛穴は3回で写真の段階評価が改善した報告
・なだらかな凹みほど反応が早い傾向
・4回の試験で点数46%減・体積22%減

毛穴は3回で段階評価が改善

頬の毛穴の開きに3回続けて施術した研究では、写真による6段階評価の平均が3.55から2.59へ下がり、統計的にも意味のある改善でした。中国の22例の診療記録を振り返った研究で、間隔は1〜3か月、評価は写真の時点を伏せた医師2名が行い、痛みは10段階で平均6.42でした。対照群がなく機器名も示されていないうえ、段階評価は毛穴の面積や数を測ったものではないため、「毛穴が何%小さくなる」とは読み替えられません。

一般的に、毛穴が目立つ背景には皮脂の量、肌を支える力のゆるみ、角栓の詰まりなど複数の要素があるとされ、熱を加える施術が噛み合いやすいのは主に支える力の側と考えられます。

クレーターは凹みの形で反応が違う

凹んだニキビ跡は、凹みの形によって反応の速さや大きさが違います。先述の中国の3回の研究では、なだらかにうねるM字型の凹みが最も早く反応し、底が平らで縁の立ったU字型の凹みは3か月の追跡後に最も改善していました。先述のタイの左右比較試験でも、24週の点数の下がり方はM字型で最も大きく、針で刺したように狭く深いV字型で最も小さい結果でした。ただし、この試験の論文はM字型を縁の立った箱型の凹み、U字型をなだらかにうねる凹みと説明しており、M字型・U字型と凹みの見た目との対応は研究によって一致していません。一般的に、狭く深い凹みは熱を加える手段だけでは届きにくいとされています。

凹みの型に見当をつける方法の一例です。

  1. 洗顔後、何も塗らずに一方向から光が入る窓際に立つ
  2. 手鏡を頬の横に斜めに当て、凹みの影を見る
  3. 皮膚を指で軽く引くと浅くなる、縁のなだらかな凹みを数える
  4. 引いても残る、縁が立って底が平らな凹みを数える
  5. 針で刺したような狭く深い凹みを数え、3種類をメモする

これは医学的な診断ではなく相談で確かめる点を絞るための目安で、研究の分類と一致するとは限りません。凹みを強く押したりこすったりするのは避け、狭く深い凹みが多いなら3回で判断せず、診察で回数や手段を決めるのが現実的です。

見た目の点数と凹みの体積のずれ

見た目の点数が大きく下がっても、凹みの量はそれほど減っていないことがあります。先述のタイの左右比較試験では、プラセボ側の点数が24週で約46%下がった一方、3次元画像で測った凹みの体積の減少は約22%でした。4回施術した1件の試験の値ですが、写真の印象だけで仕上がりを判断しないほうがよいことを示す結果です。

悩みの種類ごとに、3回前後で報告されている内容と根拠の規模を並べます。

悩みの種類 3回前後の報告 根拠の規模 注意する点
毛穴の開き 6段階評価3.55→2.59 22例・対照なし 面積の実測ではない
なだらかな凹み(M字型) 最も早く反応 40例・対照なし 4回の試験も最大(型の説明に違い)
縁の立った凹み(U字型) 3か月後に最も改善 40例・対照なし 判定は数か月後に
狭く深い凹み(V字型) 最速・最大の型には入らず 40例・対照なし/4回の試験の29例 4回の試験で下がり方が最小

毛穴と凹みの報告は別々の研究によるもので、同じ条件で比べた結果とは異なります。

斜光の下で凹みの型と数をメモし、相談の際に見せると、回数や手段の話し合いが具体的になります。

 

3回の間隔と判定までのスケジュール

到達点の見当がついたら、次は3回をどう配分し、判定までに何か月かかるかです。研究の間隔は4週〜1か月が中心で、4週前後の間隔で3回受けると、初回から判定まで5〜8か月ほどを見込むことになります。

この章のポイント
・研究の間隔は4週〜1か月が中心
・研究の判定は最後の施術の3〜6か月後
・開始月で回復期の日差しの強さが変わる

間隔は研究でも承認機器でも4週前後

紹介した研究の間隔は、3回の研究2件が1か月、毛穴の研究が1〜3か月、4回の試験2件が4週でした。いずれも各研究の設計で、推奨された間隔とは異なります。

国内で承認を受けた機器の添付文書とは、製造販売業者が国の承認内容に沿って作る公式の説明書で、使い道や使ってはいけない人、施術の目安が記されています。ポテンツァと同じ「治療用電気手術器」という種類で2025年に承認された別の機器、モフィウスプロ(24本のピンから高周波を細かく分けて当てる機器)の説明書では、施術の目安が「施術間隔3〜6週間、施術回数1〜4回」とされていますが、効果が得られる回数を保証するものではありません。

一方、日本皮膚科学会の尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドラインは、出力の条件が機種によって異なるため、種々の試験を結びつけて評価するのは困難だとしています。別の機種や施設の間隔をそのまま当てはめることはできず、間隔を短くするほど早く仕上がるという根拠も示されていないため、間隔は肌の回復を見て医師が決めます。

判定日は最後の施術の数か月後

判定日は3回目の直後ではなく、最後の施術から3〜6か月後に置くのが研究の設計に沿った考え方です。先述の中国の3回の研究は最後の施術の3か月後を最終評価とし、先述のポテンツァの試験は6か月後に評価していました。4週前後の間隔で3回受けると施術期間はおよそ2か月で、そこに3〜6か月を加えると、初回から判定まで5〜8か月ほどです。研究の設計から導いた目安であり、個人の経過を約束するものではありません。

通えるかどうかを契約前に試算する手順の一例です。

  1. カレンダーに初回の候補日と、そこから4週ごとの3回分の日付を書き込む
  2. 各回の後の数日間に、式典や撮影など外せない予定が重ならないかを見る
  3. 3回目の日付から3か月先に「判定日」を書き込む
  4. 判定日までの通院と期間を許容できるかを考える

この試算は医学的な指示ではなく、生活側の条件を確かめるための手順です。日程が組めない場合は、開始時期や回数の見直しを相談できます。

福岡の日照と始める時期

施術後の皮膚には炎症後の色素沈着が起こりうるため、回復期が日差しの強い時期に重なるかどうかで遮光の負担が変わります。先述のタイの前向き研究では、23例中3例に色素沈着が生じて3〜6か月続きました。先述の承認機器の説明書も、施術後少なくとも1か月はSPF30以上の日焼け止めを使うよう求めています。

1991〜2020年の福岡の平年値では、日照時間が5月204.1時間に対し12月112.2時間で、地表に届く太陽のエネルギー量は5月が12月の約2.6倍です。4週前後の間隔で3回受けると回復期は3か月前後続くため、日照の多い時期に重なる場合は、日焼け止めや帽子などの準備を厚めにしておくと安心です。屋外の観測値で個人が浴びる紫外線量とは別物であり、冬に受ければ色素沈着しないという意味でもありません。

開始月の候補を2つ挙げ、回復期が日照の多い5月や8月前後に重なるかを書き比べておくと、開始時期を相談しやすくなります。

 

3回を契約する前に確かめること

通えるめどが立ったら、契約の前に、機器の承認、受けられない条件と副作用、回数コースの契約のルールの3点を確かめておくと、判断を誤りにくくなります。

この章のポイント
・承認の有無は機種ごとに承認番号で確かめる
・体内の金属や悪性腫瘍は受けられない例
・1か月超・5万円超の契約は法の対象になりうる

ポテンツァの承認は承認番号で確かめる

ポテンツァと呼ばれる機器が国内で承認を受けた機種かどうかは、承認番号で確かめられます。国内で承認を受けた機種には、Jeisys Medical Japan株式会社の「ポテンツァBASIC」(2023年12月5日承認、承認番号30500BZI00042000)があり、種類は「治療用電気手術器」です。承認された使い道は、見た目の改善のために皮膚に細かな点状に熱を加え、組織を固めたり、蒸発させて取り除いたりして皮膚の入れ替わりを促すこと(フラクショナルリサーフェシング)です。製品名だけでは承認機種か判別できないため、受ける機器の承認番号と、その機器の公式の説明書の内容を受診先に尋ねるのが確実です。

承認を受けていない機器や、承認された使い道と異なる使い方による自由診療をウェブサイトなどで紹介する場合、厚生労働省の医療広告等ガイドラインは、未承認であることと入手経路、国内の承認品の有無、諸外国での安全性の情報、医薬品副作用被害救済制度の対象外であることを示すよう医療機関に求めています。なお、医療機器は承認の有無を問わず、この救済制度の対象外です。

施術と同時に薬剤を肌に入れる場合は、その薬剤自体の承認状況も別に確かめる必要があります。国内承認機種の承認された使い道は皮膚に熱を加えることに関するもので、薬剤を肌に入れることは含まれていません。

受けられない人と主な副作用

ここでは、同じ種類で承認を受けた先述のモフィウスプロの説明書を例に示します。実際に受ける機器の説明書の内容は、受診先で確かめてください。その説明書は禁忌(その機器を使ってはいけない人)として、ペースメーカーなど体内に金属や電子機器を埋め込んでいる人と、皮膚がんなどの悪性腫瘍がある人・その既往がある人・前がん状態のほくろがある人を挙げています。妊娠中・授乳中は安全性が確立されておらず、次のような条件も慎重に扱うとされています。

  • 抗凝固薬(血液を固まりにくくする薬)の服用
  • ケロイド体質や傷の治りにくさ
  • 施術部位の湿疹・傷やヘルペスの既往
  • 血糖の管理が不十分な糖尿病や免疫の低下
  • 2週間以内の強い日焼け、2〜3週間以内のほかの光・レーザー・高周波の施術
  • 6か月以内のヒアルロン酸注入や、イソトレチノイン(重いニキビに使われることがある飲み薬)の使用

該当するものは事前に申告し、最終的に受けられるかどうかは受診先の医師が判断します。

副作用について、同じ説明書は重大なものとして熱傷を、その他として痛み、赤み、むくみ、かさぶた、水疱、色素沈着、瘢痕形成を挙げています。先述の126例590施術の中国の研究では全例に一過性の赤みがみられ、施術後約1か月に格子状の赤みが6例、ほかに色素沈着が1例生じ、いずれも処置を受けて1〜3か月で消えました。先述のタイの前向き研究では、赤みが1〜5日、かさぶたが3〜7日続きました。日数には研究ごとの幅と個人差があります。

米国の食品医薬品局(FDA)は2025年10月15日、肌の見た目を改善する目的でのマイクロニードルRFの使用について安全性情報を公表し、やけど、傷あと、脂肪の減少、外見の変形、神経の損傷が報告され、手術などの治療が必要になった例もあるとしています。

3回コースとクーリング・オフ

期間が1か月を超え、支払総額が5万円を超える美容医療の契約は、特定商取引法の「特定継続的役務提供」の対象になりえます。対象となる方法には、ニキビなどの除去や皮膚の活性化を目的とした「機器を用いた刺激による方法」が含まれ、個々の契約が当たるかどうかは契約の内容で決まります。

該当する場合、契約前の概要書面と契約後の契約書面の交付が義務づけられ、書面を受け取った日から数えて8日以内ならクーリング・オフができます。8日を過ぎても中途解約はでき、事業者が請求できる上限は、施術開始前が2万円、開始後は受けた施術の対価に加えて「5万円又は契約残額の20%に相当する額のいずれか低い額」です。契約の形による違いは次のとおりです。

契約の形 特定商取引法 8日以内の解除 途中でやめる場合
3回分を一括で契約 1か月超・5万円超で対象になりうる クーリング・オフ可 上限額つきで中途解約
1回ずつ支払い(毎回選べる) 原則として対象外 制度の対象外 次回を受けなければ終了

ただし、高額な初期費用がその後の施術の対価の一部になっている場合などは、一体の契約と判断されることがあります。

料金表の回数と契約前の確認

料金表の「3回」は、施術を提供する側が示す回数の目安やコースの単位で、研究から導かれた必要回数とは性質が違います。自由診療をウェブサイトなどで紹介する医療機関には、医療広告等ガイドラインにより、標準的な費用や治療期間・回数を示すことが求められています。契約前には次の点も確かめておくと安心です。

  • 熱傷・感染・色素沈着が疑われるときの連絡先と受診方法
  • 施術後の診察の時期と、追加の診察や薬の費用の扱い
  • 途中で中断した場合の扱い
  • 使う機器の承認番号と入手経路
  • 書面による説明と同意の有無

確認項目を書き出して相談に持参し、答えが得られない項目が残るなら、その場で契約せず持ち帰ってかまいません。

 

3回で足りないときの考え方

契約の条件まで確かめたうえで3回を受けても、判定日に物足りなさが残ることはあります。その場合の選択肢は、回数を足す、ニキビそのものの治療を先にする、手段を変えるの3つで、どれを選ぶかは残った凹みの型と負担で決まります。

この章のポイント
・3回超の群が良好だったのは関連で因果ではない
・新しいニキビが続くなら治療が先
・推奨度C2は「行わない推奨」とは異なる

回数を足すかは経過を見て決める

先述の126例590施術の中国の研究では、施術回数が3回を超えた群は、3回以下の群と比べて良好な結果と関連していたと報告されています。関連の強さを示すオッズ比(良好な結果になった人とならなかった人の比率を、2つの群で比べた値)は4.0でしたが、これは関連を示す数字であり、4回受ければ4倍良くなるという意味ではありません。反応が出た人ほど続けたという逆向きの可能性もあります。

同じ研究では126例中82例が4回以上を受け、最多は14回でした。研究全体では、点数の平均が85.6から35.0へ下がり、126例中92例(73.0%)で中等度以上の改善がみられました。診療記録を振り返った対照群のない研究で、機器名も示されていませんが、3回で終える設計が標準とは限らないことはうかがえます。追加するかどうかは判定日の診察で、残った凹みの型と費用・通院の負担をあわせて決めることになります。

活動中のニキビの治療が先

新しいニキビが続いている間は、凹みへの施術を重ねるより、ニキビそのものの治療を先にするのが順序です。新しいニキビが出続けると、施術の合間にも新たな跡が生じうるためです。先述のガイドラインも、軽い症状でも跡を残しうる一方、早期の治療で跡を予防できることを示唆するデータがあると記しています。このガイドラインの策定費用は日本皮膚科学会が負担していますが、策定委員の一部は製薬会社から講演料などを受けています。

ニキビの治療には保険診療で受けられる選択肢があり、同じガイドラインは1日2回の洗顔を勧めています。先述の中国の3回の研究では、併存していた活動中のニキビも跡の改善とともに抑えられたとされていますが、対照群のない研究であり、ニキビの治療の代わりになるとまでは言えません。

他の治療との境界

代わりの選択肢には、炭酸ガスレーザーを細かな点状に当てて皮膚を削る治療があります。先述の中国の1回の左右比較試験では、6か月後の点数に両側で差はなく、痛み(0〜10点)と、赤み・色素沈着が続いた日数を、参加者を並べたときの真ん中の値(中央値)で比べると、痛みは高周波側3に対しレーザー側8、赤みは2日と7日、色素沈着は3日と21日で、色素沈着が出たのは30例中2例と11例でした。効果よりも回復のしかたで選択が分かれうる結果です。炭酸ガスレーザーも痛み、長引く赤み、色素沈着が主な副作用で、一般的に妊娠中や光線過敏、ケロイド体質などは事前の申告が必要とされています。国内で承認された炭酸ガスレーザーの説明書には、抗凝固薬を使っている人を禁忌とするものがあります。

先述のガイドラインは、ニキビやニキビ跡へのレーザー治療を推奨度C2としています。C2は「十分な根拠がないので(現時点では)推奨しない」という位置づけで、「行わないよう推奨する」Dとは異なります。高周波の方法については「他の治療で効果の得られない難治性の萎縮性瘢痕には試みてもよいが,推奨はしない」としています。萎縮性瘢痕とは凹んだニキビ跡のことで、ヒアルロン酸などの充填剤やケミカルピーリングといったほかの施術も同じC2、解説には「現時点で萎縮性瘢痕に推奨できる治療法はない」とあります。このガイドラインが主に検討したのは2015年2月までに公表された研究で、それ以降の研究は一部しか推奨度に反映されていません。

初回の相談の際に、判定日の診察で回数を足すか手段を変えるかを決める段取りまで確かめておくと、3回目のあとに迷わずに済みます。

 

ポテンツァの回数についてよくある質問

回数と間隔、契約に関する疑問に答えます。

ポテンツァを3回受ければニキビ跡は消えますか?

消えるとは言えません。同じ方式の3回の研究で報告されたのは点数が半分を超えて下がった水準で、凹みが消えたという報告ではなく、凹みの型によっても差があります。

3回目が終わっても変化がわからないときはどうすればいいですか?

最後の施術から数か月後に、医師と改めて評価するのが目安です。3回目までを終えた時点では凹みの体積の変化がはっきりせず、その後に減少が明確になった試験があります。

ポテンツァは何週間おきに受けるのが一般的ですか?

研究では4週〜1か月おきが中心です。同じ種類で承認された別の機器(モフィウスプロ)の説明書の目安は3〜6週間で、実際の間隔は肌の回復を見て医師が決めます。

クレーターのような深い凹みも3回で足りますか?

3回で足りるとは限りません。なだらかな凹みは反応が早い一方、狭く深い凹みは熱を加える手段だけでは届きにくいとされ、診察で回数や手段を決める必要があります。

3回コースを契約したあとで解約できますか?

契約の形によってはできます。期間1か月超・支払総額5万円超の美容医療の契約は特定商取引法の対象になりえ、該当すれば書面の受け取りから8日以内のクーリング・オフや中途解約が認められます。

 

まとめ

ポテンツァの3回は仕上がりではなく、続けるか、回数や手段を変えるかを判断する地点です。3回目の直後はまだ変化の途中で、見通しは判定の時期と凹みの型によって変わり、新しいニキビが続いているならその治療を先にする選択もあります。

実際に動くときは、斜光で凹みの型と数をメモする、3回分の日程と判定日をカレンダーに書き込む、使う機器の承認番号と契約の形を確かめる、の3つから始められます。

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参考文献・出典

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  • 消費者庁「特定商取引法ガイド 特定継続的役務提供」「特定継続的役務提供(美容医療分野)Q&A」(2017年)

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